「内積」というもの
幾何的には内積は次のように定義されます。
a・b = |a||b|cosθ (θはaとbがなす角の角度) (1)
意味は非常にわかりやすいです。
aのb方向の成分とbの大きさの積(bのa方向の成分とaの大きさの積)が内積である
ということを言っています。
意味はわかりやすいのですが、aとbが成分で表示されているときどうやって計算したらいいかよくわかりません (^^;;
一方代数的には次のように定義されます。
a・b = ax * bx + ay * by + cx * cy (2)
こっちは計算は簡単です。小学生でもできます。ただこの式が具体的に何を意味しているのか一見わかりづらいです。
だから内積は意味は幾何的に考え、計算は代数的に行う、というようなことになります。上の二つが同じ値になることはとうぜん証明が必要です。
証明は余弦定理を使うことが多いようです。ただ証明ができて(1)と(2)が等値であることが納得できても(2)の意味が理解できたと自信をもって言えないのがつらいです (^^;;
--------
(1)から内積はaとbが直行していれば0になることが、また同一方向であればaとbの大きさの積になることが明らかです。
aもbも互いに直交する三つのベクトルの和として表されます。三つのベクトルの方向が座標軸あるときのそれぞれの大きさが(2)にあるax,ay,azでありbx,by,bzであるわけです。
それぞれの方向の大きさ1のベクトル=単位ベクトルをi,j,kとすると
a = ax * i + ay * j + az * k
b = bx * i + by * j + bz * k
と表されます。
ここでaの要素 ax * i とbの内積を考えます。iとj、iとkは直行しているのでax * iと by * j、bz * kの内積は0になります。iとは同じ方向なのでax * iとbx * iの内積は ax * bx となります。
同じように考えるとけっきょく
a・b = ax * bx + ay * by + cx * cy
になるはずです。たぶんこれが(2)のいちばん理解しやすい考え方だと思います。
------
上の考え方をするとき内積では分配則などが成り立つことを前提にしています。そしてそれには((1)を前提にしていますから幾何的な)証明が必要です。だからこういう考え方をしても証明自体が簡単になるわけではありません。
« レデューサーの原理 | トップページ | レデューサーの実際 (2) »
「編集用」カテゴリの記事
- メモ(2013.11.04)
- 天体望遠鏡・拡大撮影の原理 (1)(2013.07.26)
- 天体望遠鏡・拡大撮影の原理 (2)(2013.07.26)
- 天体望遠鏡・拡大撮影の原理 (3)(2013.07.26)
- 天体望遠鏡・拡大撮影の原理 (0)(2013.07.26)
この記事へのコメントは終了しました。
コメント