はくちょう座デネブ (7) - アラビア語の星
これまではくちょう座デネブ(ذنب الدجاجة ザナブ(・ア)ッダジャージャ(ティ) )のアラビア語名の読み方について書いてきました。今度は意味について考えます。
これについてはほとんどの方が「雌鳥の尾」と書かれています。それほど議論(?)になることはなさそうに思えますが。まれに「鶏の尾」、「雄鶏の尾」もみかけます。そこでデネブの意味についてあらためて考えてみました。今回はほんとうに考えるだけで、デネブの意味とされるものについていろいろ感じたことを書くだけです。要するに、意味はこうだ!と断言するだけの自信がありません。
ذنب الدجاجة がどういう文法構造かというのは「はくちょう座 - デネブ (2)」に書きましたので、それを前提に話を進めます。
まず ذنب の方ですがこれは辞書、例えば「アラビア語検索エンジン アラジン Ver.1」を見ると ذَنَبٌ があって
【男】
1 尾、尻尾
2 (比喩的に)尾、尻尾
《男》
1 従者、随行員
2 支持者、追随者
《男複》
1{ أَذْنَاب }(集合的に)家来、子分、取り巻き
とあるので“尾”でぜんぜん問題なさそうです。
ただこれについては二点注意(というか留意?)すべき点があります。
一つは上のように“尾“の意味になるのは ذَنَبٌ であるということです。これは dhanab(un) と読みます。同じ綴りの別の意味の単語があります。 ذَنْبٌ です。こちらは“罪”という意味になり dhanb(un) と読みます。
「鶏の罪悪感」というのはここから来ています。
もう一つは調べて見ると“尾”という意味のアラビア語には ذَنَبٌ の他に ذَيْلٌ という単語があることです。こちらの意味も「アラビア語検索エンジン アラジン Ver.1」で調べてみると
【男】
1 尾、尻尾
2 (比喩的に)最後、末尾、掉尾
3 (衣服の)縁、へり、裾、垂れ飾り
4 (頁の)余白、罫下
5 (本の)付録、補遺
6 従者、お供、随行団、随員団
7 結果
となっています。
「Bilingual Visual Dictionary - Arabic/English」でいろいろな動物や魚や飛行機や車などの尾(テイル)を何と言うのか調べると ذَنَبٌ と ذَيْلٌ を使い分けているようにも思えます。
もしそうだとすると ذَنَبٌ には「尾」以上のなにかしらの意味があるということなのかもしれません(ぜんぜん自信のない発言です)
(「はくちょう座デネブ (8) - アラビア語の星」に続く)
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「「アラビア語の星」記事目次」
ザナブとかダナブとかアルダジャージャとかアッダジャージャとかアルザナブとか...
カオスと化している(?)はくちょう座α星デネブのアラビア語名の読み方ついて。
「はくちょう座 - デネブ (1)」
「はくちょう座 - デネブ (2)」
「はくちょう座デネブ (3) - アラビア語の星」
「はくちょう座デネブ (4) - アラビア語の星」
「はくちょう座デネブ (5) - アラビア語の星」
「はくちょう座デネブ (6) - アラビア語の星」
デネブのアラビア語名の意味について考えます。
「はくちょう座デネブ (7) - アラビア語の星」
「はくちょう座デネブ (8) - アラビア語の星」
「はくちょう座デネブ (9) - アラビア語の星」
低レベルなアラビア語の話
「アラビア語の子音の分類」
「ひらがなとアラビア文字とどっちがむずかしい?」
「アラビア語の太陽文字と月文字 - サタナラ行の法則」
「アラビア語の定冠詞の読み方のもう一つの規則」
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