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2013年10月10日 (木)

明日11日の掩蔽(その1)

明日11日は天文年鑑にあるものだけでも三つ掩蔽があります。どれもきわどい感じですがまず21時過ぎの6.6等星のものです。またこの星食の数分前に7.3等星の潜入もあるのでそれも加えておきました。
一つ目のシートに観測地の経度・緯度(・標高)を入力していただければ両方とも計算できるようにしてあります。

  「掩蔽_20131011_HIP92301_Ver.2.xls

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今回はVer.2.0としました。新しいバージョンは先日の接触軌道要素を補間で求めてそれから赤経・赤緯を求めるものにするつもりでしたが間に合いませんでした。

今回は別のところを改良したのでVer.2としてあります。

9月28日の掩蔽のときも予測をしたのですが(東京では)予測より10秒も前に出現してしまうという“屈辱”を味わいました。これは原因はわかっています。
このときはデータ点数(7点)について恒星と月の離角を求めこれを二次関数で近似し離角が月の視半径と一致する時刻を二次方程式を解くことに求めるという方法をとりました。
もしシートを詳しくご覧になった方がいらっしゃったら気づかれたと思いますが離角の二次関数での近似はあんまり良好な近似が得られません。予測の精度が悪い原因はここにありました。観測地によってかなりいい結果が得られることもあれば上に書いたように10秒違っていたりもしました。

月の赤経・赤緯も二次関数で近似しているのですが、こちらはかなりいい精度で近似できています。そこで今回はもっと原始的な方法を使いました。

まずデータの両端での月の離角を求め線形補間で離角が視半径と一致する時刻を求めます。もちろんこれで正しい時刻が求まるわけではないので次に求まった時刻の±2分で再度離角を求め補間して離角と視半径が一致する時刻を求めます。そして同じように±20秒、±2秒と繰り返します。データの間隔を5分にしておけばもう数秒の誤差もないと思います。
(最後の±2秒というのはほとんど意味がないですが)

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今後の展開なのですが、精度の向上はちょっと保留にしたいと思います。というのは月縁の形が違えば掩蔽の時刻はすぐに数秒違ってきます。とすると月の外周を円(あるいは楕円)と仮定していくら精度をあげても意味がないからです。

(「意味がない」というのは言い過ぎでした。月縁も形状も問題にするような予測であればとうぜんそのベースになる円の外周を円・楕円とみなしたときの予測も正確なものが要求されます。だから精度の向上も(優先度は低くなりますが)ぼちぼち続けたいと思います。 2013-10-11 10:09:29)

しばらくの間は使い勝手みたいなところを改良して行きます。

1. 月の座標の求め方

今は5分あるいは10分間隔で暦象年表からデータを拾ってきてそれから補間するという方法です。
この方法は予測ができるのは30分あるいは1時間くらいの短い時間になります。
これについては接触軌道要素を拾ってきて補間しその結果から座標を算出するという方法が有効です。この方法は三次式で補完すれば24時間あるいはそれ以上に渡って有効数字10桁を越える精度が確保できます。
この方法や海上保安庁海洋情報部の式を使う等いろいろ試して最終的には少なくとも一ヶ月分の掩蔽を同じデータで予測できるようにしたいと思います。

2. 付加的な情報

月の見え方(=秤動つまりP、B0、L0)や掩蔽の起きる位置(北極方位角、カスプ角)を算出するようにしたいと思います。
目的はもちろん掩蔽の起きる場所の月縁の状態を調べるためです。

3. 掩蔽の判別

今はいつ掩蔽があるか調べたあと正確な時刻を求めるという方法です。さらに一歩進め例えば今月起きる星食の一覧を作り、それぞれについて詳しい予測を行うというようなことができるようにしたいと思っています。

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星食(掩蔽)に関する関連記事や参考文献の一覧はこちら
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