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2014年11月20日 (木)

はじめてのGPS受信モジュール - GM-5157A - 概要

はじめてのGPS受信モジュール - GM-5157A - 実装」の続きですが、話の順番としてはこちらが先でしょう。

GM-5157Aの電気的特性などの概要について書いておきます。

例によって掩蔽観測のために1PPS信号を得ることを主目的とするという観点で書いています。

=======

他のモジュールとの比較という意味では

  「GPS受信モジュールあれこれ

を参考にしていただければと思います。今回もこれをベースに書いています。

まず情報が少ないです。いろいろ調べたのですがaitendoさんのサイトにあるもの以上に詳しい資料が見つかりませんでした。以下この資料と実際に確認した内容です。


チップセット: MT3333

\3,980._

電源

Power Supply   3-4.3 V
Power Consumption 21mA / average tracking
Backup Power(V_BAT) 2.1-4.2 V

つまり5Vでは使えません。
特筆すべきは消費電流の少なさです。実測しましたが確かに20mAでした。これまでのモジュールはそこそこ消費電流がありしかも実測するとかなり大きいということがありましたがスペック通りの電流でした。
バックアップは未確認ですが動きを見ていると単にバックアップ電源をV_BATに接続するだけでいいようです。当たり前の話のようですがGE-612Tのときはそうではなく苦労しました。

1PPS出力
  少なくとも私が入手したものは100msでした。
  精度については
    ±10ns RMS (1PPS output)
  という記述があります。
  1PPS信号が出始めると(ポジションフィックスすると)本体の緑色LEDが点滅し始めます。
  <== これは勘違いで(特に初めて電源を投入したときは)緑色LEDの点滅がしばらく続いたあと1PPS信号が出力され始めます。

入出力i/F
  TTLシリアル、デフォルトは9600bpsです。
  Default: GGA, GSV, GSA, RMC @1Hz
  RMCで時刻を表示している弐号機(「食観測用1PPS発光器 - 弐号機開発状況」)に接続したらちゃんと時刻が表示されました。
  

プロトコル
  NMEA 0183 V3.01, MTK NMEA

実装方法
  コネクターです(6-pin Interface, pitch 0.8mm)
  一般的に使われるコネクターなのかはわかりません。
  どこで売っているかもわかりませんので自作しました。
  詳細は「はじめてのGPS受信モジュール - GM-5157A - 実装」に書いたとおりです。

アンテナ
  内臓のみですが感度的には問題なさそうです。
  少なくともGM-316、GE-612Tと同等と考えてよさそうです。

感想
  あらためて書きますがぜひコネクタといっしょに販売してください。

-------

1PPS信号が出力されることを確認しました。
ポジションフィックスとともにモジュールについている緑色LEDも点滅を始めるようです。
1PPS信号の出力を確認するためのLEDは必要ないようです。
(上に書いたように再度確認したら緑色LEDの点滅から1PPS出力までは少し間がありましたので注意してください)



受信モジュール部分の(完成予定回路図)

後続の回路(1PPS発光モジュールや情報表示モジュール)にどんなものを接続して問題なく動作するようにコンパレータを入れてあります。特にPICのRXDが問題でこれはシュミットトリガーになっておりVIHが他のピンより高くなっていれこれまで直接接続で誤動作の経験があります。

またコンパレータは今後の開発(?)でGPS受信モジュールに直接配線することをしなくてすむので“事故”を予防するという目的もあります。

さらに外部(1PPS発光モジュールや情報表示モジュール等)の回路の電源電圧が違っていても使えます

1PPSは以前作ったときは負論理の方が扱いやすかったことがあり正負両方作ってあります(コンパレータが一個余ったからなんですが)

R1とD1はテスト用でなくても問題ありません。確認は受信モジュールの緑色LEDで十分です。
C1は電気二重層コンデンサを使います。この場合適度な内部抵抗があるようですからじっさいにはR8は不要でしょう。
R2とR3は適切なスレッショルドになるように決めますが現実にはR2=R3としておけば問題ないでしょう。
コンパレータはオープンコレクタなので必要があれば適切なプルアップ抵抗を入れておきます。

ということで目的や使用法が明確であれば適当に省略するなり変更していただければと思います。


Comparator

このコンパレータを使う回路はちょっと面倒と言えば面倒なのですが、外部の回路の電源電圧が違う場合もちょっと手直しするだけで使えます。私の場合1PSS発光回路は5Vの電源電圧になっています。Comparator2_2

基本的に R9/(R9+r10)=V1/V2 にすれば特に問題はないです。

この場合出力端子は電源電圧以上にプルアップされることになりますがリスクはありません。確かこのコンパレータのケースはメーカーも電源電圧に無関係に30VまでOKとしていたと思います。

-------

関連
  「GPS受信モジュールあれこれ
  「はじめてのGPS受信モジュール - GM-5157A - 実装

  「記事目次・時刻と時間

  「時刻標準について
  「GPS受信モジュールGM-316による星食(掩蔽)観測用1PPS発光
  「GE-612T vs GM-316 1PPS対決 - GPS受信モジュール
  「GPS衛星の電波を失ったGM-316の1PPS出力はどうなる?
  「1PPS信号を音声で記録すると遅延するか?
  「星食観測でのGPS・1PPS信号の利用法 (1)
  「星食観測用1PPS発光器取扱説明書 - 1
  「星食観測用1PPS発光器取扱説明書 - 2
  「はじめてのGPS受信モジュール - GE-612T編 - 1」 (動作確認)
  「はじめてのGPS受信モジュール - GE-612T編 - 2」 (配線の仕方)
  「はじめてのGPS受信モジュール - GE-612T編 - 3」 (1PPS出力の確認)

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時刻と時間」カテゴリの記事

コメント

とてもためになります。
コンパレータの具体的な使い方と、バックアップバッテリの接続方法がわかりました。
うまく動作しなかった極小LCDもコンパレータがあったら動いたのかも知れないと思います。
それから、私の機器にもウルトラキャパシタ付けてみたいと思います。←初の正しい使い方かも^^;;
GE-612Tでどのように苦労したのかチェックしてみてからにしますけど。
電子パーツの棚卸をしてみたのですが、いつ買ったのかさえ不明な変わったPICが出てきました^^。ちょっと使ってみようと思ってプログラムを書き始めましたよ( ^ω^ )

あ~、すみません。GE-612Tのバックアップ電源の話、まだ書いてません (^^;;

今記事に回路図を追加しましたがコンパレータを使うと外部の回路と電源電圧が違うようなときに便利です。回路が複雑になってもコンパレータを使うのはこれが最大の理由でしょうか。

私もいつの間にかいろんな種類のPICがたまってきました。
でもよく考えるとCで書いてるわけだから機種の違いはそんなに気にならなくなりました。ない機能はどうしようもないんですが基本的なところはCONFIGだけ注意すればなんてことなく動きますので。
そろそろCにしましょう (^^)

コンパレータを買って(LM339AN)実験してみましたが、一部のOutputの電圧が振動していて動作がおかしくなってしまいました;;
2.5VをV-につないで、V+は5Vなのですが、Outputは不定(DMMでいろんな値が出て測れません)。
つなぐだけで簡単に 0 or 5V が得られると思ったのですが、なにかコツがあるのでしょうか?
使わないピンはGNDに落とすとかやってみたのですがいまひとつはっきり結果が出ません。

発振だとするとまず電源ピンとGNDピンのできるだけ近くにパスコンを入れることでしょうか。
発振は出力側から浮遊容量を通して帰還するのが原因でしょうからそこを意識して配線(レイアウト)を考えるのがいちばん(例えばソケットは使わない)なのですが、他に入力側のインピーダンスが高くならないようにする__例えば基準電圧を作るための抵抗値を下げる__というのも効果があると思います。
使わない入力ピンをグランドに落とすというのはそれで問題ないと思います(メーカーによっては違う方法を指定している場合もあるようですが)
今まで発振した(のに気がついた)経験はないのであんまり参考になる答えになってないかも....
どうやったら発振するか確かめてみればもっと役にたつ答えが書けそうですが...

非常に初歩的な質問なのですが、コンパレータに与える規準電圧(=抵抗分圧)の作り方に関して。
オペアンプの教科書ではバイポーラなら10kΩ、CMOSなら100kΩくらいの抵抗を帰還に使うというのが見つかりました。
ただ、コンパレータは単に基準となる電圧さえ合っていればよいとなると(この辺が勘違いかも)、10kΩ-10kΩで分圧しようが、1MΩ-1MΩで分圧しようが同じということになるかと思います。
ところで通常、回路として作成した場合、この分圧部分は常に電圧がかかっているわけですから、電池の持ちを考えると1MΩ-1MΩを使ったほうがいいという結論になるかと思うのですが、意外とそういった回路は少ない感じを受けます。まぁ、極端に大きな分圧用抵抗値ではコンパレータが動作しなくなってしまうだろうというのは想像できますが、どのくらい大きくできるのか、そういった情報はコンパレータのデータシートの特性から読み解くことはできるのでしょうか?
1PPS弐号機に使う抵抗にちょうどよいのが無くて、1.5MΩとかなら何故か持っていたりするところから出た疑問ではあるのですが・・・実験はするとしてデータシートから読めるのであれば今後の参考になるかと思い書かせていただきましたm(_ _)m

あんまりシビアな使い方はしたことがないので以下たぶんこうだろう程度ですが...
まずコンパレータが理想的な特性を持っていれば1Mだろうが10Mだろうが100Mだろうがかまわないということになります。実際そんなに大きくできないのはバイアス電流の影響が大きいです。
バイアス電流は分圧用の抵抗に流れるので基準電圧はバイアス電流に分圧用抵抗の値を掛けたくらい変動します。具体的なバイアス電流はデータシートにありますがLM399だと数百nAだと思います。
1Mを使うと数百mV基準電圧が変化してしまうことになります。
もし基準電圧を0.1Vくらいの精度で決めたいなら1Mを使ったらダメということになります。ただ単にHigh/Lowの切り分けだったら数百mVくらい違ってもなんてことはないでしょうから1Mだったら問題なさそうな気がします。
反則技っぽくなりますがバイアス電流の影響を実測して抵抗値を調整すればもっと高い抵抗でも使えそうです。この場合は今度はバイアス電流の温度特性が問題になります。
というような考え方でどの程度の基準電圧の変動が許されるかとバイアス電流のスペック値から分圧用の抵抗を決めればいいと思います。
バイアス電流の影響を小さくする方法として入力側の抵抗が+/-で同じになるように作るという方法もありますがこの場合はバイアス電流の差つまりオフセット電流が変動の要因になります。

ご教授ありがとうございますm(_ _)m
データシートのIibを見ればいいのですね。LM399のTypicalでは-25nAとあり、グラフの方からはSupplyVoltage=5V、温度25度のとき41nA、温度0度のとき47nAと読み取れます。
1MΩとして基準電圧からの誤差が0.047V。充分な精度です。
ということで100kΩ~1MΩくらいを選択すれば問題がないことと、巷でみる回路がその辺の抵抗値を選択していること、両方がよくわかりました(o^-^o)

あれ、バイアス電流は意外と小さいんですね。
バイアス電流の影響を真剣に考えなければいけないようでは設計がクリティカル過ぎるということで100kくらいでお茶を濁すという感じでしょうか (^^;;

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