はくちょう座デネブ (5) - アラビア語の星
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「はくちょう座デネブ (4) - アラビア語の星」
ではカタカナで済ませてしまったので今度はデネブの(ラテン)アルファベット表記を考えます。
これもカタカナ表記と同じでいろいろなものを見るのですがググるのが面倒なので
例をあげるのは省略します。
まずもとのアラビア文字の表記をそのままアルファベットに転写するという考えが
浮かびますが、これはあんまりいい方法とは思えません。ふつうアラビア文字の表
記には母音がないからです。
つまりذنب الدجاجةをそのままアルファベットで表記すると
dhnb 'lj'jt
みたいになってしまいます。けっきょく母音まで考えて転写しないと意味がない
わけです。
ذنب الدجاجةに母音記号をつけるとこうなるはずです。
ذَنَبُ اؐلدَّجَاجَةِ
ここで“はずです”と書いているのはこれまで母音記号をつけたものを見たことがなくしようがないので前記事にあるように辞書や教科書を見て私がつけた母音記号だからです。以下はこれが正しいもの
と仮定して話を進めます。
まず最初の(右の)単語は簡単です。
dhanabu
です。これだけ取り出すと最後の u はふつう発音されないので dhanab(u) と書く
のですがこの場合は後ろの単語につながることで発音されるようになるので
上のように表記しました。
次(左)の単語がちょっと複雑です。
アリフ اؐ にはハムザが(aとともに)脱落したことを示すワスラ記号がついています
のでこれは無視します(ただ前の単語に続くためにこうなったのでふつう前の単語
に続くことを示す記号を入れます。ここで - を使うことにします。
次のラーム ل には母音記号も母音がないことを示すスクーンも付いていません。これ
はこのラームが発音されない(次の文字に同化してしまう)ことを示していますの
でこれも無視します。
次のダール دَّ には重子音であることを示すシャッダとファトハが付いていますので
dda となります。
次は جَا とファトハが付いたジームとアリフが続きますのでこの二文字で jaa となりま
す。
次は جَ でファトハが付いたジームですから ja です。
最後は ةِ とカスラが付いたターマルブータなので ti なのですがふつうこれは発音され
ないので (ti) と表すことにします。
これらを組み合わせると
dhanabu-ddajaaja(ti)
となります。
なおこの翻字はNHK「アラビア語講座」にある方法です。この方法はふつうのアル
ファベットだけで表示できて簡単なのと発音が直感的にわかりやすいのでこのブログではこれからこの翻字を使うことにしようと思っています。
(「はくちょう座デネブ (6) - アラビア語の星」へ続く)
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「「アラビア語の星」記事目次」
ザナブとかダナブとかアルダジャージャとかアッダジャージャとかアルザナブとか...
カオスと化している(?)はくちょう座α星デネブのアラビア語名の読み方ついて。
「はくちょう座 - デネブ (1)」
「はくちょう座 - デネブ (2)」
「はくちょう座デネブ (3) - アラビア語の星」
「はくちょう座デネブ (4) - アラビア語の星」
「はくちょう座デネブ (5) - アラビア語の星」
「はくちょう座デネブ (6) - アラビア語の星」
デネブのアラビア語名の意味について考えます。
「はくちょう座デネブ (7) - アラビア語の星」
「はくちょう座デネブ (8) - アラビア語の星」
「はくちょう座デネブ (9) - アラビア語の星」
低レベルなアラビア語の話
「アラビア語の子音の分類」
「ひらがなとアラビア文字とどっちがむずかしい?」
「アラビア語の太陽文字と月文字 - サタナラ行の法則」
「アラビア語の定冠詞の読み方のもう一つの規則」
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