こぐま座流星群の実経路を計算してみた
「サダルテミスさんが見た流星はこぐま座流星群だったか?」に書いたようにサダルテミスさんが撮られた「 昨晩のこぐま座流星群☆彡」の写真はどうやらこぐま座流星群の流星に間違いなさそうです。
そこで今度は実経路を求めてみます。もちろん写真は一枚だけですから正確に求められるわけはないのですが出現・消滅の高度を仮定すればどういう経路が予想されるかはわかります。
今回は計算に使ったExcelファイルもダウンロードできるようにしました。
「ダウンロード 141223-032900.xls (257.5K)」
=====
経路の求め方はこれまで書いたことを元にしています(最後にこれまでの記事へのリンクがあります)
流星の出現(あるいは消滅)の位置(経度、緯度、高度)を決めるとそれがどの方向(赤経、赤緯)に見えるかはもう計算できるようになっています。
これを逆にすれば方向から位置を計算できるのですがわかっているのは赤経・赤緯の二つなのにわからないのは三つ(経度、緯度、高度)ありますのでこれだけでは位置を決定できません。そこで高度を仮定します。そうすれば経度と緯度が一意に決定できます。
これはふつうに計算していけばできそうですが、考えるのが面倒なのでこれまで作ったExcelファイルを使ってソルバーで解を求めることにしました。Excelファイルにはソルバーの実行条件を含めて使い方が書いてあるので興味のある方は試していただければと思います。
結果だけ示します。
この図は国土地理院の地理院タイル(白地図タイル)を加工して作成しました。白地図タイルは基本測量成果には該当しません。
出現位置は高度120kmで出現とすれば宮城県中部、100kmで出現とすれば宮城県南部です。消滅位置は高度80kmで消滅とすれば宮城県・福島県の県境付近、60kmで消滅とすれば福島県東部です。
低い高度で見えた流星なのでさすがに遠いです。こんなに遠くても流星というのは見えるんですね <== よく考えたら真上の流星だって50km以上は離れているわけですから見えてもおかしくないですね。
これまで作った図なんかと合わせてひとまとめにした図はこれです。クリックすると拡大されます。
この図は国土地理院の地理院タイル(白地図タイル)を加工して作成しました。白地図タイルは基本測量成果には該当しません。
この図を見て同じ方向に見えている前提なのに120kmと100km(あるいは80kmと60km)で方向が違うのはなぜか、と思われるかもしれませんが、それは丸い地球上でのできごとを平面で表現しているからです。
もっとも計算のやり方には今一つ自信がないところもあります。例えば経度緯度から地図画像上の位置を求めているところです。
--------
関連
「ふたご座流星群・観測結果報告 - 1」
「ふたご座流星群・観測結果報告 - 2」
「ふたご座流星群・観測結果報告 - 3」
「じつはふたご座流星群じゃなかった(?)14日の流星」
「同じ流星が撮影できた?ふたご座流星群」
「実経路がわかったふたご座流星群の流星」
「Excelで計算する流星の実経路」
「決定された流星の実経路をSVGで地図にプロットする」
「計算した流星の経路を表示するための星図の作り方」
「サダルテミスさんが見た流星はこぐま座流星群だったか?」
「趣味の天文計算・記事一覧」
「写真から未知の天体の赤経・赤緯を求める (1)」
「写真から未知の天体の赤経・赤緯を求める (2)」
「「写真から星の座標を得る」アプリ」
「観測地から見た月の視位置(赤経・赤緯)を計算する」
« サダルテミスさんが見た流星はこぐま座流星群だったか? | トップページ | 一枚の写真だけで流星の経路を計算する方法 »
「天文計算」カテゴリの記事
- 太陽の赤経・赤緯・地心距離をExcelで求める(海洋情報部の計算式) 2018年版(2017.12.25)
- 海上保安庁水路部の惑星位置の略算式 - 天王星の視赤経・赤緯(2017.07.22)
- 海上保安庁水路部の略算式 - 水星の視位置(視赤経・視赤緯)(2017.07.15)
- 海上保安庁水路部の惑星位置の略算式 - 火星の視赤経・赤緯(2017.07.13)
- 海上保安庁水路部の惑星位置の略算式 - 火星の(日心)黄経・黄緯(2017.07.11)
この記事へのコメントは終了しました。
« サダルテミスさんが見た流星はこぐま座流星群だったか? | トップページ | 一枚の写真だけで流星の経路を計算する方法 »
コメント