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2013年12月11日 (水)

月と6.6等星の接近

昨夜6.3等星~7.7等星の掩蔽が四つありました。その一つHIP117445 6.6等星の話です。

この掩蔽は天文年鑑にも理科年表にもなく「星食観測ハンドブック 2013」にのみ記載があります。ただ予測時刻は那覇のものしかなかったのでExcelのシートは作ったもののあんまり興味は持っていませんでした。

夕方いろいろデータを変えて結果を見ているうちに東京では星食こそ見られないものの月と恒星がとても近づくことに気がつきました。

この掩蔽は北限界線が九州南部から北東に伸びていました。ざっと調べたところでは足摺岬の付近、室戸岬あたりのごく一部、潮岬の沖合を経由し三島市----藤沢市----筑西市----東金市を結ぶラインを通っていたようです。Excelのシートで見るとΔα(恒星と月の赤経の差)がマイナスになっており(だから今のシートには“潜入”なのに“出現”と表示されるという“バグ”があります)明縁での掩蔽のように見えますがこの日の月の光っている部分はかなり右に傾いていたようです。

つまり伊豆半島、三浦半島、房総半島まで行けば掩蔽が見られたのではないでしょうか。上に書いたラインのあたりでは接食に(近く)なるわけで例えば横須賀のあたりであれば潜入~出現の間隔が数十秒しかない掩蔽を見られたのかもしれません(池袋からは湘南新宿ラインを利用すればそんなに遠いところではありません)

今回の掩蔽で、天文年鑑に東京の予測時刻がない場合や理科年表(これは東京のみ)に記載がない場合でも食の状況は細かく調べてみるべき、という教訓を得ました (^^;;

また掩蔽のデータとしてカスプ角(明縁暗縁境界から接触点までの離角)なんかも必要だなあと思った次第です。

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ということであるのは月とHIP117445の(ほぼ)最接近の写真だけです。
$池袋駅南口の天文計算

これ以上ないくらいに近づいているように見えますがこれでも月の恒星の見かけの距離はまだ月の直径の1/60ほどあるようです。露出しすぎなんですがもし写ってなかったらと思うとどうしてもプラスになってしまいます。

画像はピクセル等倍にトリミングし星像がわかりやすいようにトーンカーブを調整してあります。

3分ほど経過してから。このくらいの露出がちょうどよかったのかも。
池袋駅南口の天文計算

クレータの縁でしょうか。目玉みたいなのが二つ見えているのが楽しいです。
こちらはピクセル等倍にトリミングしただけです。

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