極座標と直交座標の変換(方向余弦) (1/3)
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天文計算では位置を角度(極座標)で表すことが多いです。
赤緯と赤経、方位角と高度、緯度と経度、.....
たいていの場合方角しか問題にならないからでしょう。
そして天文計算では座標の回転が多いです。
赤道座標径を地平座標系に変換する、自転軸の傾きの影響を調べる、....
こういう場合は座標を直交座標で表しておいて回転の行列(マトリックス)を掛ける方法がわかりやすいです。
そういうわけで天文の計算は
極座標を直交座標に変換する
回転の計算を(繰り返し)行う
得られた直交座標を極座標に変換する
という流れになることが多くなります。
直交座標と書きましたがじっさいには恒星などは見える方向だけが問題で恒星までの距離を問題にすることは少ないです。そこで恒星は半径1の(天)球上に張り付いている点だと考えます。
この場合のように方向だけ考えるときは直交座標のことを方向余弦という言葉で表しL,M,Nと記すことが多いです。
赤道座標系(要するに赤経・赤緯)で具体的に考えてみます。
座標軸はx=春分点、z=天の北極の方向とします。
たとえば方赤経α、赤緯δのところに恒星が見えるとします。この恒星の直交座標(xp,yp,zp)
(OPの長さrを1とすれば方向余弦(L,M,N) )を求めます。
まずこの図を天頂方向から見たとします。
天頂方向から見たOPの長さをr'とすると
xp = r' * cos(α)
yp = r' * sin(α)
です。ここでz軸とOPを含むv-z平面を横から(正面から?)見たときを考えます。
そうすると
r' = r * cos(δ)
zp = r * sin(δ)
です。
以上をまとめると
xp = r * cos(δ) * cos(α)
yp = r * cos(δ) * sin(α)
zp = r * sin(δ)
となります。これが極座標を直交座標に変換する方法になります。
r=1の場合つまり方向余弦は
L = cos(δ) * cos(α)
M =cos(δ) * sin(α)
N = sin(δ)
ということになります。
極座標から直交座標(方向余弦)への変換では一点注意すべきことがあります。
(続く)
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