« (改訂版)GPS受信モジュールあれこれ | トップページ | ICRS(ICRF)からJ2000.0座標への変換 »

2014年5月13日 (火)

ドップラー効果で太陽の自転速度を測る話し

クリちゃんさんから太陽の自転によって生じるドップラー効果の影響を画像化した資料があるとのコメントをいただきましたので紹介しておきます。

  「明星大学理工学部物理学科 - 伴場由美 - 卒業研究 - シーロスタットを用いた太陽の分光観測による速度場解析

以下にあるようにこういう観測には色分解能の高い分光装置が必要です。この論文ではエシェル分光器を使ったと書いてありますが、こういう観測装置については

  「京都大学理学研究科宇宙物理学教室 - 岩室 史英 - 観測天文学 - 観測装置の種類

などを参考にしていただければと思います。

(2014.06.27)
-------

天文計算関連記事の目次は「Excelで天文計算・記事目次とリンク集 」にあります。

情報通信研究機構(NICT)の一般公開に行ったことがあります。宇宙天気情報センターにもおじゃましました。

Imgp7533580x

あれ、写真を見ると宇宙天気予報センターって書いてありますね (^^;;

まだISON彗星が健在なときで展示の目玉(?)になってました。

ここで説明員(研究者?)の方からいろいろお話をうかがえたのですが、太陽の自転と黒点の移動速度の関係の話しになったとき(具体的にどう話されたかは忘れましたが「太陽というのはガスのかたまりでゆらゆらしているわけだからそういうことはあんまり真剣に考えないほうがいい」みたいな意味のことを言われました。きっと私が天体の位置計算をするみたいな感じで質問してしまったせいでしょう (^^;;

太陽の自転速度というとすぐに黒点の動きから調べるということになるわけで、このブログの記事もそういう流れで書いていこうとしているわけですが、じつは直接的に太陽の自転速度(正確には太陽表面のガスの動く速度)を測定する方法があります。

太陽の東側は地球に向かって動いています。一方西側は地球から遠ざかるように動いています。したがってドップラー効果の違いが生じるはずです。ですからこのドップラー効果による波長の変化を調べることによって太陽の自転速度を知ることができるはずです。

具体的にどの程度のドップラー効果が生じるのか計算してみました。
(あんまり自信がないので今回はExcelのファイルはありません。それからちゃんとやるんだったら太陽と地球の相対速度も考慮すべきでしょう。そっちの影響の方が大きいかもしれません。つまり下の計算は太陽と地球の相対速度がゼロであるという乱暴な仮定を前提としています。ただ太陽の西端と東端で(自転の影響を除くと)地球との相対速度は違わないのでオーダー的には下記の計算でもそんなにヘンな結果にはなっていないと思います)
Doppler_1


計算式はこんなのを使っています。
Doppler_2

太陽の自転速度は光速にくらべたら微々たるものですからドップラーシフトはごくわずかのものです。

630.24nmの波長の光は地球から見ると東端と西端で波長が630.254nmあるいは630.246nmと変化するようです。この差を測定できれば太陽の自転速度がわかることになります。

じつはこれと同じような話があります。
  「ゼーマン効果で太陽の磁場を測る?

現実にこの程度の差を検出することができるのかということは「色分解能」というテーマで別の記事として書きたいと思います。

  「色分解能 - 1 - ドップラー効果とかゼーマン効果とか....

参考
  「Wikipedia - ドップラー効果
    光のドップラー効果についての説明があります。

------

関連

  「色分解能 (3)」 色分解能 (1)」、「色分解能 (2)」、「色分解能 (2)」)
  「色分解能 - 1 - ドップラー効果とかゼーマン効果とか....
  「
色分解能 - 2 - ドップラー効果とかゼーマン効果とか....
  「
ゼーマン効果で太陽の磁場を測る?
  「
ドップラー効果で太陽の自転速度を測る話し
  「
Hαフィルターを使わずにHα写真を撮る方法

  「DVDで作る簡易分光計 - 蛍光灯の分光スペクトル
  「
DVDで作る簡易分光器 - 水銀灯の分光スペクトル
  DVD簡易分光器で見るフラウンホーファー線(太陽光のスペクトル)
  「DVDで作る簡易分光器の校正のために - ネオン管のスペクトル

  「測定対象別記事一覧(測定、電子工作、天文計算)
  「
過去記事の一覧(測定、電子工作、天文計算)

参考
  「
国立科学博物館 - 理工学研究部 - 若林文高 - DVD分光器の回折条件
  
Welcome to my homepage. - DVD分光器
  「星は空の彼方、月よりも遠く
     - 光害除去フィルター(4)-脱線(簡易分光器の直線性)(2016/03/18)
  「Web Page of T.Nomoto - スペクトル色々」 (「ネオンランプと水銀ランプ」)
  国立天文台編 「理科年表」 丸善出版、2014

« (改訂版)GPS受信モジュールあれこれ | トップページ | ICRS(ICRF)からJ2000.0座標への変換 »

太陽と黒点」カテゴリの記事

コメント

http://www.astroarts.co.jp/photo-gallery/photo/38792.html
に写真を投稿してあります。

撮影例をご紹介いただきありがとうございます。
リンク先が写真と撮影条件だけだったのでよく理解できないのですが、どのような手法で微小な波長の変化を色の変化に変換されているのでしょうか。ご教示いただければ幸いです。
--------
(追記)
それからこれはリオフィルターを使われているのでしょうか。

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/1994983/56177573

この記事へのトラックバック一覧です: ドップラー効果で太陽の自転速度を測る話し:

« (改訂版)GPS受信モジュールあれこれ | トップページ | ICRS(ICRF)からJ2000.0座標への変換 »

フォト

サイト内検索

  • 記事を探されるんでしたらこれがいちばん早くて確実です。私も使ってます (^^;; 検索窓が表示されるのにちょっと時間がかかるのはどうにかしてほしいです。

新着記事

リンク元別アクセス数

  • (アクセス元≒リンク元、原則PCのみ・ドメイン別、サイト内等除く)

人気記事ランキング

  • (原則PCのみ、直近2週間)
無料ブログはココログ