画像からクレーターの緯度・経度を求める
こういう状況を想定しています。
1. 画像にあるクレーターから月をどういう状態で撮ったか解析する。
2. 解析した結果から逆に画像上の“目標点”の緯度経度を求める。
例えば“月面X”や“月面A”の緯度経度を求めようというような話です。
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1.についてはすでに記事にしました。
「写真から月の自転軸を求める (1)」
「写真から月の自転軸を求める (2)」
「写真から月の自転軸を求める (3)」
「写真から月の自転軸を求める (4)」
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今回の記事はこれをベースにしています。
以下グダグダ書いていますが、たぶん
「P,B0,L0 - 太陽の自転軸の表し方」
をご覧になった方が早いでしょう。太陽も月も自転軸の表し方は同じです。
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月の状態というのは月の自転軸がどういう状態にあるかということを意味します。そしてこれはP,B0.L0という三つのパラメータで表されます。
Pは見かけの自転軸が点の赤道となす角度です。天の北極が上になるように写した写真での自転軸での傾きになります。
B0というのは月の中心が見かけ上月の緯度何度のところかに見えるかを意味します。例えば1度であれば月の中心が北緯1度のところに見える__月の自転軸が手前に一度傾いている__ことを意味します。
L0は月の中心が月の経度何度のところに見えるかを意味します。例えば2度であれば東経2度の子午線が正面に見える__直線に見える__ことになります。
月がどう見えるか考えるときは月を自転軸のまわりにL0回転し、自転軸を手前にB0傾けた状態でどうなるか考え、天の北極が上と考えてその画像をP回転した状態になります。
カメラが天の北極が上になるような状態に置かれたいないばあいはその傾き(ロール)をPに加えただけ自転軸が傾いて写真に写ります。
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最初にリンクした四つの記事はP,B0,L0を写真から求めるためのものでした。そしてこれらの記事で緯度/経度がわかっているクレーターが写真のどこに写るかは計算することができます。
今度は写真に写っている位置から緯度経度を求めます。
Excelのシートはこうなります。
1行~13行までは
「写真から月の自転軸を求める (2)」
とまったく同じです。
15行は
「写真から月の自転軸を求める (3)」
の二行目をコピーしたものです。
経度・緯度から画像上の位置を求めるときはL0,B0,Pの順番で回転しました。画像上の位置から経度・緯度を求めるときはP,B0,L0の順番で回転します。
B0、Pの回転に対する回転の行列を求めたのが20行~22行ですが、回転の方向が逆になりますのでB0,Pの符号が逆になっています。
まずE列にある月の半径を1と考えたときのクレータの座標をPだけ回転するとF列になります。さらにB0回転するとG列になります。
これを緯度・経度に変換するとH列になります。ただこの緯度・経度にはL0が反映されていませんのでさらにL0の分を考えたI列が本当の緯度・経度ということになります。
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