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2013年9月 2日 (月)

写真から天体の位置を求める方法 (1)

これから書くことはけっこう面倒で泥臭いです。

単に結果を求めることができればいい、ということであれば「IRAF」とか「ターナーの推定法」をキーワードに調べていただければと思います。

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「天文趣味」というのもいろいろあると思いますが、私の場合は興味があることと言うと天体の運行・動きでしょうか。そしてそういうものを考えるとき写真は重要な手段になります。

だから天体が写真にどう写るか、写真から天体の位置・座標を求めるにはどうしたらいいか、ということは実用的な問題です。でもたいていの天文書は「目で見える位置」つまり「方位角・高度」を求めるところで終わりのようです。

方位角・高度がわかれば写真にどう写るかを求めるのはそんなにたいした問題じゃないように思えます。「理論」は

  「天体のセンサー上の位置を求める
  「カメラの回転を考慮する
  「天体の(画像上の)位置計算の具体例
  「赤経・赤緯から天体のセンサー上の位置を求める
  「天体の(画像上の)位置計算の具体例

に書きました。座標の回転さえちゃんとできれば問題となるとことは何もないように思えます。

ただ実際にやってみるとそんなに「甘くはない」ことがわかります。

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これから「天体が写真にどう写るか」、「写真から天体の位置を求めるにはどうしたらいいか」ということの「実際」を書きます。

何度かにわけて書くことになるのでまず結論だけ書いておきます。

レンズの収差を無視して考えることは無意味です。

例えば28mmのレンズで撮影した写真についてレンズの収差を無視すると天体の画像上の位置の計算では数十ピクセルの誤差が発生します。

収差を簡単なモデルで近似するだけで誤差はほとんど無視できるレベル(1ピクセル以下)になりました。

地平近くの撮影ではレンズの焦点距離が28mmであっても大気差を無視した計算は成り立ちません。

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ところでこのような計算は次のようなステップから成り立ちます。

1. 星表の恒星の位置から視位置を求める。

2. 観測地の天文経緯度を求める。

3. 視位置と天文系緯度から恒星の方位角・高度を求める。

4. 方位角・高度から写真(センサー)上の位置を求める

5. 画像(センサー)上の位置から(未知の)天体の方位角・高度を求める。

6. (未知の)天体の方位角」・高度から位置(視位置)を求める。

今回書くのは4.と5.の部分です。1.、2.、3.の部分は掩蔽(星食)の予想でも必要なのでそちらに関連して書く予定です。またそれができれば6.は簡単にできます。

(2013-09-02 20:06:18)

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