ISO値の設定によるラティチュードの違い
「デジカメPENTAX Q7の静止画と動画の明るさ比較 」でPENTAX Q7の感度特性について書きました。この記事では掩蔽観測に用いるISO12800で実験をしています。
ちょっと気になるのはEV値が高いところではかなり早い段階で飽和してしまっていることです。おそらくISO12800にすることによってノイズが増え、そのことによってじゅうぶんなラチチュードが得られていないのではないかと思われます。
そこで今回はISO100の設定でEV値が高い領域での感度特性を調べてみました。
ISO100ではISO12800に比較すると直線性がある部分は広くかつ(直線性は失われるものの)感度曲線は飽和しづらく広いラティチュードが得られていることがわかりました。
よく言われる
白飛びした画像はどうしようもないが露出不足は救いようがある
高感度撮影での露出不足は対応が難しい
ということが納得できる結果となっています。
前回と同じ方法で実験するのですがISOは100に固定しシャッター速度を1/60秒から1/8000秒まで変化させEV値と画像の明るさ(ヒストグラムの平均値)の関係を調べます。
違う条件での実験ですので感度曲線は離れたところにできてしまいます。ここではわかりやすいように感度曲線を平行移動しほぼ重なるようにしてグラフを作りました。
ヒストグラム平均値が50以下になるとISO12800は急速に飽和するのですが、ISO100では直線性がヒストグラム平均値25くらいまで確保されその後は直線性は失われるものの感度曲線はヒストグラム平均値が0に近いところまで飽和せずに伸びています。
ISO12800の場合
ラティチュード 8EV
直線性が確保される範囲 4.5EV
ISO100の場合
ラティチュード 10.5EV (注)
直線性が確保される範囲 5.5EV (注)
注 ヒストグラム平均値が100を越える領域での感度曲線がISO12800の場合と同じであると仮定しています。
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