JJYの受信法
一つ前の記事で
「JR7CWK - 長波JJY受信機の制作」
を紹介し「(同調の有無にかかわらず)DBMを使うのは合理的かも。」なんて書きました。
DBM(Double Balanced Modulator)を使う検波方式は「プロダクト検波」というのですが、よく考えるとJJYの信号を受信する方法としては「プロダクト検波」以外ありえないような気がしてきました(もっと厳密(?)な方法として40kHzの信号をそのまま記録するというのはありそうですが.... 2013-10-09 11:34:57)
プロダクト検波というのは文字通り復調したい信号に別の信号を掛け算して必要な信号(音声)を取り出す検波方法です。
信号が f(t)sin(2πft) だとします。サイン波がf(t)で振幅変調されているという意味です。JJYのの場合おおまかにいうと f(t) = 0.1 または f(t)=1.0の間を行ったり来たりしています。
そしてf(t)が0.1から変化して1.0になる途中でf(t)=0.55になったときが「秒」だと定義されています。
信号f(t)sin(2πft)に信号に近い周波数のsin(2πf't)を掛け算します。ここでf=40kHzあるいは60kHzでf'=39Hzあるいは59Hzみたいな組み合わせです。
f(t) * sin(2πft) * sin(2πft') = f(t) * (cos(2πf(t-t') - cos(2πf(t+t'))
となります。
これは、40kHzの信号に39kHzの信号を掛け算すると1kHzと79kHzの信号が得られる、ことを意味しています。
耳に聞こえるところだけ取り出せば得られる信号は
f(t) (cos(2πf(t-t')
ということになります。ここで重要なのは入力された信号(JJYの電波)も復調された信号(音声)もf(t)に比例していることです。
つまりもともとの40kHzのJJYの信号が55%の信号レベルになったときが「秒」であるのなら復調された音声の信号レベルが55%になったときも「秒」であると言えます。
あたりまえのような話ですがこれは重要です。じつはこれから紹介しようと思っている方法は「JJYの信号を増幅してダイオードで検波する」ような方法です。音を出そうとすると検波して得られた信号(パルス)で発振器をコントロールする、ようなことになります。
これでは「もとの40kHzのJJYの信号が55%の信号レベルになったときが「秒」であるのなら復調された音声の信号レベルが55%になったときも「秒」である」とはとても言えません。
今回紹介する方法では「秒」がどこなのか慎重に検討していく必要があります。
もしそういうわけのわからないのはイヤということであれば手間も時間もかかりますが
「JR7CWK - 長波JJY受信機の制作」
にあるような方法を採ることをお勧めします。
==> 作り始めました
「JJY受信機で作る高精度発振器と時刻標準 - はじめに」
それなりの成果が出ています。
「シンクロダイン検波によるJJY秒信号の取得 - GPSとの比較」
--------
関連記事
「時刻と時間」
「GPS受信モジュール」
JJY
「JJYの報時信号の送出方法」
「JJYを受信したい(要旨)」
「JJYの受信法」
「JJY受信機で作る高精度発振器と時刻標準 - はじめに」
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「JJYを受信する(訂正あり)」
「電波時計モジュールを使ってみた(1)」
「電波時計モジュールを使ってみた(2)」
「電波時計モジュールが「使えない」理由」
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「GPS受信モジュールあれこれ」
「GPSモジュールを使ってみた」
「GPSとBPM
「JOAKとGPS」
「GPSモジュールを使ってみた(2)」
「GPS測位情報を聞いてみた」
「根性でGPS情報を読んでみた(訂正・補足あり)」
「GPS受信モジュール・まとめ」
うるう秒
「うるう秒の研究(補足あり)」
「無責任にうるう秒について考えてみた」
掩蔽
「掩蔽(星食)」
「JR7CWK - 長波JJY受信機の制作」
を紹介し「(同調の有無にかかわらず)DBMを使うのは合理的かも。」なんて書きました。
DBM(Double Balanced Modulator)を使う検波方式は「プロダクト検波」というのですが、よく考えるとJJYの信号を受信する方法としては「プロダクト検波」以外ありえないような気がしてきました(もっと厳密(?)な方法として40kHzの信号をそのまま記録するというのはありそうですが.... 2013-10-09 11:34:57)
プロダクト検波というのは文字通り復調したい信号に別の信号を掛け算して必要な信号(音声)を取り出す検波方法です。
信号が f(t)sin(2πft) だとします。サイン波がf(t)で振幅変調されているという意味です。JJYのの場合おおまかにいうと f(t) = 0.1 または f(t)=1.0の間を行ったり来たりしています。
そしてf(t)が0.1から変化して1.0になる途中でf(t)=0.55になったときが「秒」だと定義されています。
信号f(t)sin(2πft)に信号に近い周波数のsin(2πf't)を掛け算します。ここでf=40kHzあるいは60kHzでf'=39Hzあるいは59Hzみたいな組み合わせです。
f(t) * sin(2πft) * sin(2πft') = f(t) * (cos(2πf(t-t') - cos(2πf(t+t'))
となります。
これは、40kHzの信号に39kHzの信号を掛け算すると1kHzと79kHzの信号が得られる、ことを意味しています。
耳に聞こえるところだけ取り出せば得られる信号は
f(t) (cos(2πf(t-t')
ということになります。ここで重要なのは入力された信号(JJYの電波)も復調された信号(音声)もf(t)に比例していることです。
つまりもともとの40kHzのJJYの信号が55%の信号レベルになったときが「秒」であるのなら復調された音声の信号レベルが55%になったときも「秒」であると言えます。
あたりまえのような話ですがこれは重要です。じつはこれから紹介しようと思っている方法は「JJYの信号を増幅してダイオードで検波する」ような方法です。音を出そうとすると検波して得られた信号(パルス)で発振器をコントロールする、ようなことになります。
これでは「もとの40kHzのJJYの信号が55%の信号レベルになったときが「秒」であるのなら復調された音声の信号レベルが55%になったときも「秒」である」とはとても言えません。
今回紹介する方法では「秒」がどこなのか慎重に検討していく必要があります。
もしそういうわけのわからないのはイヤということであれば手間も時間もかかりますが
「JR7CWK - 長波JJY受信機の制作」
にあるような方法を採ることをお勧めします。
==> 作り始めました
「JJY受信機で作る高精度発振器と時刻標準 - はじめに」
それなりの成果が出ています。
「シンクロダイン検波によるJJY秒信号の取得 - GPSとの比較」
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