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2014年10月27日 (月)

東京でカノープスを見るには?

東京じゃ絶望的に見えなさそうなカノープスですが、実際はそうでもないと思います。
2014年10月28日の朝、雲量8割という感じで曇っていてシリウスもリゲルもアルデバランもプレアデスももうほんとに何にも見えなかったのですがカノープスだけは見えました (^^)

以下カノープスを東京で見るときどういう作戦を立てればいいのかの参考材料にしていただければと思います。

見えた、見えなかった、いつ見える、というのは
  東京でカノープスが見えた日、見えなかった日
にもあります。

------

カノープスを見るのは東京あたりが北限と思っていたのですが、埼玉でも見えるようです。
  「いちばんぼし - 今年初のカノープス

カノープスというのは南中するほんの短時間しか見えないようなイメージをお持ちの方もいらっしゃるかと思いますがそうでもないです。

まずこの動画を見ていただきたいと思います。
(PENTAX Q7 f=180mm F2.8 ISO12800 1/30sec 画像の一部をトリミング)


カノープスは水平に動いているように見えます。南中前後はこういう動きをするので意外と長時間見えるものです。

千代田区役所からどういう具合に見えるかを調べてみました(実際に千代田区役所からカノープスが見えるかどうかはわかりません)

時刻 高度 方位 光度
南中2時間前 -2.2 162.3 7.39
南中1時間前 1.0 171.0 2.73
南中30分前 1.7 175.5 2.09
南中8分前 1.9 178.8 1.95
南中時 1.9 180.0 1.94
南中8分後 1.9 181.2 1.95
南中30分後 1.7 184.6 2.09
南中1時間後 1.0 189.0 2.73
南中2時間後 -2.2 197.7 7.39

高度は大気差を考慮したものです(だから日によって少し変化するかもしれません)、また光度等級は大気による減光を考慮したものです。これはStellarium 0.13.0で調べました。実際はもっと暗いような気もします。

Azalt

南中時でも高度が2度に満たないところにカノープスを見る難しさがあるのですが、前後30分の範囲であればそんなに高度は変わりません。さすがに前後1時間となると高度が半分くらいになりますが、もともと地平線すれすれを見ようというわけですから2度も1度もたいして変わらないと言えば変わらないです。ただこのあたりになると急激に高度が下がります。またそのため分厚い空気の層を通して見ることになりどんどん暗くなります。

大気差については「大気差の計算式」、「カノープスの写真に見る大気差の影響」などを参考にしてください。

もしカノープスを狙うとすればできれば南中30分以内、それがムリならば前後1時間以内といったところでしょうか。つまり真南が見通しがいいのが一番ですが真南から左右10度くらい__つまり手を伸ばしたときの握りこぶし一個分__の範囲に開けているところを見つければチャンスがあります。
真南がどちらかというのは方位磁石を使うよりシリウスの南中時刻を目安にした方が確実だと思います。シリウスの南中時刻はカノープスの南中時刻の22分後です。またカノープスが南中するときの方角はそのときのシリウスの方角より6度くらい(伸ばした手の指3本くらい)右です。シリウスはけっこういい目印になります。他の恒星を目安に位置を確認する方法というのもあるようですが、東京じゃシリウスくらいしか見えないのであんまり意味がなさそうです。

南中30分以内といっても南中時刻がわからないとどうしようもないです。これは
  「国立天文台 - 暦象年表 - 恒星の出入りと子午線通過
  「国立天文台 - 暦象年表 - 恒星の高度と方位

などで簡単に調べることができます。自分の住んでいる区なり市町村の役所の位置で調べれば十分だと思います。地域によってどのくらい南中時刻が違うかを明日10月28日で調べてみました。

江戸川区役所 3:40:39
千代田区役所 3:41:07
三鷹市役所 3:41:53
八王子市役所 3:42:51

つまり場所によって2分くらい違います。たいした違いがないとも言えますが私みたいにカノープスが見られる時間が南中3秒前から2分14秒後の2分17秒に限られているいうように視界が極端に狭い場合は正確に南中時刻(あるいは視界の開けた方位を通過する時刻)を確認しておく必要があります。

南中時刻は毎日約4分(3分56秒)早くなっていきますので一度調べると一週間は調べ直す必要はないです。

東京でいちばんむずかしいのは何より観望場所を探すことでしょうか。これはあたりをつけて一生懸命探すしかありません。ビルが林立しているようなところでも上のようにビルの隙間にカノープスが見えることがあります。ぜったい見えそうにないところでもじつは首都高速の高架の下のわずかなスペースにカノープスが見えるというところも知っています。
ビルだらけの池袋でも地上から東京スカイツリーが見えるという“奇跡の場所”がありますからあきらめずに探すことが大切です。もちろん高層階にお住まいの方なら何も考える必要はないでしょうが....

どこか展望台のようなところに行ければいいのですが、こういう時間帯に自由に立ち入りできるところはなさそうです(もしそういうところがあるのをご存知の方がいらっしゃったらぜひお教えください)

ただ大晦日にはカノープスは23時25分頃に南中します。大晦日のこの時間であればオープンしているところはけっこうありそうな気がします。もしどうしても適当な場所が見つからなければこういうところで一発勝負にかけるというのも楽しいんじゃないでしょうか。

2月1日になると南中は20時25分になります。この時間帯であれば展望台的な場所はいくらでも見つかりますが、この頃になると気象的に厳しくなってくるような気がします。とは言えぜったい見えないというわけはないですからチャレンジして見るとおもしろいと思います。
(「東京でカノープスが見えた日、見えなかった日」にあるように2015年2月1日にはとてもいい状態で見ることができました)

最後にどうやって見るかなのですが、肉眼では難しいと思います。地平線付近はビルの明かり、ネオン、街灯、水銀灯、ナトリウムランプもうなんでもありでいくらカノープスでもその中に埋没してしまいます。双眼鏡は必須だと思います。というか双眼鏡がいちばんいいと思います。恒星の場合は比較的焦点距離のある望遠鏡の方がよく見えたりするのですがカノープスは上の動画にあるようにもう恒星といえる状態じゃないです。飛行機や自動車のテールランプとたいして変わりません。視野が広く明るさが稼げる双眼鏡がいいと思います。
(ちなみに上の動画の中央にあるポールには煌々と輝くナトリウムランプが取り付けられています)

双眼鏡でカノープスを見て寿命が伸びるのか?それは私にはわかりません。

他の恒星との位置関係
2015年10月8日の例
20151008

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