(訂正版)星食観測仮整約結果(2014.10.15 ZC1029)
この記事は10月15日に「星食観測仮整約結果(2014.10.15 ZC1029)」として書いたのですがOccultのデータ設定に誤りがあったことがわかったので訂正版として再度記事にしました。
その後Occultのデータがアップデータされてから確かめたところO-Cは0.00になっていました。
記事はひとまずそのままにしておきます。
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星食の観測報告を星食観測日本地域コーディネーターに送付すると仮整約結果が返送されてきます。
この仮整約結果でいちばん重要なのは“O-C”みたいです。以前報告したらこれが0.47だったことがあるのですが、そのときは「何かの間違いだと思うので観測内容をチェックしてね」みたいな意味のメールをいただきました(実際のメールはもちろんもっと丁重な表現です)
このときはデータを再確認したら観測地の緯度が1分違ってました (^^;;
じつはこの仮整約というのは「星食(掩蔽)予測アプリOccultで観測データの残差(O-C)を求める」に書いたように自分でできます。
O-Cは-0.04になっています。この“0.04”というのは「既知の月縁情報から判断するとあなたの観測結果は-0.04秒ずれています」ということを意味しています。
ここで-0.04秒というのは角度の秒です。わかりやすくいうと今回のケースだと
あなたの観測結果は予想より(時間で)0.12秒早くなっています
あるいは
あなたの出現位置は月縁から80m離れています
ということを言っています。
月縁についてはヘルプに
O-C The computed residual - compared to the lunar limb defined by the Watts charts. Refer to the header to ascertain whether the Watts charts have been 'corrected'.
とありますが実際には月縁データは「かぐや」のもののようです。
ただこういう結果になってもあんまり心配することはないです。それは
理論的に計算した値が正しいとされるのであればそもそも星食観測なんてやる意味はない
ということですし、さらに
仮整約は低解像度(ローレゾルーション)の月縁データが使われている
からです。
今回の観測結果にはそれなりの自信があるので、ああ今回は低解像度の月縁データがいい加減(?)だったに違いない、と思いました。
試しに月縁データとの比較を見てみました。
低解像度(ローレゾルーション)
中央の緑色の丸いのが私の出現点です。確かに月縁から離れています。
今回の私の出現点に関して言えば低解像度の月縁データでは確かに月縁と離れていますが高解像度の月縁データと比べるとそこまで悪くはありません。
低解像度の月縁との差は-0.04秒としても高解像度の月縁との差は0.01秒もないようです。これはもう現在の観測の時間分解能では判別できない差です(観測の時間分解能は0.04秒であり、これは今回のケースでは角度分解能0.012秒に相当します)
今回の観測に関しては十分な精度が得られていると考えて問題なさそうです。
もっとも私の観測、かぐやの月縁データ、星表の恒星位置のうち二つあるいは三つがどちらも間違っているという可能性は残されています。
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Occultのデータの何が間違っているかというとJPL plaetary ephemerisをインストール(ダウンロード)していませんでした (^^;;
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掩蔽の予測と観測全般については
『「掩蔽(星食)の予測と観測」記事目次とリンク集』
に、2014年10月の星食の予測については
「2014年10月の星食(掩蔽)予測(予測図作成機能つき)」 (予測用Excelシート付き)
にあります。いずれの記事にも参考となるサイトへのリンク等ついています。
それから星食など日時が逃せないものはツィートすることにしました。
@Seppina1
Twitterのリンクの張り方がよくわからなくて (^^;;
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