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2014年1月29日 (水)

黒点の緯度・経度を求める - 北極方向角・日面緯度・日面経度

Excelで天文計算・記事目次とリンク集

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太陽の自転軸 」の続きの話です。
今回は理論編(?)で実際に緯度経度を求めた例は「黒点の緯度・経度を求める - 実践編(1)」にあります。

例えば太陽の自転速度を知ろうと考え黒点が太陽面をどのように移動しているか__つまり黒点のある場所の太陽面での経度・緯度__調べようとすると太陽の自転軸がどのように傾いているかを知っていなければなりません。

太陽の自転軸の向きは赤経・赤緯で表されることを書きましたが実際は地球から見た自転軸の傾きの様子で表されることが多いです。そしてそれが

  地球から見た自転軸の向き(P、天文年鑑では「北極方向角」と表現)
  太陽面の中点の)日面緯度(B0)
  太陽面の中点の)日面経度(L0)

の三つです。これらは「国立天文台 - 暦計算室 - 暦象年表 」に「太陽の自転軸 」で調べることができ、それぞれがどういう意味かも書いてあるのですがここでもざっと書いておきます。

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まず太陽を見ると太陽はまんまるに見えますからその中心があります。これがOです。一方太陽に緯度・経度があるとすれば経度=0度、緯度=0度の点があるはずです。これはSになります。

太陽を見たとき太陽の北極と見かけの太陽の中心を結ぶ直線が天の北極と見かけの太陽の中心を結ぶ直線となす角が地球から見た自転軸の向き(P、北極方向角)です。図にあるように左回りに測ります。

図を見ると太陽の見かけの中心は太陽面のある経度・緯度のところにあります。上の図だと緯度が30度、経度が40度(くらい)になっています。これが日面緯度(B0)であり日面経度(L0)です。

太陽の写真から黒点の緯度を求めるときは次のようにします(座標系は天の北極をz軸、地球の向きをx軸、それらに直交するy軸を右向き(西向き)にとります)

・写真からOを原点とした座標(y,z)を読み取ります。
・太陽の半径を1とするとx=sqrt(1-y^2-z^2)になります。
・太陽の北極が天の北極を向くように座標をx軸の周りに北極方向角Pだけ回転します。
・赤道が太陽の中心にくるように日面緯度の分だけ前後に(y軸の周りに)回転します。

こうすると太陽面の経度L0度、緯度0度のところが中心になります。

画像から読み取った黒点の座標(x,y,z)を上記のように回転して得られた黒点の座標を(x',y',z')とすると黒点の緯度・経度は次の式によって求めることができます。

  緯度 = asin(z')
  経度 = atan2(x',y')+L0

ところで太陽の緯度が0度のとこがどこかというのはすぐにわかるわけですが、経度が0度のところがどこかと聞かれてもすぐにはわかりません。

国立天文台 - 暦計算室 - 暦象年表 」のこよみ用語解説によれば

日面経度は1854年1月1日グリニジ平均正午において黄道面に対する太陽の赤道面の昇交点を通る日面子午線を経度の原点としたものです。

太陽の自転周期も気になりますがこれについては

地球に対する自転の周期は27.2753日、恒星に対する周期は25.38日になります(カリントン周期:太陽緯度±16度付近)。

と定義されています。
どっちもいろいろと疑問の湧いてくる定義ですが、ひとまずこのことを前提にして先に進みます。

なお結果だけ知りたければこんなものもあるようです。ご参考まで。

  「Helio Ver.3.2


(「黒点の緯度・経度を求める - 実践編(1)」に続く)

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