天体望遠鏡・拡大撮影の原理 (4)
式を変形していくと d=(b-f)/f だったかしら。いえ、d=(b/f)-1 ですね^^
そういえばタカハシの拡大投映用レンズPJ11とPJ20にはレンズ主点位置にマークが有ったので拡大率が簡単に計算出来ました^^
このコメントを拝見して記事に実用性(?)が欠けていたと感じたので拡大撮影について補足します。
まず
1/f = 1/a + 1/b
の公式があります。
ここで拡大撮影の拡大率をDとすると b = D * a でなければなりません。
まずDからaを求める計算式です。
1/f = 1/a + 1/ ( D * a )
a * D * a = f * D * a + f * a
a * D = f * D + f
a = ( f * D +f ) / D
a = f * ( 1 + D ) / D
a = f * ( 1 + 1/D )
D=1のとき
a = f * ( 1 + 1/1 ) = f * 2
D=2のとき
a = f * ( 1 + 1/2 ) = f * 1.5
D=3のとき
a = f * ( 1 + 1/3 ) = f * 1.3
眼視のときには接眼レンズは a ≒ f のところにあります。
ですから
眼視の位置(注)から接眼レンズを
焦点距離の長さだけ引き出せば等倍の撮影。
焦点距離の長さの半分だけ引き出せば二倍の拡大撮影
焦点距離の長さの1/3だけ引き出せば三倍の拡大撮影
焦点距離の長さの1/Nだけ引き出せばN倍の拡大撮影
ができます。
同様にDとbとの関係を考えると
1/f = 1/(b/D) + 1/ b
1/f = D/b + 1/b
1/f = ( D + 1 ) / b
b = f * ( D + 1 )
またbからDを求めるには上式から
D = b /f - 1
ですから
接眼レンズとセンサーの間隔を
焦点距離の長さの二倍にすれば等倍の撮影
焦点距離の長さの三倍にすれば二倍の拡大撮影
焦点距離の長さのN倍にすれば(N-1)倍の拡大撮影
ができることがわかります。
なおaからDを求めるのであれば
1 + 1/D = a /f
1/D = a/f -1
D = 1 / ( a/f - 1 )
となります。
注
上記で fは接眼レンズの焦点距離を意味します。またa、bは下図のa2、b2に相当します。
「眼視の位置」とは「天体望遠鏡・コリメート撮影の原理 (3)」でいうとbe -> ∞ つまり ae -> fe となった状態をいいます。具体的には(近視の方は目を矯正した上)ピントが合う範囲で
・できるだけ接眼レンズを抜き出した状態
・像がいちばん遠くに見える状態
・像がいちばん小さく見える状態
などを意味します。

(2013-04-14 09:18:04)
(2013-07-26 11:25:19)
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