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2013年12月17日 (火)

(訂正)グリニッジ視恒星時を求める(改訂版)

グリニッジ視恒星時を求める(暫定版)」ではお見苦しいところをお見せしましたので改定しました。

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天文計算はなかなかややこしいです。Aを求めようと思ったらBを計算する必要があって、さらにBを計算しようと思ったらCを計算しなくちゃならなくって....、というのがあるとだいたい途中でいやになります。

グリニッジ視恒星時(GAST=Greemwich Apparent Sidereal Time)の計算もそうでした。グリニッジ視恒星時を求めるには真黄道傾斜角章動の値(Δψ、Δε)が必要、章動の値を求めるにはドローネ角が必要というようなことで難航しました。章動の計算で主要項しか使っていないのでまだ完全版とは行きませんがグリニッジ視恒星時の値は国立天文台・暦象年表とくらべてもほとんど差異はないので改訂版として記事にします。

  「GAST(改訂版).xls

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とんでもない間違い(GMSTからGASTを計算するところで参照先が違っていました)がありましたのでExcelのファイルを差替えました。ご迷惑をおかけし申し訳ありません m(._.)m
下の画像も差替えてあります。
(2013-12-18 06:21:03)
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計算は基本的には

  福島登志夫編「天体の位置と運動」

によっています。

平均恒星時は歳差まで考慮したもの視恒星時は章動も考慮したものになります。ですから章動の計算をちゃんとすれば視恒星時は求まるのですが、これがけっこうめんどうでした(「章動の計算(1)」)

ExcelのシートにあるΔψ(黄道に平行な方向に働く黄経における章動)Δε(黄道に垂直な方向に働く黄道傾斜における章動)の値が求まりさえすればあとは自然に求まります。

同書によれば最新の章動理論IAU 2000A(とそれを簡略化したIAU 2000B)だそうです。ですからこれに基づくのがいちばん精度がよさそうです。ただこれは月・太陽項が678個、惑星項が687個あるそうです。

同書に具体的な計算方法とその係数が書いてあるのはIAU 1980によるものです。これも係数は106個ありますが同書に書かれているのは主要項の7個だけでした。

先日の暫定版では一つの項しか使っていなかったので章動の値(Δε)が一桁しかあっていませんでした。主要7項を使うと精度は上がるのですがそれでも二桁しかあいません。そこで主要項と思われるもの23項を選んでやってみました。これで章動の値は暦象年表にあるものと一致するようになりました。グリニッジ視恒星時も8けた程度の精度が確保できています。

上記の書籍には主要7項しかなかったので残りの項は

  長沢工「日食計算の基礎」

にある係数を利用しました。

また章動の計算にはドローネ角(月・平均近点角、太陽・平均近点角、月・平均緯度引数、月・太陽・平均離角、月・平均昇交点経度)が必要なのですがこれを計算するための係数も同書によります。

なお暫定版ではUT(世界時)TT(地球時)をごっちゃにしてたりしましたのでこういう点も修正してあります。



(2013-12-17 18:49:54)
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