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2014年1月10日 (金)

月の視位置(赤経・赤緯)を知る(暦象年表)

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  「月の赤経・赤緯・地心距離を求める(海洋情報部の計算式)  」
  月の赤経・赤緯・地心距離をExcelで求める(海洋情報部の計算式) 2017年版」 (最新版)

にあるExcelのシートに月の視位置(赤経・赤緯)の計算方法がありますが、あれは海洋情報部の計算式と係数によるものです。つまり近似式によるものです(後述するように近似式と言っても精度に特別問題があるわけではありませんが)

じゃあ“正しい”位置を知るには軌道要素などから計算すればいいかというと月の運動は複雑で一筋縄ではいきません。

そこで“権威ある”ところが計算した値に頼ることになります。理科年表や天文年鑑にもありますがあれは特定の日時のデータしかありませんので自分の必要な日時の値がほしければ補間する必要がありめんどうです。

いちばん簡単なのは「自然科学研究機構 国立天文台 」の「天文情報センター 暦計算室 」にある「暦象年表 」の「月の地心座標 」を利用することだと思います。
なお一点注意すべき点があります。この「月の地心座標 」で得られる値は文字通り地心から見た月の視位置であることです。ふつうは観測地から見た視位置が必要だと思いますのでそのときは地心と観測地の視差を補正する必要があります。観測地での視位置を求める方法は「観測地から見た月の視位置(赤経・赤緯)を求める 」にあります。

試しに2014年1月11日から13日の三日間の午前0時(日本標準時)の月の視位置を調べ海洋情報部の計算式・係数によるものと比較してみました。
Moon_1000

暦象年表の値は小数点以下6桁まであります。これは恐るべき精度で角度で言えば0.004秒、時間で言えば0.0002秒に相当します。
海洋情報部の計算式・係数による計算値は暦象年表と比較するとあんまり精度がよくないように見えるのですが暦象年表とくらべるからそう見えるだけでじつはアマチュア的にはいちばん計算精度が要求される掩蔽時刻の予測に使えるだけの十分な精度があります。“実用”でここまでの精度が必要になることはあんまりないと思います。

海洋情報部方式の月の位置の計算式を含んだ上記のExcelシートは次のリンクからダウンロードできます。

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