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2014年10月 6日 (月)

台風が通り過ぎるとき気圧はどう変化するか?

台風通過35時間前から45時間後までの気圧測定が完了しました。

  「台風18号による東京の気圧変化 2014/10/05-08
  「台風18号が通り過ぎた瞬間を見る」 (通過時の拡大図)

なお下記記事に「台風の中心付近に計算式を適用していいのか」ということを書いていますが、これは逆で計算式を中心から遠くはなれたところに適用するのがまずいような気がしてきました。

この記事に書いたことを現実の問題に適用するというのは

  「台風18号はほんとうに東京を通ったのか?

でやろうとしています。

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今台風18号による気圧の変化を測定中です。夜になったらデータを採取して「台風18号による東京の気圧変化 2014/10/05-06」のグラフに追加するのですが、台風が通り過ぎる瞬間(?)に気圧がどう変化するのか気になってきました。

台風の中心からの距離と気圧の関係がわかればそれから計算できるのですが、どうなるのかさっぱり見当がつきません。天気図を見ればなんとなくわかるのですが、それでは計算ができません。

ググっていたらこんなものを見つけました。

  「冨高四郎 - 台風圏内における気圧・風・渦度の分布

どうやら30年くらい前に気象学会の機関誌に発表された論文のようです。ちょっと古いですが他にないのでこれを読んでみました。

お目当ての台風の中心からの距離と気圧の関係も式で表されています。
グラフにするとこうなりました。
Pvsl

台風から遠いところはあんまり気圧の変化はなくて中心に近づくに連れて急に気圧が下がって行くという、まあ当たり前と言えば当たり前のグラフになっています。

中心のところが気になるのですが、中心付近では気圧の変化は小さくなるようです。もっともそういうところに式を適用していいのか悪いのかよくわかりませんが。

その前に気圧を計算するための式のなかにどう求めたら(決めたら)いいかわからないパラメータが二つあるのも問題です。以下論文にある例などを参考に適当に話を進めます。だから以下はグラフは示していますがトレンドスタディみたいなものだと思ってください。

さてひとまず論文にあった式を前提に次の計算を行います。つまり台風の中心の経路からの距離によって気圧の時間的な変化はどうなるかということです。

観測値が台風の経路上にあれば上のグラフとそれを折り返したものをくっつけたような形になりますが、観測値が経路上から離れていたらどうなるかを見てみます。
台風は形(気圧)を変えず一定の速度で直線的に動くと仮定してグラフを作っています。
縦軸はもちろん気圧ですが、横軸は台風通過時に対する“時間”です。特定の条件ではこれは時間そのものつまり“-1”は一時間前ということを示しています。
Pvst

まず台風の経路上に観測値があるケースは青い線で示してあります(L=0)
なたのようなV字を示しています(といってもV字の先端は尖っているわけではありません。数学的に言うと微分可能です)

台風の経路から少し離れたところではV字はV字ですが“鈍器”的なV字になります。

台風の経路からもっと離れると気圧の変化は小さくなり気圧は凹面を転がる球のように変化して行きます。

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当たり前の結果しか出ていないのですが、こういう図を見ていると複数の観測地の気圧の変化がわかれば、そのデータから台風の経路や中心気圧を割り出すことができそうな気もします。

気象庁が台風の経路などの詳細データを発表するまで1ヶ月近くかかるようです。気象庁も気圧の変化のデータを分析して台風の中心の正確な位置や速度を検討しているのかもしれません。

それから当たり前とは言っても、上の結果を見ていると“教訓”みたいなこともあります。
それは、気圧の変化だけ見ていると台風の経路から離れているかどうかは台風が通過する直前にならないとわからない、ということです。ちゃんと天気予報は確認した方がよさそうです。

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関連
  「台風19号による東京の気圧変化 2014/10/12-

  「台風18号による東京の気圧変化 2014/10/05-08
  「台風18号が通り過ぎた瞬間を見る

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コメント

もしかして台風の接近時刻予想シートを作成されるのですね?(¬_¬)
時間帯によっては気圧変化の先陣報告は出来るかもしれません〜

これ、台風は「等速直線運動」と仮定していますので“実用的”にはあんまり意味がないような気がします (^^;;
ただ一方で距離の近いところの観測結果を突き合わせればなにかしらわかるような気もします。
またまた不謹慎ですが、次の台風のときもよろしくお願いします (^^)

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