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2014年10月30日 (木)

オペアンプを単電源で使う方法 - 1

LTspiceの使い方がなんとなくわかったような気がするのでLTspiceを利用した記事を書きます。じつはこのテーマについては一から計算して記事にしようと思ったのですが難しすぎて手におえませんでした (^^;;

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オペアンプでいちばん困るのは正負二つの電源を用意する必要があることでしょうか。
単電源用のオペアンプもありますし、正負電源の必要なオペアンプを単電源で動かすこともできないこともありませんが、どうしても二電源で使いときがあります(つまり対象となる信号がGNDをベースにして+/-両側にあるようなケースです)

私はこういうときは秋月で売っている5Vから±5V~±15Vを作れるモジュールを使っているのですが、いつも手元にあるわけでもありませんから非常手段的な方法が必要になることもあります。

これまでの記事、これからの記事

  「オペアンプを単電源で使う方法 - 1」 (この記事)
    抵抗分圧による二電源化の危険性
  「オペアンプを単電源で使う方法 - 2
    抵抗分圧でなんとかするいろんな方法
  「オペアンプを単電源で使う方法 - 3
    抵抗分圧による方法のまとめ
  「オペアンプを単電源で使う方法 - 4
    電源電圧の中点をオペアンプで安定化する
  「オペアンプを単電源で使う方法 - 5
    RS232CインターフェースICのチャージポンプを利用する
  「RS232CインターフェスICで作るオペアンプ用正負電源 - 定電圧機能つき
    製作例

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まず最初に“まとも”な回路とその入出力を確認します。
Normal

青が-電源、緑が+電源、赤が入力、水色が出力を表しています。
電源は±12V、-5V~+5Vの入力に対し+10V~-10Vの出力が得られるというただの反転増幅回路で何事もなく平穏無事に動いています。

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こういうのを単電源で動かすときよく見かけるのは電源を抵抗で分圧し中点をGNDにする方法です。
例えばこういうものです(明らかに回路定数がおかしくてこれではまともに動かないことはすぐにわかる方も多いと思いますが、話を円滑に進める都合上こうしてあります)

Case1

かなり悲惨なことになっていて、出力が±4Vくらいでクリップされています。
考えようによってはこれでも入力が±2Vの範囲だったらちゃんと動くとも言えますが24Vから±12Vの電源を用意しようとしたのにこれでは悲しすぎます。

こうなる原因についてちょっと考えます。

入力が“-”になったときは出力は“+“になってオペアンプの出力ピンからR2,R1の方向に電流が流れます。この電流はR3、R4の中点に達します。もちろんここが行き止まりではなくそのままR4に流れて行きます。つまりR3とR4に流れる電流が異なるためR3とR4の電圧降下は異なるものになります。
つまりR3、R4の中点の電圧が変動しているわけです。上のグラフのようにR3とR4の中点を基準に考えればオペアンプの電源電圧が激しく変動していることになります。

これだけ電源電圧が変動しても(入力電圧が一定の範囲であれば)ちゃんと動いているように見えるところがすごいです。100dB超の増幅率を誇るオペアンプがなせるわざでしょう。

次の記事では上の回路で±12Vを有効に利用するにはどうしたらいいかを考えます。お暇な方はいっしょに考えてください (^^)

(「オペアンプを単電源で使う方法 - 2」に続く)
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関連
  「交流電圧計(ミリバル)の簡単な作り方
  「ウィーンブリッジ発振回路の帰還量(増幅率)と波形の関係
  「ウィーンブリッジ発振回路の発振条件 - Excelで複素数の計算

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コメント

なるほど!
私の回路でも入力をサイン波にすればすぐにわかったのですね。
ためになりますm(_ _)m

これはどんどん間違った回路を作って添削してもらわねば^^。

ほよほよさんの回路をそのままパクってしまいました。申し訳ないです m(._.)m
このあとどうしたら抵抗分圧でオペアンプの性能をフルに発揮できるかという記事になりますのでご容赦ください。
何が問題なのか明確に説明できなかったし計算もうまくできなくて、けっきょくLTspiceに走ってしまいました (^^;;

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