極座標(赤経・赤緯)と直交座標(方向余弦)の変換 (2)
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前記事「極座標(赤経・赤緯)と直交座標(方向余弦)の変換 (1) 」で赤経・赤緯を直交座標(方向余弦)に変換する方法を書きましたが注意すべき点が二つあります。
一つは経度に相当するものの測り方の向きです。赤経は春分点(x軸)に向かって左側(東側)がプラス右側(西側)がマイナスになります。一方方位角の場合は南(x軸)に向かって右側(西側)がプラス左側がマイナスとなります。
座標軸はx=南、z=天頂の方向とします。
たとえば方位角A、高度hのところに恒星が見えるとします。この恒星の直交座標(xp,yp,zp)(OPの長さrを1とすれば方向余弦(L,M,N) )を求めます。
まずこの図を天頂方向から見たとします。
天頂方向から見たOPの長さをr'とすると
xp = r' * cos(A)
yp = - r' * sin(A)
です。ここでz軸とOPを含むv-z平面を横から(正面から?)見たときを考えます。
そうすると
r' = r * cos(h)
zp = r * sin(h)
です。
以上をまとめると
xp = r * cos(h) * cos(A)
yp = - r * cos(h) * sin(A)
zp = r * sin(h)
となります。これが極座標を直交座標に変換する方法になります。
r=1の場合つまり方向余弦は
L = cos(h) * cos(A)
M = - cos(h) * sin(A)
N = sin(h)
ということになります。
最初に注意スべき点が二つあると書いたのですがもう一つは方位角をどう定義するかということです。上に書いたように南をx軸にとるのですが方位角は南を0度とするより北を0度とすることの方が多いようです。その場合上の式はちょっと違ってきます。
L = cos(h) * cos(A+π)
M = - cos(h) * sin(A+π)
N = sin(h)
としなければなりません。あるいは
L = -cos(h) * cos(A)
M = cos(h) * sin(A)
N = sin(h)
ということになります。
(続く)
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