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2014年10月16日 (木)

重星(ωLeo)星食観測整約結果

IOTAの重星コーディネータBrian Loaderさんから5月に観測した重星(Omega Leo=ZC1397)星食の整約結果が送られてきました。今回はその話です。

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5月7日にいつものとおり星食を観測しました。一度でも星食をご覧になった方にはわかると思いますが星食というのはもうほんとに一瞬で恒星が消えます。ビデオで撮っても例えば100フレーム目まで恒星像があるのに101フレーム目には何もないというのがふつうです。

ただこの日のR1397の星食はちょっと違っていました。一瞬にして恒星が消えたと思ったのですがそのあともなんとなく星像があります。そして1秒ちょっと経ったところで完全に消えました。

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観測したときのビデオです。まったく編集してありません。
再生開始から40秒すぎ(実時刻 23h23m34.16±0.04sJST)に5.7等星が潜入し、42秒ちょっと前(23h23m35.83±0.04sJST)に7.3等星が潜入します。

こちらはわかりやすいように潜入の部分をスロー(x10)にしたものです。

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自分はなにかとんでもない現象を見たのではないかと興奮して調べたら観測対象のR1397が重星だったというだけの話でした。そうだとわかっていたら少しは撮影条件を工夫できたかもとは思ったのですが後の祭りでした。

観測報告をJCLOに送ったら仮整約結果が返信されてきましたがそのメールにビデオを提供してほしいとのいうことが書いてありました。

ちょっとしたやりとりがあったのですがその後音沙汰なしでどうなったんだろうと思っていたら9月末にやっと結果が送られてきました。

メールに添付されていたファイルを指示通りOccultで読み込んだらこんな図になりました。
R1397_2014

2014年の観測結果から伴星の位置を求めたものです。観測データが5個ありますが、これらは同じ日の観測ではありません。

0.が3月14日のヨーロッパでの観測、1.、2.、3.は4月10日のアメリカでの観測、そして4.が5月7日の日本での、つまり私の観測です。

専門家が見るとどう感じるのかわかりませんが、素人目にはよく一致しているように思えます。これらの観測から決定された伴星の位置は

  方向角 108.22° ± 0.74°,
  離角    0.800” ± 0.007”

となっていました。

私の観測がなくても伴星の位置はもとまったのでしょうが、他の観測から得られた結果の妥当性を補強するくらいの意味はあったように思います。

ただこれを見たとき最初に思ったことは

  他の観測と矛盾する報告でなくてよかった

でした (^^;; <=== 注

なお分析に使われている数値は私が提出した報告と同じものでした。
ビデオを分析した結果私の報告内容に間違いが見つかった、ということはなかったようです。  <=== 注

これからは少しは自信を持って報告を提出できそうです。

注 以上のように書いたのですが、その後宮下さんから後行星の消失点が違っているのではないかとの指摘がありました (^^;;
この件解決したらまた記事にします(2014.11.05)


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掩蔽の予測と観測全般については

  『「掩蔽(星食)の予測と観測」記事目次とリンク集

に、2014年10月の星食の予測については

  「2014年10月の星食(掩蔽)予測(予測図作成機能つき)」 (予測用Excelシート付き)

にあります。いずれの記事にも参考となるサイトへのリンク等ついています。

それから星食など日時が逃せないものはツィートすることにしました。
  @Seppina1

Twitterのリンクの張り方がよくわからなくて (^^;;

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掩蔽(星食)」カテゴリの記事

コメント

私の報告でもないのに、なぜかジーンとしちゃいました(ノ_<)
こうやって積み上げて来たものが記録として残り、これからずっと刻まれてくかと思うと感慨深いですね。

これまでの観測報告がいくら待ってもDBに登録されてないのでこういうのがあると励みになります。
現実問題としてどうだかわかりませんが、なんとなく天文学の発展に寄与したような気分が味わえます。
The 2014 results will be included in a future JDSO paper.
と書いてありましたから論文に共同執筆者として名を連ねる特典もいただけそうです (^^;;

おお!これまた素晴らしいですね。そして、
>他の観測と矛盾する報告でなくてよかった
とても精密な観測をされてるのに、謙虚ですね~^^。
こうして何人もの方々が世界中にいて力を合わせて結果を出しているのですね。
私も惑さんの「ジーン」でジーンときましたよ;;

はい、整約結果を見て外国で掩蔽観測をしている人達が急に身近に感じられるようになりました (^^)
でもこうやって見ると掩蔽観測している人って少ないですね。
一つ一つの観測に重みがあるとも言えますが (^^;;

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