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2015年1月17日 (土)

インダクタンスの測り方 (3)

どれも全体的に中途半端な記事です。まず

  「インダクタンスの測り方・まとめ

を読んでいただいてからの方がいいと思います。

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これまで二回“インダクタンスの測り方”という記事を書きました。

インダクタンスの測り方」では電磁誘導からインダクタンスを求めるという定義にしたがった測定方法をとりました。

インダクタンスの測り方 (2)」では正弦波の信号源に抵抗とインダクタンスを直列に接続し分圧からインダクタンスを求めるという方法でした。

今回はLC発振回路を作り発振周波数とコンデンサーの容量からインダクタンスを求めるという方法をとってみます。そしてインダクタンス測定の難しさについて考えていきたいと思います。

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LC発振回路と言うとハートレーとコルピッツしか思い浮かばないのでここではコルピッツ発振回路を使うことにします。

理論的(?)な取り扱いが容易なオペアンプを使ったものにします。図を書いて説明すればいいのですが面倒なので金沢大学の先生(秋田純一のホームページ)が書かれた

  「講義関連資料 - 第8回: 発振回路の演習

を見てください。

回路図と説明だけ読むと適当に回路定数を決めれば簡単に発振しするように見えるのですが必ずしもそうでもないです。そのことについて書き始めると長くなるので実際にどうやったかだけ書きます。

    ===> 具体的な回路図や実験結果を「コルピッツ発振回路の発振条件と発振周波数 (1)」に書きました。

R1とR2

R2を100kとし、R1を10kの可変抵抗にしました。
可変抵抗は発振振幅が小さくかつ安定した発振をする状態にします。
発振条件から言ったら定数の選択がおかしいように見えますが、これも説明は後回しにします。

C1とC2

任意に選んでいいのですが、同じ値のものにしました。セラミックコンデンサー1uF、0.1uF、0.01uFの三種類を使いました。

R

100~10k。以下の実験結果は1kのときのものだと思います。
講義資料にはなぜこれが必要か説明がないような....

L

これまでの記事で使ったものと同じものです(要するにリレーのソレノイドの部分のコイルを使っています)

オペアンプ

JRC 072D。FET入力でバイアス電流が小さいのとボルテージフォロワーで使って問題ないのでよく使ってます。何を使っても問題ないでしょう。

周波数測定

DMMの周波数測定機能を使っています。念のためPCオーディオで録音し波形と周期をチェックしています。


電源

オペアンプを単電源で使う方法 - 4」に書いた方法で一つの電源から+/-電源を作っています。ちゃんと二電源用意した方がいいでしょうが。

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実験結果

C: 1uFのとき発振周波数1.13kHz

L: 38mHということになります。

コルピッツ発振回路の発振周波数の計算式から逆算します。計算式は上で引用した先生の講義資料にもありますが、コンデンサの容量を(直列になっているので)1/2と考えてふつうのLC回路の共振周波数の計算式で計算すればいいです。

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さてこのインダクタンスなんですが「インダクタンスの測り方」で測ったときは350mHでした。その後「インダクタンスの測り方 (2)」では130mHという結果が出ました。

そして今度は33mHです。一回目とは一桁結果が違います (^^;;

  測定方法によてなぜ結果がこんなに違うのか?
  どれが正しい値なのか?
  どうやったら正しいインダクタンスを測ることができるのか?

これらが今後の記事のテーマになります。

  「インダクタンスの測り方 (4)」 直列共振周波数の測定
  「インダクタンスの測り方 (5)」 交流ブリッジ

  「コルピッツ発振回路の発振条件と発振周波数 (1)

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発振回路の波形(1.2KHz)の例
Photo

ウィーンブリッジ発振回路の帰還量(増幅率)と波形の関係」や「オペアンプで作る移相型発振回路 (1)」と同じで増幅率をギリギリに押さえて使えばまあまあ正弦波になります。

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関連

  「インダクタンスの測り方」  (インダクタンスの定義から)
  「インダクタンスの測り方 (2)」 (抵抗との直列回路の電圧降下から)
  「インダクタンスの測り方 (3)」 (LC発振回路の発振周波数)
  「インダクタンスの測り方 (4)」 (LC共振回路の共振周波数)
  「インダクタンスの測り方 (5)」 (交流ブリッジ)
  「続・インダクタンスの測り方 - 5 - 交流ブリッジ
  「インダクタ(コイル)の複素インピーダンスを測ってみた

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コメント

インダクタンスの計測はやっぱり難しいんですね。
といってもセッピーナさんの場合、わかってやってるんでしょうけど(^-^;
うちのDMMには周波数カウンタなる機能が無いのでGoldWaveで見るか、自作するかしないとです;;
ゆっくりしか進めませんが理解を深めたいと思います。

どういう場合でも難しい(=誤差が大きい)というわけではないんですが、測定方法・測定対象に注意しないとこういう一桁違ってるなんてことも起きかねません (^^;;
周波数カウンタ?
PIC/キャプチャ、1PPS、... もうできたも同然ですね (^^)

インダクタンスの測り方はなかなか一筋縄ではいきませんね^^;
だんだんと深みにハマってきました、、、

次の記事期待しています(¬_¬)

測定の対象にしているのは“コイル”であってインダクタンスそのものじゃないんですね。
それを純粋なインダクタンスと考えてしまうとこの記事にあるような訳のわからない結果になってしまいます (^^;;

あれ?インダクタンスとコイルって別物なのですね^^;
一緒のものかとおもっていました

私流の解釈でしょうが、インダクターという言葉にはインダクタンスしかないように感じられます。
実際のコイルにはインダクタンスだけでなくレジスタンスもキャパシタンスもあるわけでインダクターという言葉にはちょっと違和感を感じています (^^;;

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