PCオーディオをオシロスコープ代わりに使う - 1
こんなことやってます。
「PICのDAC(DAコンバータ)を使ってみた」
「PICのDAコンバータ(DAC)を使ってみた - 補足」
「インダクタンスの測り方」
いずれもPCオーディオとGoldWaveをオシロスコープ代わりに使ってやってます。上にリンクした記事にあるようにスペクトラムも見ることができるので便利です。
GoldWaveの本家のダウンロード元は「GoldWave Inc.」です。最近ヘンなダウンロードサイトが多いので本家からダウンロードするのが安心です。
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いろいろ問題があって
1. 入力(MIC、LINE IN)にデバイスが接続されているかチェックしている場合がある。
この場合はまずデバイスが接続されていると認識させる必要があります。
私の場合はジャックにプラグを差し込んだだけでデバイスが接続されていると認識してくれたんですが「惑さんのワクワク天体観察日記 - MICに接続して電圧を見たい ■追記x2」を拝見するともっと複雑なことをしている場合もあるようです。
2. Micの場合はコンデンサーマイク(のアンプ)用電源が接続されているケースがある。
私の場合は3Vくらいでした。一方惑さんのPCではこれはなかったそうです。
もともと直流の観測はできないわけですからMicに接続するとき直流カット用のコンデンサを入れておいた方がよさそうです。電解コンデンサーを使うときとか極性に注意する必要があります。
これに関連するのですがMicと言うと入力レベルは数mV~数十mVと思うのですが、コンデンサマイクを使う前提だともっと高いようです。私のPCではMic端子のフルスケールは300mV程度でした。
ついでに書いておくとLINE INの入力レベルもまちまちみたいです。私のはフルスケール650mV、入力抵抗20kΩ程度でした。Micの入力抵抗を測るのは忘れました。すみません。
2. 直流を観測できない
“オーディオ”なので直流分はないわけでとうぜんなんですが、直流をカットするためのコンデンサーが入っているのでそれが悪さすることがあります。低い周波数での実験の結果を分析するときは注意が必要です。
もっともコンデンサーが入っているため間違って電池を直接接続してもたいしたことにはなりそうにので安心と言えば安心です。
この直流を観測できない件については手間はかかりますが対応策はあります。
「平衡変調器で直流をボイスレコーダーに記録する - JJY・GPSの秒信号」
(「GoldWaveとawk(gawk)でボイスレコーダーの記録・音声をExcelのグラフにする 」より)
3. 周波数範囲に限度がある
観測できるのは数十Hzから数kHzの範囲内になります。増幅器の周波数特性がどうのこうのと言う前にサンプリングが44.1kHzだったらぜったい22kHz以上の成分があるかどうかはわからないです。
だからオシロスコープとしては実用にならないわけですが、“学習用”、“実験用”であればその周波数範囲で実験すればいいわけで障害にはならないと思います。
工夫すればPCオーディオで数百kHzとか数MHzの波形を観測する方法がないわけでもありません。このことは「PCオーディオでサンプリングスコープ - 1」で書き始めました。
もっともここまでするくらいならオシロスコープを買ってきたほうがいいのかもしれませんが。
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手始めにPCの入力端子に電池をつないで“ツンツン”してみました。
こんな波形が見られました。
(逆向きの)ノコギリ波みたいになってますが、Mic入力に直流カット用のコンデンサーが入っているためでしょう。
入力には5kΩが接続されていますから、この図から見ると100~200μFくらいのコンデンサーが入ってそうです。
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追記
上に「低い周波数での実験の結果を分析するときは注意が必要です。」と書きました。上のグラフで“ツン”したあと極性が逆転しているのがその例ですが、もう一つわかりやすい例を示します。これはMic端子に(コンデンサマイク用と思われる)電圧が出されていることが関係しています。 <== マイク端子に電圧が出ているのはまったく関係ないわけでもないですが、そうでなくても何らかの波形が見られるわけなのでこの部分は取り消します。
(マイク端子をGNDに接続することによって直流カット用のコンデンサーの両端の電位差が変化することが原因です)
上の回路では電池を使っていますが電池を取り除き、ツンツンするのをGNDにします。
この回路図だけみると何も起きないように思えますが、実際はこんな波形が観測されます。
「PCオーディオをオシロスコープ代わりに使う - 2」
「PCオーディオでサンプリングスコープ - 1」
に続きます。
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関連
「PICのDAC(DAコンバータ)を使ってみた」
「PICのDAコンバータ(DAC)を使ってみた - 補足」
「インダクタンスの測り方」
「風速計・風向計を作る - 1
参考
「きむ茶工房ガレージハウス - PICの内蔵DAC機能を動作させて見る」
関連
「I2Cデバイス・アドレス一覧」
「同じアドレスのI2Cデバイスを使う」
「PICで平方根 - 白金薄膜抵抗で温度を測る」
「PICでI2C - ADコンバーター・MCP3425の使い方」
「PICでI2C - MPL115A2の大気圧計算法」
「I2C大気圧センサーLPS331の驚くべき分解能」
「I2C大気圧温度センサーLPS331 - 海面更生気圧を気象庁とくらべてみた」
「I2C大気圧センサーLPS331の分解能はほんとうに高いのか?(温度編)」
「PICでI2C - 1 (温度計を作る)」
「PICでI2C - 液晶(LCD)ディスプレイ(ACM1602N1-FLW-FBW)に表示する」
「PICでI2C - LCD(液晶)ディスプレイによる違い」
「サーミスタによる温度測定の精度」
「サーミスタ温度計の精度を調べる - 1」
「PICで作るお手軽サーミスタ温度計」
「炭素皮膜抵抗の温度係数を測定する話」
「ミニ恒温槽の作成に向けて - 1」
「ミニ恒温槽の作成に向けて - 魔法瓶の活用」
参考
「きむ茶工房ガレージハウス - PICの動かせ方入門はこちら - 16F1938覚書」
「きむ茶工房ガレージハウス - I2C通信の実験」
「きむ茶工房ガレージハウス - 気圧センサーで大気圧と標高を測定して見ます(MPL115A1)(MPL115A2)」
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コメント
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こうしてみると私の波形と全然違いますね、、、
何故なのか気になりますね(ノ_<)
投稿: 惑 | 2014年10月 3日 (金) 12時23分
はい、ヘンですね。
ひとまずホスト(Mac)でやって、結果を見て考えましょう (^^)
投稿: セッピーナ | 2014年10月 3日 (金) 13時18分