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2013年5月24日 (金)

太陽や月の中心位置を画像から求める

月や太陽を撮った写真からその中心位置や半径を求めるお話です。
画像から黒点の位置を正確に求めよう、そして太陽の自転軸の傾きや自転の速度を調べようという計画のいちばん最初のステップです。

以下平面でのことなのですが、のちのち三次元で考えることになりますのでここではy-z平面と考えています。

いちばん簡単なのは

太陽像の左右両端のy座標の平均を中心のy座標、上下両端のz座標の平均を中心のz座標とする

という方法でしょう。これでもいいとは思いますが、画像から得られるできるだけ多くのデータを使ってより正確に求める方法を考えます。じつはこの方法を考えたのは別のきっかけです。

  欠けた月の中心座標を求めるにはどうしたらいいか、
  大気差で歪んだ太陽あるいは月の中心座標を求めるにはどうしたらいいか

後者は、歪んだ太陽の像からその地点・日時・方位での実際の大気差を求める、というテーマにつながります。

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考えた具体的な方法はこんなものです。

1. 画像から太陽(あるいは月)の縁の座標を何点か求めます。
2. 得られた何点かの座標が円周上にあるような円を求めます。
3. 得られた円の中心が太陽の中心になります。

実際にはこうします。
a. 円の中心の座標(Y,Z)や半径Rを適当に仮定する
  (適当というのは画像を見てこのへんだろうという程度の意味です)
b. 仮定された円の中心に対する読み取った点の極座標(θi,ri)を求めます。
c. Σ(ri-R)^2 が最小となるX,Y,Rを求めます。

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実際にやってみます。サンプルはこれです。
$池袋駅北口のぐんまのやぼう

まずこのようなExcelのシートを用意します。
池袋駅南口の天文計算

画像から8点の座標を求め、適当にY=230,Z=300,R=250と仮定します。
池袋駅南口の天文計算

右下F16にある残差が最小になるY,Z,Rを求めなければいけないのですが不精してExcelのソルバーを使います。
池袋駅南口の天文計算

得られた円の半径と測定した点の中心からの距離を比べるとどれも1ピクセルの差ももありませんので良い感じで中心座標(233.2,294.1)、半径266.0が求められていると思います。
池袋駅南口の天文計算

ところでお月様がまんまるだとしても、その写真はまんまるになるのだろうか、という問題があるのですが、お月様の場合画角が非常に小さいのでまんまると考えても問題ないでしょう。

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撮影
   スコープタウン D60mm FL480mmアクロマートレンズ/セル付き
   PENTAX Q(直焦点)

画像処理
 GIMP 2.8.2とそのプラグイン
   GREYCstoration strenght=20.0他はデフォ
   WaveletSharpen Amount=5.0、Radius=0.5
   90度回転
   縮小(3000x4000 => 580x773) 、トリミング(580x773 => 580x580)
   WaveletSharpen Amount=0.5、Radius=0.5

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