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2013年9月 2日 (月)

天体の(画像上の)位置計算の具体例

前二回の記事で考えた内容を現実の問題に応用してみたいと思います。と言っても思考実験のようなものです。

次のような条件を想定しています。

35mm版(フルサイズ)で35mmのレンズをつけたカメラ。
レンズに収差はない
(センサーから35mmのところにピンホールをおいたカメラと考えてもいいと思います)
センサーサイズは 4000x3000

  f=35[mm]
  Sx=36[mm]
  Px=4000
  C=f/Sx*Px=3888.9

カメラを水平に設置し仰角を0度、7.5度と変化させる

まず被写体は25個の恒星です。
池袋駅北口のぐんまのやぼう

水平線の(仰角が0度のときの)カメラの光軸上の点を中心に縦横に25個の恒星があるものとします(地平線下に恒星が存在するのはヘンですが、そこは「思考実験」なので....)
恒星の方位角は左から-20度、-10度、0度、10度、20度
恒星の高度は下から-15度、-7.5度、0度、7.5度、15度

これをまず仰角を0度にして撮影します。
池袋駅北口のぐんまのやぼう

わかること

  同一高度にある恒星であっても方位角が変わればセンサー上のy座標は変化する。

  高度が0のときのみ方位角にかかわらずセンサー上のy座標は一定である。

  方位角が同一の恒星の画像上のx座標は同一である。

こんどは仰角を7.5度にして撮影します。
池袋駅北口のぐんまのやぼう
仰角があるため高度が-15度の恒星は写らなくなり画像にあるのは20個の恒星です。

わかること

  高度が0のときのみ方位角にかかわらずセンサー上のy座標は一定である。

これは注意が必要です。このことが言っているのは「高度=仰角の線のみがx軸と平行になる」ということではなく

  仰角には無関係に地平線(高度0の線)のみがx軸と平行になる  

ということです。

そしてカメラが仰角を持つと

  画像上のx座標のみから恒星の方位角を求めることはできない

ことが言えます。

一般的には

  画像上のx座標のみから方位角を求めることは(水平線上でない限り)できない

  画像上のy座標のみから高度を求めることは(画像中心の鉛直線上でない限り)できない

が言えます。

またこれらに関連して

  (撮影時の画像中心がわからない限り)トリミングされた画像からは方位角・高度を特定することはできない。

ことにも注意が必要です。ただしこれは「トリミングされた画像から恒星の方位角・高度を求めることはぜったいにできない」という意味ではないです。既知の恒星が複数撮影された画像であればトリミングされていても画像中心を求められることがあり、その場合は未知の恒星の方位角・高度を求めることができます。

補足

以上に記した内容は図をもとに説明してあるのですが、前二回の記事に記したことあるいはそれから証明ができることです。

(2013-04-20 23:59:17)

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