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2013年6月 3日 (月)

黒点・より精度の高い観測をめざして

今「黒点の位置を観測し太陽の自転速度を求める」ことをテーマにしています。

黒点の観測は太陽の自転軸がわかっていることを前提に黒点の動きや形の変化の観測を行う、緯度による自転速度を求める、というようなことを目的としたものが多いですが、このテーマは黒点の動きだけから太陽の自転軸の傾き角度やその方位角、自転速度を求めようという遠大な(?)計画です。

まずデータを集めなければならないので機会があれば太陽の写真を撮っています。そして撮っているうちに不思議なことに気づきました。写真を撮ったとき太陽の位置が画像の中心から離れるほど太陽の大きさが大きく写っているように思えるのです。

写真の場合中心からの角度をθとすると画像の中心からの距離はtanθに比例します。画像の中心から離れるほど像が大きくなることを意味します。最初はこれが原因だと思いました。

ところが計算してみるとわかるのですが今黒点の撮影によく使う焦点距離が200mmのものをPENTAX Qので使ったときこの影響は長辺の画像の端でも0.2ピクセルしかありません。これは読み取り誤差に埋もれてしまうくらいの差でしかありません。

写真を撮ったあと「太陽や月の中心位置を画像から求める」に記した方法で太陽の中心と半径を求めます。

昨日撮った写真から画像の中心が近いもの、遠いもの5枚を選び太陽の中心位置と半径の関係をグラフにしてみました。
$池袋駅南口の天文計算

横軸が太陽の中心の画像中心からの距離、縦軸は太陽の半径です。確かに画像中心からの距離が大きくなるほど太陽の半径は大きくなっているように見えます。

半径が違うと言ってもごくわずかの差でこのグラフの範囲であれば1.5ピクセルの違いです。でっもこれは半径ですから直径だと3ピクセルの差になります。読み取り誤差と一言で片付けられない大きさです。

できるだけ精度のよい観察をしたいのであればこの原因を突き止め必要とあれば画像から読み取った座標データを補正する必要があります。

もちろんこれは月(のクレーター)の撮影でも発生している可能性があり、原因を特定するために月の写真についても同じように確認しなければなりません。

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画像の中の一枚。画像の中心に近いところにあるものです。
$池袋駅南口の天文計算
PENTAX Q + ZoomNikkor 100-200mm F4、f=200mmで撮影。

画像は黒点がわかりやすいようにGIMP 2.8.2のプラグイン Adaptive Contrast Enhancementで処理してありますが、トリミングなしで4000x3000から580x435に縮小してあります。

(続く)

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