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2013年9月24日 (火)

高度3,500kmの人工衛星

前記事で謎の飛行物体が人工衛星と仮定してその軌道を求めました。ただ求まった軌道は平均運動(=一日の周回数)が8.85、つまり(地表からの)高度で表現すると3,500km程度ということになります。

人工衛星の軌道は何種類かありますが平均運動に関して言えば12~16くらいのISSのような低軌道の衛星がほとんどのようです。そしてそうでない衛星は静止衛星(平均運動=1)かGPS衛星モルニヤ衛星のような平均運動が2程度の衛星のようです。

つまり平均運動が8.85なんて衛星は存在しないようです。

やっぱり、鳥、虫、UFO?ということになるのか思いながらも衛星の軌道要素の一覧から必死で探してみました。そうしたらこんなのがありました。

MOLNIYA 1-44
1 11474U 79070A 13266.59784069 .00155330 54691-6 11217-2 0 1518
2 11474 62.1556 345.6478 3342110 148.0155 337.0272 8.85384106417222


なんと平均運動はぴったり8.85(8.85384106)です。モルニヤ衛星は上に書いたようにふつう平均運動2でしかも0.7程度の大きな離心率を持つのですが、どういうわけかこの衛星だけ平均運動が大きくしかも離心率0.3342110と比較的小さく円軌道に近いです。なんだか打ち上げに失敗したんじゃないかと心配になるような軌道です。

ただ軌道傾斜角62.1556です。算出した傾斜角は70度ですから同一の可能性があるのではないかと思われるかもしれませんが、この数値は衛星が地球の自転と同じ方向に周回していることを示しています。そこが算出結果(NORADの軌道要素の表現だと軌道傾斜角110度になります)とは決定的に違います。

だから残念ながらこの衛星は動画に写っていたものとは別のものでしょう。

でも、こういう衛星が実在することが確認できたのは収穫です。しかもめったにない特異な軌道とも言えるわけでしらみつぶしに探して謎の飛行物体に相当する軌道要素があればすぐにそれとわかるでしょう。

今回もNORAD(北アメリカ航空宇宙防衛司令部)のデータ

  「NORAD Two-Line Element Sets Current Data

を利用させていただきました。

右下の方です。上の方は(よく見えませんが)恒星です。
$池袋駅南口の天文計算

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19日未明の6.3等星の掩蔽
19日未明6.3等星掩蔽観測結果+謎の飛行物体
(動画)掩蔽5分前のHIP 113421
謎の飛行物体の正体 (1)
謎の飛行物体の正体 (2)
謎の飛行物体の正体 (3)
観測データから人工衛星の軌道を決定する
軌道を求める - 謎の飛行物体の正体 (4)
高度3,500kmの人工衛星


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