ICRS/ICRFからJ2000.0座標系への変換(月編)
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太陽の記事を書いたので月の方も書いておきます。年周光行差については太陽と月と比較するのはおもしろいのですが、こっちの座標変換については太陽と変わるところありません。
「とても恥ずかしい年周光行差と月の視位置の話」での結果はこうでした。
“NASA JPL's HORIZONS system”の視位置との差は最大で0.00003度(度分秒の0.12秒、時分秒の0.006秒)あります。
これも“ICRSから”というタイトルを付けていますが“NASA JPL's HORIZONS system”のICRS/ICRFのデータを使ってはいるもののそれをJ2000.0座標系での値として使っていたのは同じです。
「ICRS(ICRF)からJ2000.0座標への変換」の成果(?)を利用して“NASA JPL's HORIZONS system”のデータをいったんJ2000.0座標系の値に変換した上で視位置を求めてみました。
「ダウンロード Excel_Moon92.xls (429.5K)」
結果はこうなりました。
今回は“NASA JPL's HORIZONS system”の視位置との差は最大でも0.00001度(度分秒の0.04秒、時分秒の0.002秒)におさまっています。
月(太陽系内の天体)のICRS/ICRFでの位置から視位置への変換・計算手順
1. ICRS/ICRFの座標をJ2000.0座標系の座標に変換する。
(このとき光差はすでに補正されてあるものとします)
2. 歳差を適用し平均位置を求める。
3. 章動を適用し真位置を求める。
4. 年周光行差を適用し視位置を求める。
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