太陽と月の位置の計算(海洋情報部方式)
先日
「月の視位置を計算で求めたい! (4)」
で海上保安庁海洋情報部の計算式を使って月の位置を計算したのですがExcelが使い勝手が悪い__つまり掩蔽の予測なんかでは使いづらい__形になっていたのでちょっと改良しました。
ついでに太陽の位置の計算も追加してあります。
位置の計算だけではおもしろみがないので太陽と月の位置を使って月の位相角と輝面比(輝面率)を計算してみました。
計算に必要な式や係数の入手先については上の記事に詳しく書きましたので今回はExcelのファイルと実行結果だけです。まずExcelのファイルはここにあります。
「太陽・月_位置計算_201312.xls」
(この式は軌道計算をしているのではなく座標を近似式であらわしたものです)
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輝面比を計算するとなると地球・太陽間の距離(天文単位)や地球・月間の距離が必要ですのでこういうのは理科年表あたりから拾ってきます。

今回は2013年12月に限られますが日時を入力するとそのときの太陽と月の視位置が求まります。
今回は地心座標のみです。任意の観測地からの求め方は掩蔽の計算用のExcelシートが参考になると思いますがこれはまた別に記事にしたいと思います。

暦象年表から拾ってきた値(緑色で表示)と比較するとかなりいい一致です。
これらのデータから月の位相角と輝面比を計算してみました。

これも暦象年表の値を示してありますがちゃんと一致しています。
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今後の課題
この方法の最大の問題は係数が使用できる期間が制限されていることでしょうか。特に月の場合“賞味期限”は一ヶ月しかありません。一年分の係数を用意しておいて入力された日時に応じて係数を切り替えて使うようにし一年通して使えるものを作りたいと思っています。
また掩蔽・星食の計算もこの計算式を使うものに変更するつもりです。そうすると毎回暦象年表からデータを取得する手間が省けます。
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月の位相角と輝面比の計算の仕方は
「月の位相角と輝面比」
に書いたのですが上のExcelのシートに即して簡単に書いておきます。
位相角は月・地球を結ぶ直線と月・太陽の結ぶ直線のなす角なので月から見た地球と太陽の方向余弦を求めてその内積を求めれば計算できます(59~62行)
月から見た地球の方向余弦は地球から見た月の方向余弦の符号を変えたものなので月の赤経・赤緯(極座標)からすぐに計算できます(45~47行)
月を中心とした直交座標上での地球の位置(48行~50行)から地球を中心とした直交座標上での太陽の位置(41~43行)をプラスすれば月を中心とした直交座標上での太陽の位置が求まります(52~55行)のでこれから月から見た太陽の方向余弦を求めます(56~58行)
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「月の視位置を計算で求めたい! (4)」 編集
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ついでに太陽の位置の計算も追加してあります。
位置の計算だけではおもしろみがないので太陽と月の位置を使って月の位相角と輝面比(輝面率)を計算してみました。
計算に必要な式や係数の入手先については上の記事に詳しく書きましたので今回はExcelのファイルと実行結果だけです。まずExcelのファイルはここにあります。
「太陽・月_位置計算_201312.xls」
(この式は軌道計算をしているのではなく座標を近似式であらわしたものです)
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輝面比を計算するとなると地球・太陽間の距離(天文単位)や地球・月間の距離が必要ですのでこういうのは理科年表あたりから拾ってきます。

今回は2013年12月に限られますが日時を入力するとそのときの太陽と月の視位置が求まります。
今回は地心座標のみです。任意の観測地からの求め方は掩蔽の計算用のExcelシートが参考になると思いますがこれはまた別に記事にしたいと思います。

暦象年表から拾ってきた値(緑色で表示)と比較するとかなりいい一致です。
これらのデータから月の位相角と輝面比を計算してみました。

これも暦象年表の値を示してありますがちゃんと一致しています。
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今後の課題
この方法の最大の問題は係数が使用できる期間が制限されていることでしょうか。特に月の場合“賞味期限”は一ヶ月しかありません。一年分の係数を用意しておいて入力された日時に応じて係数を切り替えて使うようにし一年通して使えるものを作りたいと思っています。
また掩蔽・星食の計算もこの計算式を使うものに変更するつもりです。そうすると毎回暦象年表からデータを取得する手間が省けます。
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月の位相角と輝面比の計算の仕方は
「月の位相角と輝面比」
に書いたのですが上のExcelのシートに即して簡単に書いておきます。
位相角は月・地球を結ぶ直線と月・太陽の結ぶ直線のなす角なので月から見た地球と太陽の方向余弦を求めてその内積を求めれば計算できます(59~62行)
月から見た地球の方向余弦は地球から見た月の方向余弦の符号を変えたものなので月の赤経・赤緯(極座標)からすぐに計算できます(45~47行)
月を中心とした直交座標上での地球の位置(48行~50行)から地球を中心とした直交座標上での太陽の位置(41~43行)をプラスすれば月を中心とした直交座標上での太陽の位置が求まります(52~55行)のでこれから月から見た太陽の方向余弦を求めます(56~58行)
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