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2013年5月25日 (土)

写真から月の自転軸を求める (1)

太陽(黒点)でやったことを応用して月面のクレータの座標と月の写真から自転軸がどの方向にあるか見つけようという話です。

まず月のクレータが写真にどう写るかを考えます(以下の話では天の赤道や黄道や白道のことは一切考えていないことに注意してください)

クレータの緯度経度をφ、λとします。
例えばプラトンだったらφ=51.6度、λ=-9.4度(西経9.4度)です。

ここで地球上の観測点から月の中心を見たときの経度をL、緯度をBとします。

月は太陽にくらべてずっと近いので“地球(地心)から”としてしまうととたんに話がややこしくなるので“地球上の観測点から”としています。ただこうしてしまうとあとで自転軸の軌道面や天の赤道との関係を考えるとき面倒なことになるのでけっきょくおんなじですが。

観測点から見たクレータの相対的な経度はλ-Lとなります。

月の自転軸の北極方向をz軸、月の中心から自転軸と観測点を含む平面の方向をx軸とします。
この座標系でのクレータの方向余弦を求めます。つまり月の半径を1としたときのクレータの座標を求めます。

池袋駅南口の天文計算
池袋駅南口の天文計算
池袋駅南口の天文計算

  赤経と同じ測り方なのでMには“-”はつきません。

ここでx軸が観測点の方を向くようにBだけ自転軸を傾けます。

池袋駅南口の天文計算


これで形としては観測点から見たものになるのですが、じっさい写真を撮るとき自転軸を上方向になるように撮っているわけではありません。写真の上での自転軸の傾きをPeとすると 画像上のクレータの月の中心に対する座標x,y,zは

池袋駅南口の天文計算

となります。

--------

ここでLもBもPeもその値はわかりません。そこで太陽の黒点の動きから自転軸を見つけるのと同じような方法を使います。

L,B,Peを適当に決めて (例えばL=0,B=0,Peは月面図と写真を見比べてだいたいの値を予想します。Peはあるいは欠けた向きから決めてもいいでしょう)x,y,zを求めることはできます。

わからないのはL,B,Peの三つですから三つ以上のクレーターについてこの計算を行い計算で得られた画像上のクレータの座標とじっさいの画像上のクレータの座標の差がいちばん小さくなるL,B,Peを求めればいいはずです。

(続く)

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