星食(掩蔽)予測アプリOccultで観測データの残差（O-C）を求める

前記事
　　「掩蔽（星食）観測の残差“O-C”について」
で星食(掩蔽)の観測データを
　　「JCLO - 星食観測日本地域コーディネーター」
に送付すると仮整約結果が返信され、その中に観測の残差“O-C”の情報があるという話を書きましたが、この“O-C”の値を自分で調べる方法です。

仮整約というのはどうやってやっているのか知らなかったのですが、JCLOに観測データに関する疑問を問い合わせたらその回答の中で仮整約はOccultでやっているということが書いてありました。だったら自分でもできそうということでやってみたら同一の値が得られたので記事にすることにしました。

以下の話は今私が使っている Occult 4.1.0.27 をもとに進めます。リリースがちょっと違ったからと言って使い方がぜんぜん違うということはないと思います。

それから以下を行うときは事前にダウンロードしておかなければならないファイルがあります。

私はOccultで Maintenance ==> Download data updates/Downloads と進みStatic Data Filesのところにある

A. Kaguya Hi-res data
B. JPL 6000-year plaetary ephemeris
C. JPL plaetary ephemeris

の三つをダウンロードしました。
上の中でB.のファイルは600MByteくらいあったと思うのでディスクの空きエリアに注意してください。なおこの三つが全部必要じゃないのかもしれません。まずC.をダウンロードして結果が変わるか（＝JCLOの仮整約結果と一致するか）確認して、変わらないようだったらB.をダウンロードするということでいいかもしれません。A.は“O-C”とは関係ないようですが、月縁の詳しい形を見られるようになるのであったほうがいい（おもしろい？）と思います。
いい加減な話ですみません m(._.)m

B.は必要ないようです。C.をダウンロードしただけでJCLOの仮整約結果と同じ結果が得られました。「(訂正版)星食観測仮整約結果」も参考にしていただければと思います。

ファイルをダウンロードしたらOccultの再起動が必要だと思います。これまたいい加減な話しですが (^^;;

それからもしダウンロードがうまくいかなかったら
　　「惑さんのワクワク天体観察日記 - 星食観測の過去データを見るには？　in Occult 4.1」
を参考にしていただければいいと思います。私はその必要はなかったのですがユーザーの権限とかそういうことに関係しているのかもしれません。

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準備が終わったら“仮整約”をやってみます。

Occultのメインメニューの中には掩蔽の予測に使う“Lunar predictions”というのがありますが、その下に"Lunar observations"というのがあります。これを使います。
"Lunar Occutation Observations"の中のいちばん大きなボタン“Add/Edit/Plot observed Lunar Occultations"を選択します。

まずここの"Edit"にある"Header"、"Sites & Names"、"Events"を使って観測データを入力します。ただもしJCLOに提出したデータがあるのならそれをテキストファイルにして"File"、"Open"で読みこめばいいです。つまりIRiotをお使いの方ならIRiotの".LOR"ファイルを読みこむということです。

観測データが準備できたら"Edit"、"Events"を選び観測データの一つをマウスの左クリックで選べば画面上部の右下に"Limb-corrected residual"というのがあり、この"Residual"というのが"O-C"です。


右上にあるボタン"Reduce & Plot"を押せば全部のイベントの"O-C"などを一覧形式で見ることができます。




（「星食（掩蔽）観測の残差と月縁の関係を見る - Occult」に続く）

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