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2014年5月 9日 (金)

時刻系の変換

昔はUT(世界時)とET(暦表時)(とTAI(国際原子時))がわかっていればよかったような気がするのですが最近なんだかわけのわからないのがたくさんあるので時系相互の変換式をExcelで作ってみました(章動の計算をしているうちに気になってきたので....)

ダウンロード Time.xls (62.0K)

それぞれの時刻系の意味については私の手には余るので理科年表とか

  福島登志夫編「天体の位置と運動」

とかそんな本を参考にしてください。以下もこれらを参考にしています。

もし記事にあるExcelのファイルを実際に使うのであれば参考書で内容をよくチェックしてからの方が安全だと思います (^^;;

----------

換算・変換での特徴的な点だけ書いておきます。

歩度の大きさ

  太陽系座標時(TCB) > 地心座標時(TCG) > 地球時(TT)、国際原子時(TAI)、.....

あと実際問題として

  国際原子時等(TAI) > 世界時(UT1)

歩度が大きいというのは例えば太陽系座標時(TCB)の時計の進み方は地心座標時(TCG)の時計より速いというような意味です。

同じ歩度の時刻系

日本標準時(JST)、世界時(UTC)、国際原子時(TAI)、地球時(TT)、地球力学時(TDT)

また太陽系力学時(TDB)も長期的に見れば歩度はこれらと同じです。
つまり太陽系力学時(TDB)と国際原子時(TAI)等には周期的な歩度の違いがあります。
この歩度の違いはWikipediaには“最大10ms”と書いてあり、さらにものによっては“10ms程度”と書いたものもあります。でも理科年表の近似式とか見るとどう見ても2ms以上の差が出るようには思えないのですが....

上にあげたものは歩度は同じですが“原点”が違います。

  地球時(TT) = 国際原子時(TAI) + 32.184秒
  地球力学時(TDT) = 国際原子時(TAI) + 32.184秒
  世界時(UTC) = 国際原子時(TAI) - オフセット  (オフセットは現時点で35秒)
  世界時(UT1) = 世界時(UTC) + dUT1   (dUT1は現時点で -0.1秒、絶対値が0.9秒を超えない)
  日本標準時(JST) - 9h = 世界時(UTC)

歩度の違う時刻系の原点

歩度の違う時刻系もすべて

  1977年1月1日0時 (JD2443144.5)

で一致します。つまりどの時系であっても1977年1月1日0時と言ったら同じ“時”を指していることになります(と言い切ってしまっていいのか自信がありませんが)

このことからJ2000.0ではそれぞれの時系の時刻は一致しないことになり

  「J2000.0は厳密にはJD2451545.0TDBと定義される

のだそうです。 歩度が違うと言ってもTCGはTAIなどとたいしてかわらないです。現時点で1秒の差もないようです。

でもTCBはせっかちで 「J2000.0においてTCB - TDB ~ 11s である」 そうです。これは検算に使えます。 ちなみに現時点での「TCB - TDB」は18秒を越えているようです。37年でこれだけ差が出ているわけですからけっこうでかいです。

計算法


TDBはTCGで定義されておりしかも定義が2006年に変更になりました。 と言っても計算はTDBを近似式で求めてこれからTCGを計算してますが.... TDBの定義変更後のTDBとTCGの関係式はちょっとやっかいなので今回の換算のTCGは2006年以前の定義を使っています。たぶん実質的にはそんなに変わっていないのではないかと思います。

なおどちらの場合もTDBとTCGの関係は1次関数で表されます。つまり(TAIなんかから見ると)TCGは周期的変動を持つということになります。 TCGが一様でTAIが(相対論的効果で)周期的変動をしているんだと思いますが、たぶん。

Time




間違いのないように書くと
  UTC ... 協定世界時
  UT1 ... 極運動補正後の世界時

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