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2014年9月11日 (木)

I2C大気圧センサーLPS331の分解能はほんとうに高いのか?(温度編)

先日

  「I2C大気圧センサーLPS331の驚くべき分解能

でLPS331の測定値の分解能が高いことを書きました。気圧に関しては1/4096hPaもあります。これについてはそのうち記事にしたいと思います。今回は温度に関してです。

LPS331の温度計の精度があんまりよくないことはデータシートを見ればわかります。と言っても実際に調べると私の持っているものは常温では誤差は1度以下のようでした。
でも分解能は1/480度あります。

精度があんまりよくないのに分解能の大きいことにどういう意味があるのか、と思われる方もいらっしゃると思いますが、用途によっては役にたつかもしれません。例えば放射温度計を自作するときとか (^^)

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こんなことをやってみました。

室温よりちょっと低い温度の水(お湯?)を用意し魔法瓶に入れます。そしてこの中に温度センサーを入れます。魔法瓶に入っているのでゆっくりと温度は上がっていきます。測定したデータはRS232CでPCに送って記録するようにしていますので魔法瓶の近くには行きません。テーブルの上に置かれた魔法瓶の中の水の温度はそうそう変動しないはずです。

センサーはLPS331の他にサーミスタとAM2321を使いました。AM2321は0.1度の分解能なのですが温度自体はかなり正確です。サーミスタは一定の電流を流して発生する電圧を測っていますので得られるのはアナログデータなのですがMCP3425で電圧を測っており結果として1/300度くらいの分解能になっています。

結果はこんなことになりました。
20140911th500k


これは0.015日、つまり25分くらいの間のできごとです。ほとんど温度変化はないのでAM2321は22.4度と一定の温度を示しています。

サーミスタはちょっと例外もありますが平均的な動きから見るとだいたい0.01度くらいのところに収まっています。一方LPS331はかなりダイナミックに動いています (^^;;
これを見るとLPS331の分解能は0.01度もないのではないかと思ってしまいます。

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この記事はLPS331の温度計は1/480度の分解能がありながら実際は1/100度の分解能もないんじゃないか、と書いているわけですが、魔法瓶の中でほんとうに微妙な温度変化があってそれを検出している可能性もないわけではありません。

どうやってそれを確かめるか?

もう一つ買ってきて同じ温度の変化があるかどうか確かめるというのはどうでしょう。

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趣味の実験」カテゴリの記事

コメント

それにしてもこんなことが出来てしまうなんて、PC接続機能があるマルチメーターが欲しかったんですけど、自作の希望が湧いてきました(¬_¬)

はいPC接続ができるDMMってけっこうなお値段がしますね。私の持っているのはアダプタを買えばPCに接続できるのですがアダプタがDMMと同じくらいのお値段なのであきらめました (^^;;
これはMCP3425という\250._のADコンバータを使っているのですが\980._のDMMより精度がよさそうです (^^)
例えば電池の電圧の変化を監視するとかだったらPIC内臓のADコンバータでも十分ですよ。
(3Vの電源の0.003Vの変化がわかります)
それにPIC自体に表示用のLEDやLCDをつけるよりPCにデータを送って表示させた方が簡単ですね。

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