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2013年8月19日 (月)

いるか座新星のPENTAX K-r光度 (1)

あくまで「独自研究」です (^^;;

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例えばシリウスを考えます。距離8.6光年で半径が太陽の1.6倍ですからみかけの大きさは0.03秒くらいになるはずです。これを100mmのレンズで撮るとセンサー上の像の大きさは2.5nmくらいになります。PENTAX K-rのセンサーのセルの大きさはμmのオーダーですから完璧に点光源です。

ただ実際写真に撮ると大きさがあるように見えます。原因は

1. ピントがあっていない(あっていたとしても収差はある)
2. レンズの大きさが有限であることによる回折
3. 大気の温度分布の変動による光路のゆらぎ

などだと思われます。これらの要因からすると

  星像中心からの距離と光度の関係はだいたい正規分布みたいな形になっていて

  その山の高さ、“裾野”の広さは明るさに比例している

のではないでしょうか。したがって明るいと感じる閾値より大きい輝度を持つ範囲は明るい星ほど大きく(広く)なるはずです。

ただ(カタログで)明るい星が必ず大きく写るかというとそうとは限らないでしょう。

1. 周辺減光
2. 収差の影響
3. バックグラウンドの明るさの影響
  これは目視でチェックするとき顕著 (^^;;
4. センサーの特性
  光度は波長に対する輻射強度を波長で重み付け積分したようなものだから
  重み付けの関数の形が違えば光度の判断も違ってくる

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考えていてもしようがないのでじっさいどんな感じなのか調べてみました。

まず

  「いるか座の新星 (2)

のトリミングする前の画像
池袋駅南口の天文計算

から比較的明るい恒星(といっても4等星~5等星くらい)を抜き出し明るさの順に並べてみます(すいません。星名を書き入れるのを忘れました。光度はステラナビゲータの値です)
池袋駅南口の天文計算

チェックした恒星は画像の中心にあるもの周辺にあるもの、高度の大きいもの小さいものさまざまなのですが、これを見ると「光度等級の高い恒星ほど大きな星像になるはず」という予想が意外によくあっているようです。もっとも大きい小さいは目視で判断してますが....

さて、ここで“?”としてあるのがいるか座の新星です。

この“スケール”に当てはめると5.0等くらいみたいです。



いるか座のγ星は4.27+5.15の二重星です。
したがって光量の和に相当する3.87等星として扱っています。

  =6-LOG(10^(LOG(100)/5*(6-4.27))+10^(LOG(100)/5*(6-5.15)))/(LOG(100)/5)

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撮影
  PENTAX K-r
  TAMRON AF28-300mm Ultra Zoom XR F/3.5-6.3 LD
  73mm F8 10sec ISO3200
  2013/08/17 14:24:26UTC(GPS時間)

画像処理
  GIMP 2.8.2
  本文参照

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参考記事

ムササビ WAT01さん
  「発見前の いるか座新星付近(8月12日)
  「いるか座新星の光度解析・・・デジカメは使えません
  「いるか座新星:ざっくり、簡単 光度測定
  「もしかしたら、いるか座新星 ?
  「速報:いるか座新星 2013

ブラック・イマイさん
  「[星空]8/15の画像にいるか座新星
  「[星空]飛騨の星空

久万高原天体観測館さん
  「いるか座新星・続報

さん
  「いるか座新星

ほよほよさん
  「いるか座新星(2)
  「いるか座新星

dewnabeさん
  「いるか座の新星 (the nova in Delphinus)


池袋駅南口
  「いるか座新星のPENTAX K-r光度 (2)
  「いるか座新星のPENTAX K-r光度 (1)」 (この記事)
  「いるか座の新星 (2)
  「いるか座の新星

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