GPS受信モジュールを使ってみた
次は「電波時計モジュール」でJJYを受信するとなぜ正しい秒信号が得られないのかということについて書く予定だったのですが、注文していたGPSモジュールが届いてしまったのでそちらから先に書きます。これを使えるようにすれば、現状時間の基準に使えそうなものはひと通りそろうので話が進めやすいということもあります。
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GPSモジュールもいろいろあるのですが今回は正確な「秒」を得るのが目的ですので毎秒ごとに信号が出力される1PPS出力があるものを探しました。こういうものは意外と少ないようです。
現行製品だと
「aitendo - Data Sheet / GM-316」
にあるようなGM-316しか見つかりませんでした。
今(2016年2月)だといくらでも見つかります。
「(改訂版)GPS受信モジュールあれこれ」
ざっとデータシートに目を通したのですが時刻の誤差は1μ秒以下となっています。にわかに信じがたいのですが、これがほんとならもう何も考えることもやることもありません(10秒に1回ピー音を入れるくらいはやった方がいいでしょうが)
それからGPSの電波を受信して位置が確定するまで1PPS出力はされないとあります。これは不正確な秒信号は出力されないということを意味しますので好都合です。
アンテナ端子がありますが内蔵アンテナだけでもだいじょうぶそうです。
ただ一点ちょっと困った点があります。1PPS出力のデューティ比が異常に小さいのです。1PPS出力のパルス幅はなんと1μ秒となっています。
モノステーブルマルチを入れればなんとかなるだろうということにしてこれを注文することにしました(実際に使ってみたら1PPS出力のパルス幅はどういうわけか100m秒になっていましたが....)
これもできるだけ手抜きで使えるようにしました。
電波時計モジュールのときと同じでGPSモジュールの出力をエミッタフォロワ-で受けて発光ダイオードを点灯しついでにイヤフォーンを直列に入れてプチプチ音がするようにします。
TXA、RXAはコマンドを送って緯度・経度などの情報を取得するためのものですが使わないので放ってあります。
V_BATはバックアップ電源です。コールドスタートは時間がかかるので使わないときもちゃんと電源に接続しておいた方がよさそうです。
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JJYといっしょに録音してみました。
プチプチ音から想定されるパルス波形を白い線で書き入れてあります。
いつもの59秒にポジションマーカーP5、フレームマーカーFMが送出されているところです。GPSは分だからと言っても何もなく毎秒毎秒淡々と秒針号を出力しているだけです。
なおこの図ではJJYの記事のときと違って下向きのひげが秒信号の開始、上向きのひげが秒信号の終了になってます。
フレームマーカ(=分のはじめ)のところの拡大図です。
一目でわかるのですが「秒」が一致していません。GPSモジュールの方が0.05秒早いというかJJY(=電波時計モジュール)の方が0.05秒遅れているというか......
(続く)
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関連記事
「測定対象別記事一覧とリンク集」
「過去記事の一覧(測定、電子工作、天文計算)」
JJY
「JJY受信機で作る高精度発振器と時刻標準 - はじめに」
「JJYの報時信号の送出方法」
「JJYを受信したい(要旨)」
「JJYの受信法」
電波時計モジュール
「JJYを受信する(訂正あり)」
「電波時計モジュールを使ってみた(1)」
「電波時計モジュールを使ってみた(2)」
「電波時計モジュールが「使えない」理由」
GPSモジュール
「(改訂版)GPS受信モジュールあれこれ」
「高精度発振器をGPS受信モジュールとPLLで作る - はじめに」
「GPSモジュールを使ってみた」
「GPSとBPM
「JOAKとGPS」
「GPSモジュールを使ってみた(2)」
「GPS測位情報を聞いてみた」
「根性でGPS情報を読んでみた(訂正・補足あり)」
「GPS受信モジュール・まとめ」
うるう秒
「うるう秒の研究(補足あり)」
「無責任にうるう秒について考えてみた」
BPM
「受信機内部の遅延を調べる(補足あり)」
「続・受信機内部の遅延を調べる」
「光の速度は有限であること」
「光の速度が有限であること(2)」
TEL-JJY
「テレホンJJY(TEL-JJY)の「秒」の調べ方(追記あり)」
その他時刻標準
「謎が深まるスマホの117」
「ぜんぜん遅延していなかったスマホの117」
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GPSモジュールもいろいろあるのですが今回は正確な「秒」を得るのが目的ですので毎秒ごとに信号が出力される1PPS出力があるものを探しました。こういうものは意外と少ないようです。
現行製品だと
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今(2016年2月)だといくらでも見つかります。
「(改訂版)GPS受信モジュールあれこれ」
ざっとデータシートに目を通したのですが時刻の誤差は1μ秒以下となっています。にわかに信じがたいのですが、これがほんとならもう何も考えることもやることもありません(10秒に1回ピー音を入れるくらいはやった方がいいでしょうが)
それからGPSの電波を受信して位置が確定するまで1PPS出力はされないとあります。これは不正確な秒信号は出力されないということを意味しますので好都合です。
アンテナ端子がありますが内蔵アンテナだけでもだいじょうぶそうです。
ただ一点ちょっと困った点があります。1PPS出力のデューティ比が異常に小さいのです。1PPS出力のパルス幅はなんと1μ秒となっています。
モノステーブルマルチを入れればなんとかなるだろうということにしてこれを注文することにしました(実際に使ってみたら1PPS出力のパルス幅はどういうわけか100m秒になっていましたが....)
これもできるだけ手抜きで使えるようにしました。
電波時計モジュールのときと同じでGPSモジュールの出力をエミッタフォロワ-で受けて発光ダイオードを点灯しついでにイヤフォーンを直列に入れてプチプチ音がするようにします。
TXA、RXAはコマンドを送って緯度・経度などの情報を取得するためのものですが使わないので放ってあります。
V_BATはバックアップ電源です。コールドスタートは時間がかかるので使わないときもちゃんと電源に接続しておいた方がよさそうです。
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JJYといっしょに録音してみました。
プチプチ音から想定されるパルス波形を白い線で書き入れてあります。
いつもの59秒にポジションマーカーP5、フレームマーカーFMが送出されているところです。GPSは分だからと言っても何もなく毎秒毎秒淡々と秒針号を出力しているだけです。
なおこの図ではJJYの記事のときと違って下向きのひげが秒信号の開始、上向きのひげが秒信号の終了になってます。
フレームマーカ(=分のはじめ)のところの拡大図です。
一目でわかるのですが「秒」が一致していません。GPSモジュールの方が0.05秒早いというかJJY(=電波時計モジュール)の方が0.05秒遅れているというか......
(続く)
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