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2014年11月17日 (月)

ミルククラウン撮影装置(の原理)

ミルククラウンを撮るのはけっこうたいへんみたいです。

例えば
  「宙のブログ - ミルククラウン
  「宙のブログ - ミルククラウン 2
  「宙のブログ - ミルククラウン 3
にミルククラウンの写真がありますが、記事(とコメント)を読むとそのたいへんさがよくわかります。

難しさはどうやったらミルククラウンを作るかということもありますが、いちばん問題なのはそれをどうやって撮影するかということでしょう。

ここではこういう方法だったらうまくタイミングよく撮影できるのではないかというアイデアと試作品(?)を紹介します。

=====

撮影が難しいのは言うまでもなくクラウンができた瞬間にシャッターを切るなんてことが人間技ではできないことが理由です。そこでこれを機械化することにします。

スポイトなどから滴るミルクは万有引力の法則(+ストークスの法則)にしたがって落下していきますから同じ条件で落とす限りある高さのところを通った時刻がわかれば受け皿に落ちる時刻が予測できます。

部屋を暗くしておきカメラをバルブにしておきます。そしてミルクを落としある高さのところを通ったのを検出したらそれから受け皿に落ちるまでの時間だけ待ってストロボ等を点灯します。

こうすれば(ミルククラウンができていればたぶん)うまく撮れるはずです。

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こんなものを作ります。

Milkcrown_1

555というのは言うまでもなくNE555(実際に使っているのはLMC555)です。これでモノステーブルマルチを二つ作ってあります。

この回路は次のように動作します。

Milkcrown_1c

まずA点はフォトリフレクタの受光部になるフォトトランジスタのコレクタのところですがT1にミルクが通過すると光を反射しフォトトランジスタは導通し電位が低下します。

これはほんの一瞬ですがこれでモノステーブルマルチU1をトリガーします。パルス幅はT1からミルクが受け皿に落下するT2までの時間にしておきます。

パルスが出終わったところ(フォーリングエッジ)でC点は一瞬電位が低下します。これで次のモノステーブルマルチU2をトリガーします。このモノステーブルマルチは1/1000秒なり1/2000秒なりのパルスを発生しこれで発光ダイオードを点灯します。

上の回路を見てフォトリフレクタで落下するミルクを検出できるのかとか光量が足りないだろうとかいろいろ考えられる方もいらっしゃるかもしれませんがそういうのは工夫でどうにかなるものです。例えばフォトリフレクタの代わりにフォトインタラプタを使うとかLEDアレイを使うとか。

まだアイデアだけでミルククラウンを撮影するところまでできていませんが、試作品を作って落下する100円玉を撮ってみました。

Imgp1207

ぼちぼちやっていればなんとかなるような気がします。

伊知地国夫「科学写真を撮る」岩波書店にある“傘型ミルククラウン”(正しくは“ミルクきのこ”と言うべきかも)が目標です (^^)

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これと同じ機能のものはPICでも作れます。どちらがいいかというよりどちらが敷居が低いかということでどちらにするか決めればいいと思います。

それからシャッターを切るべきタイミングでLED(ストロボ)発光というのもいいんですが、暗いところで....みたいな制約がいやだったらこんなものを使うという手もありそうです。

  「ほよほよのブログ - NEX-5Dにインターバル撮影機能は無い;;(開発用メモ)
  「ほよほよのブログ - SONY NEX インターバルタイマーを自作する
  「ほよほよのブログ - SONY NEX インターバルタイマーを自作する(2)
  「ほよほよのブログ - SONY NEX インターバルタイマーを自作する(3)
  「ほよほよのブログ - SONY NEX インターバルタイマーを自作する(4)

この場合は最初からPICで作った方がよさそうです。

関連
  記事目次・趣味の実験
  記事目次・趣味の電子工作

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趣味の実験」カテゴリの記事

コメント

自分だったら555を使って作れないのでPICかなぁ~なんて思って読んでいたら、リンクが^^。
蛍光水溶液を垂らしてストロボ撮影するのがPICのコンテストで優勝してた気がします。
この機器でミルククラウンが上手に撮影できたら楽しいでしょうね。

いやあ、ぜったい555の方が楽ちんだと思いますよ (^^;;
でもテスト撮影しているとやっぱり暗闇でいろいろ操作するのはたいへんで、ほよほよさんの手法を利用する方がいいような気がしてきました。そのうちまたソースをまるごとパクらせていただきます m(._.)m
シャッター速度はこんにゃく現象を避けようとすると1/2000秒くらいが限度になると思うので、ストロボ/LEDを使う方法も捨てがたいとは思います。1/10000秒とかそれより短いシャッター速度も可能ですから。
風船の割れる瞬間とかそういうのも撮ってみたいです (^^)

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