決定された流星の実経路をSVGで地図にプロットする
前記事「Excelで計算する流星の実経路」で二箇所(あるいはそれ以上)から撮った写真をもとに流星の実経路を計算し決定するメドがたちました。これで目標は達成できたわけですが数値だけだとさびしいので“可視化”することを考えます。
今回は国土地理院の地図(地理院タイル)に流星の飛行経路を示す図をSVGで作って貼り付けようという試みです。
今度もExcelファイルを用意しました。
「ダウンロード Excel_Meteo_11.xls (200.0K)」
(このExcelファイルのデータはダミーで下の図を左下にずらしたようなものになります)
こんなのができます。
=====
まず国土地理院から地理院タイルを提供していただきます。いろいろあるのですが権利関係がややこしくなさそうな白地図タイルを使うことにします。ここから探しに行きます。
「国土地理院 -地理院 タイルを用いた開発」
ズームレベル7くらいが適当かと思うのですがタイルの大きさは縦横256ピクセルとちょっと小さいのと必要な範囲のものがあるわけでもないのでズームレベル8のを4枚組み合わせて使うことにしました。
自分で組み合わせるのが面倒な方はこれをダウンロードすればいんじゃないかと思います。
次にExcelファイルに描画機能を追加します。描画と言ってもビットマップを作るようなのは私は難しすぎるのでSVGで作ります。いちばん問題なのは国土地理院からダウンロードしてきたタイルがどの経度・緯度のものか計算するところでしょうか。経度は単純に分割数つまり“2^ズームレベル”で360度を割ればよさそうですが、緯度の方はメルカトル図法なのでそこのところを考える必要があります。Excelファイルの中に計算式が入っていますが今一つ自信がないです。タイルのなかでは緯度は直線的に変化するということですませてしまいました。これらについてはそのうち訂正記事を書くかもしれません。
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SVGは背景が透明になるように作ってありますのでGIMPなんかだと上の白地図の上にかぶせるだけで済みます。
記事の最初にあるのがこうやって作った「実経路がわかったふたご座流星群の流星」にある14日22時16分のふたご座流星群の流星のものです(画像からのいち読み取りをいろいろ試行錯誤中で引用した記事にある経路とはちょっとだけ違っています。
ここまで来たら横から見たところも追加したくなりました。そうすればどう流星が大気圏に突入したかがわかりやすくなるのではないかと思っています。
Excelで作成したSVGファイルの例、ファイルの拡張子を“.svg”にしておけばそのままInternet Explorerで表示したりGIMPで読み込んだりできます。
<svg
xmlns="http://www.w3.org/2000/svg"
width="512"
height="512"
>
<g>
<path style="stroke:#FF0000" stroke-width="2" d="M 427.7,358.4 364.9,352.2" />
<text font-family="serif" font-size="20" fill="red" x="427.7" y="378.4">103.1km</text>
<text font-family="serif" font-size="20" fill="red" x="364.9" y="372.3">61.9km</text>
<path style="stroke:#000000" stroke-width="1" d="M 427.7,358.4 346.4,188.0" />
<path style="stroke:#000000" stroke-width="1" d="M 427.7,358.4 296.1,234.4" />
<text font-family="serif" font-size="20" fill="black" x="346.5" y="188.1">Seppina</text>
<path style="stroke:#000000" stroke-width="1" d="M 364.9,352.2 346.4,188.0" />
<path style="stroke:#000000" stroke-width="1" d="M 364.9,352.2 296.1,234.4" />
<text font-family="serif" font-size="20" fill="black" x="296.2" y="234.5">Sadaltemis</text>
</g>
</svg>
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