関連係数法(3)
「関連係数法(2)」ではExcelのソルバーを使う方法を書きました。ソルバーを使うと多数の計算をするときめんどうなことになります。今回はソルバーを使わない方法です。題材は前回と同じく去年出現したいるか座新星です。

まず既知の天体の画像上の座標(x1,y1),(x2,y2),(x3,y3)、赤経・赤緯(α1,δ1),(α2,δ2),(α3,δ3)と未知の天体の画像上の座標を(x0,y0)を調べます。
いるか座新星 α0=? δ=? x0=3066, y0=1123
HIP100780 α1=20h26m01.22s δ1=20d34m56.0s x1=2922,y1=1118
HIP100536 α2=20h23m08.99s δ2=20d51m51.0s x2=3092,y2=1108
HIP100519 α3=20h22m58.69s δ3=20d19m44.2s x3=3059,y3=1229
を解けばいいわけですから連立方程式の解法はなんでも使えます。ここでは逆行列を使います。左辺の行列の逆行列を両辺に左から掛ければ(D1,D2,D3)はすぐに求まります。幸いExcelには逆行列を求めるための関数 MINVERSE()もあります。この関数も入力するときただEnterではなくShit+Ctrl+Enterとする必要があるので注意が必要です。
D1,D2,D3が求まれば次の式で未知の天体=いるか座新星の赤経・赤緯が求まります。
次のようなExcelのシートを作りました。
Excelのシートは以下からダウンロードできます。
ダウンロード Excel_DM02.xls (285.0K)
関連
「写真から未知の天体の赤経・赤緯を求める (1)」
「バーナード星は動いているか? (2)」
この記事に書いた方法より精度が高いです。
未知の天体のすぐ近くに恒星がなくても使える融通がきく方法です。
HIP100536 α2=20h23m08.99s δ2=20d51m51.0s x2=3092,y2=1108
HIP100519 α3=20h22m58.69s δ3=20d19m44.2s x3=3059,y3=1229

を解けばいいわけですから連立方程式の解法はなんでも使えます。ここでは逆行列を使います。左辺の行列の逆行列を両辺に左から掛ければ(D1,D2,D3)はすぐに求まります。幸いExcelには逆行列を求めるための関数 MINVERSE()もあります。この関数も入力するときただEnterではなくShit+Ctrl+Enterとする必要があるので注意が必要です。
D1,D2,D3が求まれば次の式で未知の天体=いるか座新星の赤経・赤緯が求まります。


次のようなExcelのシートを作りました。

Excelのシートは以下からダウンロードできます。
ダウンロード Excel_DM02.xls (285.0K)
関連
「写真から未知の天体の赤経・赤緯を求める (1)」
「バーナード星は動いているか? (2)」
この記事に書いた方法より精度が高いです。
未知の天体のすぐ近くに恒星がなくても使える融通がきく方法です。
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