星食観測用1PPS発光器取扱説明書 - 1
GPS受信モジュールGM-316を使った“1PPS発光器”の取扱説明書です。
なぜわざわざ“星食観測用”と断っているかというとGPS受信モジュールを使いながら緯度・経度はおろか時刻の表示もできないので星食(掩蔽)観測用くらいにしか使えそうにないからです (^^;;
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同梱品の確認
1. 本体
単4アルカリ電池3本がすでに装着されています。
ゴムバンドは輸送中に電池が脱落するのを防止するためのものですのではずしてお使いください。
紙テープも同じ目的ですがこれはそのままの方がいいでしょう。ないと落としたとき電池がはずれ、ころがってどこかに行ってしまいます。
2. LED発光器
3mツイステッドペア線つき
3. 外部出力用ケーブル
3.5mmジャック付き1mシールドケーブル
4. 外部アンテナ
DAM1575A4 :GPSモジュール用アクティブアンテナー(MMCXプラグ)
底面はマグネットだったらしいです。気が付きませんでした (^^;;
5. 予備電池
単4アルカリ乾電池3本
6. 洗濯バサミ
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最初の確認事項
下記の三項目が確認できない場合はすぐに製造元にお問い合わせください。
具体的な操作は
「GPS受信モジュールGM-316による星食(掩蔽)観測用1PPS発光 」
を参考にしてください。
最初は外部アンテナを接続せずに確認してください。
どうしても電波がつかめない場合(赤色LEDが点滅しない場合)は外部アンテナを接続して確認してください。
外部アンテナを接続して確認した場合はアンテナをはずし3.の項目を再度確認してください。
外部アンテナを接続せずに確認してほしいというのは外部アンテナを使うと好ましくないという意味ではなく、外部アンテナがあると取り回しが面倒だからできるだけ外部アンテナを使わない方がいいだろう、というだけの意味です。
もし外部アンテナを使っても苦にならないのであれば外部アンテナをつけっぱなしにしておいた方が安心して使えます。
1. 電源スイッチを投入すると緑色LEDが点滅します。
2. 空が(できるだけ広く)見えるところに移動すると赤色LEDが点滅し始めます。
3. 赤色LEDはが点滅しはじめたら電源をいったんOFFにし再度ONすると赤色LEDは数秒~十数秒で再び点滅を始めます。
電源スイッチは移動中などに間違って動かないように奥まって取り付けてありますのでちょっと操作しにくいです (^^;;
LEDは夜間の使用を前提にいずれも暗く設定してあります。日中見るとかなり暗いので上からのぞきこんでください。
緑色LEDはなんとなく1秒に一回点滅します。赤色LEDは正確に1秒に一回0.1000秒間点灯します。
赤色LEDは四つくらいのGPS衛星の電波を捕捉してから点滅を始めますので数分間待ってください。GPS衛星のめぐり合わせが悪かったり豪雨だったりすると十数分かかることもあります。
(空が完全に開けていない場合)なかなか赤の点滅が始まらないときは移動してみてください。例えば南側の空が開けているところでやってダメなときは北の空が開けているところに移動するとか....
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注意事項・禁止事項
分解・改造するときは製造元に相談した方が無難でしょう。
人間が棲息できる温度範囲でお使いください。こういう環境での使用は禁止です。
「西穂高岳独標(Ⅱ)」
低温では電池性能が悪化することにご留意ください。どうしても使いたい方は。ぼうけんしょうさんの記事を熟読するなり直接問い合わせるなりされた方がいいと思います。
配線が露出しているので水分、塩分、金物、子供から遠ざけてお使いください。また結露がない環境でお使いください。
電池はアルカリ乾電池、ニッケル水素充電池が使えますが電池交換の判断基準が異なりますのでご注意ください(詳細別途)
1PPS信号は一度出始めると電波を失っても出続けます。
星食観測時は撮影の前に一度電源を切り、再度投入し数秒~十数秒で赤色LEDの点滅が再開することを確認した上で装置(あるいはアンテナ)の位置を変えずにお使いください。
電池交換後、長時間不使用時、長距離移動時は1PPS信号が出るまでに数分~十数分かかることがあります。観測時は余裕をもって準備してください。
この製品(?)は正しい秒のタイミングを知るためのものです。時刻は他の(だいたい正確な)もので補ってください。以下のようなものが使えます。ただ2.に関しては実際にお使いになる場合は他のものと比較し0.3秒程度以上の進み遅れがないことを何度か確認した上でお使いください。
1. 117
この目的であれば固定でもコードレスでも秘話装置付きでもIP電話でもかまいません。
2. スマホ117
少なくともSoftbank、iPhone、東京都内であれば問題ないと思います。茨城でもだいじょうぶでした。
3. BPM等標準電波
4. NICTの“JSTを表示する”
5.テレフォンJJY
※ 4.と5.は表示を読み上げて映像といっしょに録音してください。
ほよほよさんには製品(?)を見せないでください。恥ずかしいです (*^^*)
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電気的特性
GPS受信モジュール: GM-316(aitendo - GM-316 - データシート)
電源電圧: 3V~5Vの範囲でお使いください。
消費電流(使用時): 65mA (電源電圧 4.8Vのとき)
消費電流(使用時): 55mA (電源電圧 3.6Vのとき)
消費電流(待機時): 10μAくらい
発光器光度: (たぶん)最大2,000mcdくらい
発光器用出力: 定電流駆動(0~5mA?)、 短絡可
外部出力:
1PPS信号: 0.4Vp-pくらい、出力インピーダンス: 約100Ω、直流分あり、短絡可
測位情報: 0.2Vp-pくらい、出力インピーダンス: 約100Ω、直流分あり、短絡可
「星食観測用1PPS発光器取扱説明書 - 2」に続く
参考
「星食観測日本地域コーディネーター」
「JCLO - [PDF版] 星食観測ハンドブック2014 発行のお知らせ」
関連
「星食観測用1PPS発光器取扱説明書 - 1」
「星食観測用1PPS発光器取扱説明書 - 2」
「星食観測用1PPS発光器取扱説明書 - 3」
「**重要** 星食観測用1PPS発光器取扱説明書 - 4」
「**重要** 星食観測用1PPS発光器取扱説明書 - 5」
「星食観測用1PPS発光器取扱説明書 - 6」
「星食観測用1PPS発光器取扱説明書 - 7」
「星食観測でのGPS・1PPS信号の利用法 (1)」
「デジカメのセンサー走査時間を測る方法」
「動画の撮影時刻を知る(1)」
「動画の撮影時刻を知る(2)」
「NY NEX-5Nの1/15秒露出の動画を調べてみた」
「デジカメの特性を比較する」
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コメント
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ブログにも書きましたが、本日受け取りました♪
ありがとうございます^^
ところが、喜び勇んでこの取説に気づく前に、アンテナを付けて電源入れてしまったんですね(^^;
それでもちゃんと赤色LEDは光り続けているので、大丈夫ということでしょうか?
あっ、あと洗濯バサミは何に使うものなんでしょう???(^^;
投稿: sadaltemis | 2014年7月 3日 (木) 22時39分
あれ、すみません。明日お手元に届くと思っていたのでトリセツはのんびり書いてました (^^;;
洗濯バサミには重要な使途があります。トリセツの2に書きますね。
アンテナを接続していると取り回しが面倒なので接続しないで確認してくださいと書きましたが、うっとうしくなければアンテナを接続していた方が安心して使えますよ (^^)
でも写真を拝見するとアンテナが裏返しのような....
私もどっちが表なのかよくわかってないのですが、今日aitendoのサイトを見ていたら裏側は磁石になっていると書いてあったのでそれで確かめていただければと思います。私は今日まで磁石になっていることさえ知りませんでした (^^;;
アンテナもケーブル類も通電したまま脱着ができるので自分の使用方法にあった状態で使っていただければと思います。いずれにしても、スイッチを切って再度スイッチを入れたとき数秒~十数秒で赤色LEDが光りだす、というのがポイントです。
実戦投入は梅雨明けの8月からくらいのつもりでいろいろ遊んでいただければと思います (^^)
あ、でも1/15秒動画は期待してます (^^;;
投稿: セッピーナ | 2014年7月 3日 (木) 23時05分
アンテナはそういう意味だったんですね^^
室内などで中途半端につなぐと、精度が狂うのかと思っちゃいました(^^;
アンテナ写真の裏返しは、文字が書いてあったので撮るならこっちがいいかな?としたものです。
磁石で確認したところ、文字が書いてある方が裏でしたよ^^
鏡筒にはつかなかったのですけどスパイダーアームを固定しているネジにくっついたので、実際使う時はこのスタイルになると思います。
スイッチを入れると本当に数秒で赤色LEDが点きますね!
自分ではまず作れないアイテムですから、本当に大切にしたいと思います♪
重ね重ねありがとうございました(o^-^o)
あっ、1/15秒動画はメールにして送信してあります^^
投稿: sadaltemis | 2014年7月 4日 (金) 00時52分
どういう使い方でも基本的に1PPS(赤色LED)が発光すれば精度に関しては問題ないと思います。
緯度経度だと電波の反射とか問題になるのですが反射などで位置が1km、2kmずれたところで時刻は1/10,000秒も狂うわけはないですから (^^)
アンテナはやっぱり文字が書いてある方に磁石がありましたか。これですっきりしました (^^;;
1/15秒動画ダウンロードさせていただきました。
動画の処理ができるメインマシンが激不調で参ってます。
復旧したら拝見させていただきます。
1/15秒で撮影したものを二回出力というようなことでしたら話は簡単で時刻の精度を±0.07秒で報告すればいいですね。
1フレームづつ見られるようになったらまたあらためてお知らせします。
ありがとうございました。
投稿: セッピーナ | 2014年7月 4日 (金) 01時53分
LEDをピカピカさせるケーブルは光ファイバーか何かを使ってるのでしょうか?(≧∇≦)
同じような照射のものを使いたいのですが、どんなアイテムなのか教えてくださいm(_ _)m
投稿: 惑 | 2015年4月19日 (日) 09時17分
記事の“2. LED発光器”のところにありますがツイステッドペア線(ツイストペアケーブル、撚り対線)を使っています。直流なので平行線でもいいのですが、私は基板間や周辺部品との接続はぜんぶツイステッドペアにしており1対のものとか10対のものをまとめが買い(?)してあるもので。
弐号機の
http://seppina.cocolog-nifty.com/blog/2014/08/1pps---0208.html
にある動画を拡大して見るとどんな感じかわかると思います。
この動画にあるのは三原色LEDなので線は4本必要でツイステッドペア2対をリボン上にしたものを使っています(上の10対のものから2対分を裂いたもの)
動画にあるものは仮製作品でLEDとの接続部がむき出しですがここは熱収縮チューブなどで絶縁・固定しておいた方が安心・安全です。他のコネクタ(ピンソケット・ピンヘッダ)の接続部はそうしてあります。今動画を見たら収縮させる前のものがありますが (^^;;
投稿: セッピーナ | 2015年4月19日 (日) 09時58分
動画見てみました(≧∇≦)
先端にLEDを付けてるのですね〜
ツイステッドペア線ってLANケーブルですか?
投稿: 惑 | 2015年4月19日 (日) 10時27分
電話線やLANケーブルもツイステッドペアの一種ですね。
以下もし使われるのであれば....
ツイステッドペアは秋葉原だったらガード下の線材屋でいろんな太さやペア数のものを売っていますので大須にもそういうところはあると思います。
私のよく使うのはたぶんAWG26相当くらいだと思いますが、これはあっているかどうかあんまり自信がありません。
投稿: セッピーナ | 2015年4月19日 (日) 10時49分
ありがとうございます。
LANケーブルをこんな風にして使えるなんて目からウロコでした(; ̄O ̄)
投稿: 惑 | 2015年4月19日 (日) 11時16分
ツイステッドペアでなくてもいいし、ツイステッドペアにしても別にどんなものでもいいのですが、LANケーブルのツイステッドペアって細すぎませんか?
LANケーブルを分解したことがないのでよくわかりませんが (^^;;
投稿: セッピーナ | 2015年4月19日 (日) 11時55分
あれ?
cat5eもawg24ぐらいだから一緒ぐらいかと思ってました(;´Д`A
投稿: 惑 | 2015年4月19日 (日) 12時34分
あれAWG24なんですか。けっこう太いですね。知りませんでした (^^;;
投稿: セッピーナ | 2015年4月19日 (日) 17時17分