9月28日未明、HIP 32539の掩蔽 (2)
さて次はいよいよ出現の時刻が調べることになります。
動画で掩蔽を観測する場合タイムインサータは__手作りも考えてはいますが__ちょっと手の届かない世界にあるのでやれることといったらできるだけ正確な報時信号を動画を撮るときいっしょに録音してしまうことでしょう。
時刻を音声で知らせてくれる正確な時計、というのがあればいいのですが少なくともおうちにはないですし時計屋さんにも売ってそうにありません。
結果的に考えると惑さんの標準電波(BPM)を使うというのが正しかったと思います。
ただこのときは独自性を発揮してしまいました。標準電波の場合__そんなことは現実にはないと思いますが__受信できない可能性がある、停波される時間帯がある、という理由です。
まず時刻自体にはあんまり正確でなくても1秒毎に音を発するようなものを探しました。
iアプリに「Time Signal」というのがありました。1秒毎に音が鳴り10秒毎に音声が入ってピー音がなります。このアプリのレビューを見ると「うるさい、音がなる間隔を設定できるようにしろ」というのが多いのですが私には好都合です。
時刻はともかく時間間隔が正確なのかが心配なんですが、フライトモードにしておけばまあたいていだいじょうぶだろうと勝手に判断します。
そしてこんなことをやります。

まず観測の前に正確な時計(標準電波とかラジオの時報とか117とか)と観測に使う時計のズレを調べます。
次に観測はこの"時計"の音をいっしょに録音しておきます。
最後に正確な時計と観測に使う時計のズレを調べます。
ちょっと面倒ですが観測時はレベルが一定の音が確実に録画されますからその点には余計な心配はしなくていいはずです。
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で結果なんですが、観測時の音声はきちんと録音されていました。画像編集に使っているアプリ「TMPGEnc Video Mastering Works」で画像と音声の波形を見比べながら掩蔽の起きたフレームの時刻を読み取るのは簡単でした。
問題は校正のために録画(録音)したものでした。深夜なので音量を控えめにして録音しました。録音の直後に録音されているのは確認したのですが音量が小さすぎて波形を見てもどこに報時信号が入っているかわかりません (^^;;
GoldWaveとか持ちだして音声を加工しやっと進み遅れのデータを得ることができました。
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結果
観測前の計時
観測に使う時計は2.392秒遅れていた。
観測後の計時
観測に使う時計は2.396秒遅れていた。
なんで2秒以上も遅れるんだ、と思うのですが遅れてはいたものの時は正確に流れていたようです。0.03秒以上の精度は必要ないのでこれでじゅうぶんでしょう。
観測用の"時計"つまりiPhoneは途中で時刻調整が入るのはいやなので上に書いたようにフライトモードにしていました。
出現が観測されたフレームの開始時刻は02時52分22.15秒(観測時計時)でした。
したがって出現の時刻は02時52分24.55秒(JST)ということになります。やっぱり予測より10秒早かったというショックな結果です。
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今後は明るい恒星や惑星の掩蔽であれば動画、暗い恒星の場合は写真で観測するつもりなのですが計時をどうするかが問題になります。
この方法でも注意深くやれば私の必要とする精度(±0.1秒)は出せると思いますが手間は省きたいです。
音の出る正確な時計はないか?
正確な時計と言ったらGPS時計しかないような気がします。ランナー向け(?)の腕時計がけっこう出ていますが音はしないみたいです。もっともあの値段じゃまだ買う気になりませんが....
("教科書"によると長波の標準電波を使ういわゆる電波時計は使うなとあります)
よく考えるとiPhoneはGPSを内蔵してます。なんでGPSに同期しないんだと思うのですが、ひょっとしたらGPSに同期する時計のiアプリがあるのでは?
そう思って探してみたらありました。これから音のするものを探し精度をチェックして問題なければ次回の掩蔽で使ってみたいと思います。その場合でも念のため観測前後の校正はするつもりですが....
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星食(掩蔽)に関する関連記事や参考文献の一覧はこちら
「星食(掩蔽)参考文献・関連記事一覧」 編集
動画で掩蔽を観測する場合タイムインサータは__手作りも考えてはいますが__ちょっと手の届かない世界にあるのでやれることといったらできるだけ正確な報時信号を動画を撮るときいっしょに録音してしまうことでしょう。
時刻を音声で知らせてくれる正確な時計、というのがあればいいのですが少なくともおうちにはないですし時計屋さんにも売ってそうにありません。
結果的に考えると惑さんの標準電波(BPM)を使うというのが正しかったと思います。
ただこのときは独自性を発揮してしまいました。標準電波の場合__そんなことは現実にはないと思いますが__受信できない可能性がある、停波される時間帯がある、という理由です。
まず時刻自体にはあんまり正確でなくても1秒毎に音を発するようなものを探しました。
iアプリに「Time Signal」というのがありました。1秒毎に音が鳴り10秒毎に音声が入ってピー音がなります。このアプリのレビューを見ると「うるさい、音がなる間隔を設定できるようにしろ」というのが多いのですが私には好都合です。
時刻はともかく時間間隔が正確なのかが心配なんですが、フライトモードにしておけばまあたいていだいじょうぶだろうと勝手に判断します。
そしてこんなことをやります。

まず観測の前に正確な時計(標準電波とかラジオの時報とか117とか)と観測に使う時計のズレを調べます。
次に観測はこの"時計"の音をいっしょに録音しておきます。
最後に正確な時計と観測に使う時計のズレを調べます。
ちょっと面倒ですが観測時はレベルが一定の音が確実に録画されますからその点には余計な心配はしなくていいはずです。
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で結果なんですが、観測時の音声はきちんと録音されていました。画像編集に使っているアプリ「TMPGEnc Video Mastering Works」で画像と音声の波形を見比べながら掩蔽の起きたフレームの時刻を読み取るのは簡単でした。
問題は校正のために録画(録音)したものでした。深夜なので音量を控えめにして録音しました。録音の直後に録音されているのは確認したのですが音量が小さすぎて波形を見てもどこに報時信号が入っているかわかりません (^^;;
GoldWaveとか持ちだして音声を加工しやっと進み遅れのデータを得ることができました。
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結果
観測前の計時
観測に使う時計は2.392秒遅れていた。
観測後の計時
観測に使う時計は2.396秒遅れていた。
なんで2秒以上も遅れるんだ、と思うのですが遅れてはいたものの時は正確に流れていたようです。0.03秒以上の精度は必要ないのでこれでじゅうぶんでしょう。
観測用の"時計"つまりiPhoneは途中で時刻調整が入るのはいやなので上に書いたようにフライトモードにしていました。
出現が観測されたフレームの開始時刻は02時52分22.15秒(観測時計時)でした。
したがって出現の時刻は02時52分24.55秒(JST)ということになります。やっぱり予測より10秒早かったというショックな結果です。
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今後は明るい恒星や惑星の掩蔽であれば動画、暗い恒星の場合は写真で観測するつもりなのですが計時をどうするかが問題になります。
この方法でも注意深くやれば私の必要とする精度(±0.1秒)は出せると思いますが手間は省きたいです。
音の出る正確な時計はないか?
正確な時計と言ったらGPS時計しかないような気がします。ランナー向け(?)の腕時計がけっこう出ていますが音はしないみたいです。もっともあの値段じゃまだ買う気になりませんが....
("教科書"によると長波の標準電波を使ういわゆる電波時計は使うなとあります)
よく考えるとiPhoneはGPSを内蔵してます。なんでGPSに同期しないんだと思うのですが、ひょっとしたらGPSに同期する時計のiアプリがあるのでは?
そう思って探してみたらありました。これから音のするものを探し精度をチェックして問題なければ次回の掩蔽で使ってみたいと思います。その場合でも念のため観測前後の校正はするつもりですが....
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