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2014年5月 5日 (月)

デジカメのセンサー走査時間を測る方法

PENTAX Q7で撮影した掩蔽(星食)の動画から潜入あるいは出現の時刻を特定するときセンサーの走査時間が大きな要素となります。

これは動画の場合は電子シャッターが使われているため画像の上端と下端では撮影された時刻がかなり違うためです。

余談ですが、このことがいわゆる「こんにゃく現象」あるいは「ローリングシャッター歪(現象)」の起きる理由・原因でもあります。この記事を読んでいただければどういうときこんにゃく現象が起きるかまたどういう条件で撮影したらどの程度画像が歪むかそしてどうしたら効果的にこんにゃく現象を起こせるかを推定できるようになると思います (^^)

これから書くことは図があるとわかりやすいのですが面倒なので省略します。
動画の撮影時刻を知る (1)」などの記事にある図を参照していただければと思います。

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念のために書いておくとPENTAX Q7の場合電子シャッターが使われるのは(つまりレンズシャッターが使われないのは)次のケースです。

1. 1/2000秒(レンズに依存?)を超えるシャッター速度での撮影のとき
  純正レンズでは“レンズシャッターの動作”を“電子シャッター併用”にしたとき。
  

  なお(シャッター速度にかかわらず)“電子シャッターのみ使用する”設定もあるようです
  (使ったことがありません)

  また純正レンズでもレンズシャッターを持たないものがあります。

2. 動画撮影のとき

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点滅する(面)光源を電子シャッターを使いシャッター速度を速くして撮影すると画像の上端から下端にかけて露出されている時刻が変化していきますので画像には縞模様が写ります。
この縞模様の幅を調べることによってセンサーの走査時間を測定することができるはずです。

なお「動画の撮影時刻を知る (2)」を見るとわかるようにスキャンは画像の上端から下端の向きに(つまりセンサー面の下から上方向に)行われています。

--------

具体的には次のような方法で調べます。

1. カメラからレンズをはずします。センサー全面に一様に光があたるようにするためです。
  センサーの前にティッシュとかおけばもっといいかもしれません。
2. カメラの設定を動画にしシャッター速度1/8000にします。
  ISO値は適当に設定します。ISO100でもOKでした。
3. カメラを蛍光灯に向けて動画を撮影します。
4. 動画から適当なフレームを画像に切り出し縞模様の幅を測ります。

この方法は蛍光灯が毎秒100回(東京だと電源周波数は50Hzで点滅回数はこの二倍になります)点滅していることを利用しています。

電源周波数はほんとに50Hz(あるいは60Hz)ぴったりなの?と疑問を持たれた方は周波数偏移等について書かれたこんな資料をご覧になるといいと思います。
  「東京電力 - 電力会社における周波数調整と会社間連系について
つまりあんまり正確じゃないですが今回のような測定であれば別に問題ないんじゃないでしょうか。

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実際に撮影したものはこれです。掩蔽観測のときと同じようにVGA(640x480)で撮影しています。

Imgp11580019a

センサー全面のスキャンに要する時間を t とすると

t * ( 429 - 68 ) / 480 = 1 / 100 * 2

という関係があるはずですから

t = 0.02 * 480 / 361

t = 0.0266

つまりPENTAX Q7でセンサーのスキャンに要する時間は 27[ms] ということになります。

関連
  「星食観測でのGPS・1PPS信号の利用法 (1)
     (デジカメの動画の仕組みを具体的に考えてみました)
  「デジカメのセンサー走査時間を測る方法」 (簡単なセンサー走査時間の測り方)
  「動画の撮影時刻を知る(1)」 (詳しく書きすぎてわかりにくいかも)
  「動画の撮影時刻を知る(2)」 (詳しく書きすぎてわかりにくいかも)
  「NY NEX-5Nの1/15秒露出の動画を調べてみた
     (29.97fpsなのに1/15秒露出ができるという不思議なカメラのこと)
  「デジカメの特性を比較する
 
    (三つのカメラのセンサー走査時間と露出時間を測ってみました)
  「**重要** 星食観測用1PPS発光器取扱説明書 - 4
    (毎秒0.1秒発光するLEDを使った走査時間の実戦的測り方)
  「**重要** 星食観測用1PPS発光器取扱説明書 - 5
    (毎秒0.1秒発光するLEDを使った露出時間の実戦的測り方)
  「星食観測用1PPS発光器取扱説明書 - 6
    (動画の中で起きたイベント=星食の正確な時刻の実戦的割り出し方)
  「星食観測用1PPS発光器取扱説明書 - 1
    (測定に使った1PPS発光器について)
  「星食観測用1PPS発光器取扱説明書 - 2
    (測定に使った1PPS発光器について)

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時刻と時間」カテゴリの記事

コメント

質問です!
この測定をするとき
シャッタースピードを1/8000secにして動画撮影するのは何か理由があるのでしょうか?

シャッター速度を変えて(たとえば1/30と1/8000)撮影したものを比較してみると理由はすぐにわかります (^^)
1/8000秒でないとダメということではなく高速シャッターほどわかりやすいと考えてください。

文章ではなかなか説明が難しいのですが、
http://seppina.cocolog-nifty.com/blog/2014/02/post-b389.html
の図でいうと露出を示す平行四辺形は実際にはもっと寝た形をしており、高速シャッタになると平行四辺形の幅が極端に狭くなります。
こうすることによってはじめて電源周期で繰り返される発光が分離できるようになります。

1PPSが利用できる場合は
http://seppina.cocolog-nifty.com/blog/2015/10/gps1pps---36a5.html
にあるExcelを使った方が簡単だと思います。
発光開始の写りこんだフレームが二つあればそのフレーム番号と発光開始の縦位置を入力するだけで済みます。
原理は蛍光灯を使う場合と同じです。ただしこの方法はフレームレートが正しいことを前提にしています。

1/30と1/8000で比べてみたのですが、1/30にすると画面が暗くてよく分かりませんでした^^;
いろいろ比べてみたのですが、1/8000もしくはAutoが良さそうでした。

1/30の方がわかりにくいのは確かなんですが、どうして露出の多いはずの1/30の方が暗いんでしょう (@@)

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