GPS受信モジュールGE-612Tのバックアップ
「バックアップあれこれ」で書いたようにGPS受信モジュールGE-612Tのデータのバックアップの仕方はちょっと特殊でむずかしそうなところがあります。
ここでは“こうやったらできた”というものを書きます。もう一工夫ほしい感じですが....
冷静に考えるとこんなことをやるより2回路3接点のロータリースイッチを使うのがいちばん簡単だと思います。ただこれもメイクビフォアブレークのタイプが必要でそうなるとそれなりの配慮は必要です。
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GE-612Tの特殊性については「バックアップあれこれ」に書きましたのでここではどうやったかだけ書きます。
通常はバックアップ端子(この図ではVBAT、データシートではPWR_CNTRL)に電圧をかけておいて主電源を落とせばいいのですが、GE-612Tは稼動状態のときはこのピンはLowにしておく必要があります。
そこでこのような回路にしました。
2SC1815のベースには500kの抵抗を通して5Vの電源に接続されていますから2SC1815は導通状態になっています。このため電気二重層コンデンサの電圧はバックアップ端子にはかかりません。
ここでスイッチを切って5Vの電源が断たれるとと2SC1815は遮断状態になります。
バックアップ端子には電気二重層コンデンサC2の電圧が印加され待機状態になります。
この状態になると電池をはずす、電源コンセントを抜く等してもだいじょうぶです。
この回路の場合電源スイッチを投入するときは必ず電池が抜かれていないか(電源アダプタがコンセントにささっているか)確認することが重要です(パスコンに電荷が残っている場合電源を接続しないでスイッチを投入するとその時点でバックアップデータが消えます)
電源スイッチを投入すると2SC1815は導通状態になり待機状態から作動状態に変わります。
この回路の問題点はレギュレータに常時通電されていることです。ただ実際問題として消費電流が極めて小さいシャントLDOレギュレータがありますからそういうものを使えば特に問題になるほどではないです。私は電池(ニッケル水素)で使っていますが、いつも電池は入れっぱなしにしています。
ただもちろん電源スイッチを切ったら3.3Vラインも切れるようにしたいです。でもどうしたらそうできるのかアイデアが浮かびません。
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関連
「時刻標準について」
「GPS受信モジュールあれこれ」
「GPS受信モジュールGM-316による星食(掩蔽)観測用1PPS発光 」
「GE-612T vs GM-316 1PPS対決 - GPS受信モジュール」
「GPS衛星の電波を失ったGM-316の1PPS出力はどうなる?」
「1PPS信号を音声で記録すると遅延するか?」
「星食観測でのGPS・1PPS信号の利用法 (1)」
「星食観測用1PPS発光器取扱説明書 - 1」
「星食観測用1PPS発光器取扱説明書 - 2」
「はじめてのGPS受信モジュール - GE-612T編 - 1」 (動作確認)
「はじめてのGPS受信モジュール - GE-612T編 - 2」 (配線の仕方)
「はじめてのGPS受信モジュール - GE-612T編 - 3」 (1PPS出力の確認)
「はじめてのGPS受信モジュール - GM-5157A - 概要」
「はじめてのGPS受信モジュール - GM-5157A - 実装」
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コメント
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私がよく使うスイッチは1ツマミ2回路入りでピンが下に6本出てます。
こんな単純な解決方法ではダメなのかも知れませんが^^;
ずっと、6ピンなのは丈夫に固定されるためかと思っていたのですが、1pps発光器につけるとき2ピンだけ半田付けしたらスイッチにならなかったので気が付きました^^;
投稿: ほよほよ | 2014年11月21日 (金) 16時51分
メイクビフォアブレイクタイプの2回路3接点のローターリースイッチを使うのがいちばんすっきりしていると思うのですが秋月には小さいのがなくて。いや探せばいいだけなんですが (^^;;
2接点のスイッチでやろうとすると
1. 切断時VCCを維持したままいったんPWR_CNTRLをHighにしてそのあとVCCを落とす
2. 投入時PWR_CNTRLをHighにしたままVCCを所定の電圧にしてそのあとPWR_DNTRLをLowにする
を両立させる必要があり、1.は記事の回路で(C1があるので)できるのものの2.が難しいような気がするのですが...
考えすぎて難しくしすぎたのかも (^^;;
投稿: セッピーナ | 2014年11月21日 (金) 17時36分
あ、やっぱり難しいのですね^^;
VBATをいったんLowからHighにしてVCCを落とすのですか・・・
GE-315も稼動中VBATはLowにしてね、って書いてあったらあきらめそうです;;
こういったアナログ回路がすぐに組めてしまうところがいつもすごいと思います。
投稿: ほよほよ | 2014年11月21日 (金) 20時52分
はい、これなんだかヘンですよね。
GE-612Tの使っているublox 6のデータシートを見ても単にVCCが落ちたら自動的にバックアップに切り替わるだけのようですから、何らかの意図というか用途があってこうなってるんでしょうが。
この点もGM-5157Aはいいです。何も考えるところがありません (^^;;
投稿: セッピーナ | 2014年11月21日 (金) 21時16分
わたしのところでは、こんな回路を使って Navisis GE-612Tをボタン電池CR2032でバックアップしてます。
http://mewpro.cc/wp-content/uploads/GE-612TPower.pdf
同じく Aitendoで売っている GM-318 という(1PPSは出ていない)GPSレシーバーも PWR_CTRL の仕様が同じなのですが、両方とも、わたしの回路にあるように主電源からオープンコレクタで制御するという使い方を想定しているのではないかと推察しています。
バックアップ電圧はマニュアルに書いてないようなのですが、CR2032 (公称3V) (からショットキーバリアダイオードで電圧降下)で足ります。
この GE-612T はおそらくカーナビ用で、まともな外付けアンテナをつけるととても使えますね。
以上、ご報告でした。
投稿: Orangkucing | 2016年5月31日 (火) 11時59分
さんざん悩んだのですが教えていただいた回路でどうなるか考えてみたいと思います。
3.3Vを他の回路でも使っていると事情があるのですがこれは専用にした方がよさそうですね。
ありがとうございました m(._.)m
投稿: セッピーナ | 2016年5月31日 (火) 18時27分