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2014年11月15日 (土)

「写真から撮影方向を分析する」アプリ

いぜん「「写真から星の座標を得る」アプリ」という記事でほよほよさんの作られたソフトを紹介したのですが、同じくほよほよさんのアプリで同じくらいというかそれ以上に興味深いものがありますので今回はそれを紹介したいと思います。

よく天体の写真を撮っていると後で画像を見るとどこをとったかさっぱり思い出せない(わからない)ということがよくあります。

今回紹介するのは画像だけからその写真がどこを撮ったものかわかるという画期的なアプリ Tetraです。

正確に書くどういうレンズで撮ったか特に焦点距離はいくつだったかということということと画像のサイズがいくつかということだけは必要です。でもこれは画像あるいはExif情報を見ればわかることですからここまで含めて“画像だけから”と言って差し支えないと思います。

このアプリの原理、インストール、使用法についてはほよほよさんが書かれていますのでここでは実際の画像に適用した例を“使用上のヒント”を交えて記事にしたいと思います。

なおほよほよさんの記事はたくさんあるので記事の最後に参考としてまとめておきました。ダウンロードの方法を含め詳しいことはそちらを参照していただきますようお願いします。

Tetraに関する現時点での最新の記事は

  「ほよほよのブログ - Tetra用2015.0年版離角テーブル完成

だと思います。

------

その後こんなのも見つけました。“全自動”です。

  「
Astrometry.netでオリオン座を遊ぶ

今回のターゲットはこの写真です。Exifを確認すると先月真夜中に180mmのNIKONのレンズを使ってPENTAX Q7で撮影したものでした。
Imgp2947600_2

結果としては比較的に“メジャー”なところだったのでひょっとしたらどこを写したかわからないのは天文オンチの私だけなのかもしれませんが、わからないものはわからないわけでTetraの助けを借りることにします。

Tetraは画像の任意の四つの恒星の座標をしらべて入力するとそれらの恒星の相対的な位置関係が一致する恒星を全天の星座の中から探しだしてくれるというアプリです。

まず画像上から恒星を決めその座標を調べる必要があるのですが、これは「「写真から星の座標を得る」アプリ」に書いたアプリがちゃんとやってくれます。

そこで実際にやるのはコマンドを一行叩くだけですみます。

M:\_Documents\tetraf2015>keypoints_r.exe IMGP2947.bmp | tetraf > IMGP2947.txt

まずkeypoints_r.exeがIMGP2947.bmpから四つの恒星を拾い出しその画像上の位置を調べます。その結果がtetrafに送られ恒星のデータベース(正確に言うと恒星の相対位置(離角)のデータベース)と付き合わされどの恒星を写したものか探し出し結果をIMPG2947.txtに書き込んでくれます。

結果の最初の部分はこうなっていました。

H-length=4000, V-length=3000, Alpha=0.88160000, THRESHOLD=0.00250000, SVG=1
2652.328850 1648.968541 3504.802295 2246.812790 2716.112007 1503.146401 2897.595258 848.864946
ang1=0.611913, ang2=0.637067, ang3=0.093549, ang4=0.895751, ang5=0.491859
ang1c=12197, ang2c=12491, ang3c=1920, ang4c=17625, ang5c=9824
11 triangle(s) found.
13 triangle(s) found.
Common stars found. entry 5 in 1st list.
ox = 0.366912, oy = 0.889074, oz = 0.273722
ra=67.574553(04h30m17s), dec=15.885863(15d53'09")
Excellent result! 4/4 star(s) matched
TYC 681-106-1,,90.810054,2709.942398,8.73
TYC 681-1151-1,21273,233.539519,2964.196282,4.67
TYC 1265-59-1,20719,3863.440134,175.957558,8.11



画像の中心座標を示す ra=67.574553(04h30m17s), dec=15.885863(15d53'09")  のところからこの画像が赤経4時30分、赤緯16度くらいのところつまりアルデバランの近くヒヤデスの一部を写したものであることがわかりました。

上に一部を示しましたがTetraは画像上の恒星についてその恒星名(ヒッパルコス星表の星表番号)とその画像上の位置も出力してくれます。しかもこれはSVGでも出力されるので画像の範囲の“星図”を作ることができます。

Imgp2947org

この星図ともとの画像をオーバーレイすることもできます。
Imgp2947600name

もとの画像にTetrafで作成された星図からテキストだけ拝借してかぶせてあります。
これで星表番号入りの画像が作成できました。

----

以上のようにとっても簡単にどこを撮影した画像か調べることができるのですが、効率的に使う上でのコツというかヒント(あるいは私がTetrafを使う上で手間取ったところ)のようなものがあるので次の記事「「写真から撮影方向を分析する」アプリ (2)」ではそれについて書きます。


関連

  「写真から未知の天体の赤経・赤緯を求める (1)
  「写真から未知の天体の赤経・赤緯を求める (2)

  「デジカメで三角測量 (1)
  「デジカメで三角測量 (2)
  「デジカメで三角測量 (3)
  「デジカメで三角測量 (4)


  「「Excelによる天文計算」記事目次とリンク集

参考
  「ほよほよのブログ - 画像処理の最初の一歩
  「ほよほよのブログ - 写真から星の座標を得るために -画像処理その2
  「ほよほよ - 写真から星の座標を得るために -画像処理その3
  「ほよほよのブログ - 写真から星の座標を得る - プログラム公開
  「ほよほよのブログ - 写真から星の座標を得る - ここまでのまとめ

  (以下JPEG対応版について)
  「ほよほよのブログ - JPEGファイルの読み書きそろばん
  「ほよほよのブログ - JPEGファイルは正しく表示されているのか
  「ほよほよのブログ - 写真から星の座標を得る-プログラム再公開 

  「ほよほよのブログ - ヒッパルコス星表を取り込む
  「ほよほよのブログ - 写真から撮影方向を分析する-見えてきた問題点
  「ほよほよのブログ - 写真から撮影方向を分析する-その2
  「ほよほよのブログ - 写真から撮影方向を分析する-その3
  「ほよほよのブログ - 写真から撮影方向を分析する-その4
  「ほよほよのブログ - 写真から撮影方向を分析する-βテスト公開
  「ほよほよのブログ - 写真から撮影方向を分析する-βテスト公開(その2)
  「ほよほよのブログ - 写真の座標から赤経・赤緯を求める - プログラム再公開 -
  「ほよほよのブログ - Tetra用2015.0年版離角テーブル完成
  「ほよほよのブログ - 低空(高度23度)の写真にてこずる
  「ほよほよのブログ - プログラムをパイプでつなぐ
  「ほよほよのブログ - Tetra用2015.0年版離角テーブル完成 」  (現時点の最新版?)
  「ほよほよのブログ - 初期設定ファイルのコメント行

  「ほよほよのブログ - 写真から撮影方向を分析する-新たな試み
  「ほよほよのブログ - 写真から撮影方向を分析する-新たな試み2
  「ほよほよのブログ - 写真から撮影方向を分析する-新たな試み3
  「ほよほよのブログ - 写真から撮影方向を分析する-新たな試み4
  「ほよほよのブログ - 写真から撮影方向を分析する-検索高速化
  「ほよほよのブログ - 写真から撮影方向を分析する-さらに高速化
  「ほよほよのブログ - 写真から撮影方向を分析する-新たな試み5 ほぼ完成
  「ほよほよのブログ - 写真から撮影方向を分析する-新たな試み6 リリース

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コメント

いつもアプリを紹介していただき感謝ですm(_ _)m
とてもわかりやすいまとめ方なので私も参考になります^^。
最後のオーバーレイはGIMPなどでのテクニックなのでしょうか。素晴らしいです。

いやいや、最近いろいろ必要があって使わさせていただいているのですが、もう素晴らしいの一語につきます。こういう画期的なアプリの開発の過程をみせていただいた私の方こそ感謝です m(._.)m

最後の画像はGIMPで作っています。SVGは扱いやすくていいです (^^)
ほんとはデータから座標を抜き出し恒星位置を十字線について追加するつもりだったのですが、そこまで手が回りませんでした (^^;;

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