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2014年11月16日 (日)

R1519/掩蔽(星食)観測報告 2014.11.15深夜

夕方になってさんから今夜星食があるという話を聞きました。
星食観測ハンドブックでは今日はなかったはず、と思ったのですが今月の予測シートを作ったとき星食観測ハンドブックに漏れが二つあったこともあってひょっとしたらと思い大慌てで準備を始めました。

Occultで確認したらR1519/6.5等星の掩蔽です。ところが予測時刻がぜんぜんあいません。Occult 4.1.2.0では17h14m44sUTなんですが、私のExcel星食予測 4.7Aでは離角0.00度、掩蔽は起きずとなっています。
いろいろ試した結果Occultの結果もあんまり信用できないようで17h06mUT~17h07mUTあたりと予想し待ち構えることにしました。

  <== Occultの設定を間違えていました (^^;;

どうしてこういうことになるのかというのはほよほよさんの「HIP 50870 の星食 速報」にある画像 をご覧いただければすぐにわかります。恒星の月に対する相対的な位置関係は月をかすめるようになっているので正確に計算するのはなかなかむずかしいケースになります。

--------

観測結果

  出現時刻  17h06m26.26s±0.04sUT
  出現時刻  17h06m27.26s±0.04sUT

  運良く(?)予測していた範囲で出現しました。

最初算出していた時刻は1秒違っていました。原因は

  「
掩蔽(星食)観測用GPS/1PPS発光器の仕様とバグ
  「
掩蔽観測用GPS/1PPS発光器(弐) - LED駆動ユニット - プログラム

にあります。

========

出現直前 No.7539(2倍に拡大)
Imgp35977539x2

とんでもないところから現れます。

出現直後 No. 7540(2倍に拡大)
Imgp35977540x2

--------
動画 時間は4倍スローにしてあります。



出現の前のタイムコード
No. 758
Imgp35970758

No. 0762 計算には使っていませんが上記発光の終了時(=0.100秒後)の画像です。

Imgp35970762


この“青=赤”の発光パターンは毎分40、43、46秒あるいは50、53、56秒に表示されるものです。この図は40秒に相当しています。
(「星食観測用1PPS発光器 - 弐号機開発状況」参照)

以上から出現の時刻を求めます。


出現の時刻 = To - Te + 1/Rf * ( No - Ne + 1 ) + Ts * ( Yo - Ye ) / Py
        = 17h02m40.000sUT - 0.030 + 1/29.97 * ( 7539 - 758 + 1) + 0.027 * ( 237 - 241 ) /480
        = 17h02m40.000sUT + 226.26s
        = 17h06m26.26sUT


上の式の意味については 「星食観測用1PPS発光器取扱説明書 - 6」に説明を書いてあります。

今回いつ出現するかはっきりわからず長時間録画したため上の式にあるようにタイムコードから出現の時刻まで4分近くあります。

念のため出現の後に入れたタイムコードからも計算してみます。

出現後のタイムコード
No. 9060
Imgp35979060

以上から出現の時刻を求めます。

出現の時刻 = To - Te + 1/Rf * ( No - Ne + 1 ) + Ts * ( Yo - Ye ) / Py
        = 17h07m17.000sUT - 0.030 + 1/29.97 * ( 7539 - 9060 + 1) + 0.027 * ( 237 - 36 ) /480
        = 17h07m17.000sUT - 50.74s
        = 17h06m26.26sUT


同じ結果が得られましたので特に問題はなさそうです。

------

出現観測位置と低解像度の月縁との比較
Lowres

出現観測位置と高解像度の月縁との比較
Highres

仮整約結果
Red

O-Cが-0.51とあんまり芳しくありません。

Occultによる1秒毎の月縁との位置関係をプロットしてみました。
2529
これを見ると出現時刻が28.5秒であればO-Cが0.0になることがわかります。
しかしこれは低解像度の月縁に対するものですのであんまり気にすることはなさそうです。

ただ高解像度の月縁と比較してもちょっと差が大きめです。これを見ると27秒ちょい過ぎというのが妥当なところでしょうか。
でも今回は明縁に近いところで出現していて明縁との判別が難しく出現時刻を遅めに判断してしまったということはあっても早めに出現と判断したということはないように思います。

ということで(再度動画の確認は行いますが)この結果をJCLOに報告したいと思います。

<== ああだこうだ書いていますが、LED発光のパターンが1秒遅れていました。
   正しくは17h06m27.26s±0.04sUTCでした。
   確かに“27秒ちょい過ぎ”です。


--------

掩蔽の予測と観測全般については

  『「掩蔽(星食)の予測と観測」記事目次とリンク集

に、2014年11月の星食の予測については

  「2014年11月の星食(掩蔽)予測(予測図作成機能つき)」 (予測用Excelシート付き)

にあります。いずれの記事にも参考となるサイトへのリンク等ついています。

それから星食など日時が逃せないものはツィートすることにしました。
  @Seppina1

Twitterのリンクの張り方がよくわからなくて (^^;;

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掩蔽(星食)」カテゴリの記事

コメント

なんと(@_@)
これはまた珍しい星食ですね(≧∇≦)

私の勘違いが、こんなことになるとは、、、

惑さんには感謝です m(._.)m
予測も観測も分析も難しくていつもの三倍は楽しめました (^^)

カスプ角ほとんど0度じゃないですか(゚0゚)
飛び地の間でしたか。これを見るとセッピーナさんの観測地のほうが接食に近い場所でしたね。

うちで掩蔽の継続時間は5分くらいだったようです。
もうちょっと南に行けば接食だったんでしょうが、明縁で接食じゃどうしようもないですね(^^;;
もう少し太陽との位置関係が違っていた暗縁潜入/出現を楽しめたんでしょうが....
でも今回は予測の精度を確認するためにはとても貴重なデータが得られたので満足です (^^)

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