“水”温度計 (2)
今回は「“水”温度計 (1)」の記事にある“水“温度計の構造・作り方と測定結果を簡単に書いておきます。
材料
水
水道水
理科年表によれば摂氏20度での体膨張率は0.21E-3です。
試験管
呼び径18mmのものです。
下記の実験結果を見るとわかりますが、ちょっと大きすぎました。
理科年表によるとパイレックスの線膨張率は2.8E-6です。
ということは体膨張率は8.4E-6ということになります。
水に比べると体膨張率はずいぶんと小さいです。
だから試験管の膨張は無視することにします。
ゴム栓
細管がぴったり通せるような穴を開けてあります。
穴あけは意外と面倒でした。
ゴム栓の膨張はどう影響するのかよくわかりません。
今回は考えないことにします。
細管
外径1.5mm PVCのパイプ
内径が問題ですがまだ測っていません。
ぱっと見0.5mmくらいだと思います。
プラスチック類の線膨張率はけっこう大きいです。
ポリエチレン、ポリスチレンなんかパイレックスの100倍あります。
ただいくら大きくても仕組み的に影響がでるわけないので無視します。
作り方
材料をぜんぶ水につけてから水中で組み立てるといいでしょう。
------
時間があんまりなかったので気温が摂氏25.5度から27.5度まで2度変化したときの細管の中の水面の位置を測ってみました。
温度がいろいろ表示されていますが、今回は左上の温度を使います。試験管に封入したAM2321の示す温度です。温度表示が比較的正確で、試験管に封入されているためレスポンスが悪くなっているので“水温度計”の温度に近いだろうというのが理由です。
ほんとは“水温度計”の試験管の中に正確な白金薄膜抵抗を利用した温度計を入れればいいのですが面倒で (^^;;
ほんのちょっとしか温度は変化していないのですが、もう6mmも水面が上がっています。
順調に(?)水面が上がって行きます。
もう1度気温が上がったら細管が間に合わなくなりそうです。
以上をグラフにしてみました。
水面はほぼ温度に比例して上昇しています。
近似式からわかるように1度気温が上がると水面は16mmくらい上昇しています。
(「理論編」に続く予定)
関連
「“水”温度計 (1)」
「正確な温度を求めて (1)」
「ミニ恒温槽の作成に向けて - 1」
「ミニ恒温槽の作成に向けて - 魔法瓶の活用」
「温度を一定に保つ方法 - ミニ恒温槽の作成に向けて(3)」
「氷点 - 摂氏0度の作り方」
「熱電対の起電力の近似式 - 起電力と温度の相互変換」
« “水”温度計 (1) | トップページ | PICのDAC(DAコンバータ)を使ってみた »
「趣味の実験」カテゴリの記事
- 100Ω抵抗器の端子間で発生した火花放電(沿面放電)(2018.07.18)
- Amazonで買った「400000V高電圧発生モジュール」の出力極性(2018.07.15)
- 高電圧モジュールの放電開始電圧 - 針状電極間の放電(2018.07.11)
- 高電圧モジュールの放電開始電圧 - 円筒電極と針状電極(2018.07.09)
- 放電開始電圧をパッシェンの法則から知る(2018.07.07)
コメント
この記事へのコメントは終了しました。
もしかして23.5度から28度というのは細管の長さが足りなかったということでしょうか?(¬_¬)
投稿: 惑 | 2014年9月26日 (金) 23時56分
はい、そうなんです。
1度でどのくらい水位が上昇するか事前に計算しておいたのですが、何か計算間違いをしてたみたいで予想の5倍くらい水位が上昇してしまいました (^^;;
投稿: セッピーナ | 2014年9月27日 (土) 00時35分