デジカメで三角測量 (4)
準備が終わったので実際に“三角測量”をやってみるつもりだったのですが、前記事
「デジカメで三角測量 (3)」
の結果を見ているうちにおもしろいことに気づきましたので今回は(脱線気味ですが)その話です。
これまでこの写真について考えてきました。
水位を測るための目盛の入った三本のポールに建てられた位置を計算してきたわけですが、前記事の結果を使ってポール間の距離とポールを結ぶ線分と(それが仮に設定したx軸に対する)角度を調べてみました。
ポール間の距離が7.28mとだいたい同じになっています。x軸となす角も0.1度しか違っていません。とするとこの三本のポールは直線上に等間隔で建てられているのではないでしょうか。
そこで“直線上に等間隔で建てられている”ということセルの計算式に設定してソルバーを動かしてみました。
残差もほとんどかわりません。“直線上に等間隔で建てられている”と考えてよさそうです。
さてここでポール間の間隔を見ると7.28mとなっています。ポールを等間隔に立てるととしてこんな中途半端な間隔にするものなんでしょうか。
これは実際は7.5mなのかも、と思えてきます。
なぜ7.5mが7.28mとなったのかと考えると原因はレンズの焦点距離が実際は4%くらい長かったかセンサーの大きさが4%ほど小さかったかいずれかでしょう。
特に後者の方は可能性があるように思えます。センサーの全面が画像に使われているということはないように思われるからです。
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この件については原因がわかりました。
レンズの焦点距離は収差補正を行ったときの値で補正が行われていないときとは
違うのが原因でした。
星野写真を(収差補正ありで)撮って焦点距離(とセンサーサイズの比)を調べてみた
ところ非常にいい精度でスペック値と一致しました。
星野写真の収差補正なしの写真も撮ってありますので、その分析が終われば
ポール間の距離を正確に測定することができそうです。
実際は何mだったのか?結果が出るのが楽しみです (^^)
(2014.06.27)
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そこでこんどは焦点距離とセンサーサイズから導かれる DX/PX/f、DY/PY/f も変化させるセルに追加してポールの間隔は7.5mであるという制約のもとでソルバーを実行してみます。
DX/PX/fとDY/PY/fは同じ値にならないとおかしいのでじっさいにはD-/P-/fのところを変化させるセルにしています。
制約がきびしくなったので残差は増えるはずなのですが、そんなに大きく変化していません。
「ポールは直線上に7.5m間隔で建てられていた」と考えても特におかしくないようです。
ただこれが正しいかどうか判断するだけの材料はこの写真には見つからないようです。
前記事に書いたように離角がはっきりわかっている天体の写真(星野写真/星景写真)を使ってD-/P-/fの正しい値を求めることがいよいよ必要となってきます。
今回のExcelファイル
「ダウンロード Excel_SRV_11.xls (134.0K)」
いったんこの記事に続きます。
「写真から未知の天体の赤経・赤緯を求める (1)」
重要
上記のExcelファイルには重大な誤りがありましたのでファイルを差し替えました。
pitch(y軸回りの回転)の計算式が誤っていました。
今回の記事ではpitch(仰角)が小さいため計算結果の差はほとんどありません。
したがって記事の結論に対する影響はありません。
仰角が大きくなる計算をしていて気づきました。
以上取り急ぎお知らせするとともにお詫びいたします m(._.)m
(2014.06.25)
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