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2015年1月26日 (月)

バイナリーカウンターで測るGPS受信モジュール1PPS信号のパルス幅

24ビットバイナリーカウンター」を作ったのはいろいろ理由があるのですが、その一つは二つのGPS受信モジュールの1PPS出力のタイミングがどのくらい違っているか調べるためです。

今回は小手調べに1PPS出力のパルス幅を測ってみました。

===> その後“本題”に取り組み始めました。
    「GPS受信モジュール・GE-612T vs GM-5157A 1PPS対決(高分解能版)
    「100万分の1秒くらいずれている?GPSの1PPS出力 GE-612T vs. GM-5157A

24ビットバイナリーカウンターは12ビットカウンター2個として使えるように作ってあります。
Imgp85701200

A点から信号を入力します。B点は二つのバイナリーカウンターの接続点でジャンパーで繋がれています。つまりジャンパーをはずしここをもうひとつの入力点とすると二つの12ビットバイナリーカウンターとして使うことができます。C点はカウンターのクリア信号の入力です。今回カウンターはクリアせずに続けてカウントアップする方法を使っています。

カウンターの入力信号はこのような回路で作っています。
Binarycounterinput

1PPS信号はAの方はそのままNANDの入力に使い、一方Bの方は反転した上でNANDの入力として使われています。
このためAのカウンターは1PPS信号がHighのとき8MHz水晶発振器の信号をカウントアップし、Bのカウンターは1PPS信号がLowのとき8MHzの信号をカウントアップします。

この回路だと例えばBの場合信号を反転するためのNANDで遅延が発生しますが、この遅延は多少大きくても測定結果の精度に影響を与えません。もちろん立ち上がりと立ち下がりの遅延の差が大きければ影響が出てきますが。

実際にカウントしている様子です。


コマ送りでみないとわかりにくいのですが次のような動きをしています。

1PPS信号終了後0.9秒間
  Aカウンターはカウント値を表示しています。
  Bカウンターは8MHz信号をカウントアップしているので全LEDが点灯して見えます。

1PPS信号開始後0.1秒間
  Aカウンターは8MHz信号をカウントアップしているので全LEDが点灯して見えます。
  Bカウンターはカウント値を表示しています(動画でははっきりわかりません)

カウンターの値を読みとっていくだけなのですが、動きがはやいですし表示が2進数になるわけでそう簡単ではありません。録画しておいてあとでじっくりカウント数を読みます。

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ところでカウンターは12ビットつまり4096までしかカウントできません。一方1PPS信号の幅は0.1秒なので8MHzからの信号源からは80万個(残りの0.9秒間には720万個)のパルスがきます。
でも測れないことはないです。カウンターは4095までカウントしたらそのまままた0からカウントし始めます。つまりカウンターにはパルス数の4096の剰余が表示されます。1PPS信号は0.1秒±0.0001秒であることはすでに確認済みですので4096の剰余がわかればカウント数を知ることができます。

--------

回数 1PPS終了後のAのカウンター値
(mod 4096)
1PPS出力中のパルス数 1PPS開始時のBのカウンタ値
(mod 4096)
1PPS出力後のパルス数 1秒間のパルス数 1PPSパルス幅の相対値
1 66E - 2B2 - - -
2 B60 799986 F52 7199904 7999890 0.100000
3 052 799986 BF2 7199904 7999890 0.100000
4 543 799985 893 7199905 7999890 0.099999
5 A36 799987 533 7199904 7999891 0.100000
平均 799986 7199904.3 7999890.3 0.0999996
標準偏差 0.8 0.5 0.5 5E-7


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結論

1PPS信号のパルス幅は(1PPS信号が正確に1秒間隔で出ているとすれば)0.100000秒±0.000001秒でした。

実験に使った水晶発振器(パッケージ)の出力周波数は(1PPS信号が正確に1秒間隔で出ているとすれば)7.999890MHz±0.000002MHzでした。

今後の予定

より高い精度(分解能・確度)の測定を目指します。

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