PIC16F1705の8ビットDACを使って(実用的)正弦波発振器を作る - 悪い実装の例
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「PIC16F1705の8ビットDACを使って(実用的)正弦波発振器を作る - 1」
の続き、あるいは
「ベクトル電圧計・複素数としての電圧・電流を測る方法 - 原理」
「PIC16F1705のDAコンバータを使った正弦波発振器(発生器) - 改良版」
に向けての記事です。
前記事にはプログラムソースとどのピンがどう接続されているかは書きましたので(もし仮に作りたい方がいらっしゃったとしたら)なんとか作れるだけの材料はあると思うのですが現物を見ないとイメージがわかないと思うので今回実機(?)の画像で説明します。
ただ今回は失敗作です。
私はいつも秋月電子通商で販売している「片面ガラス・ユニバーサル基板(ブレッドボード配線パターンタイプ) 」を使っています。ブレッドボードで試作したものをそのまま移行できますから便利です。
でもその分あんまり実装密度が上がりません。いつものクセで基板のパターンをカットして実装密度をあげようとしたのですがこれが裏目に出ました。何がなんだかわからなくなってしまいました。
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上から見た画像はこれです。
図に書き入れるのを忘れたのですが左上にあるのが電源のピンヘッダです。電源は5Vの単一電源です。ピンが四つあるのは逆刺し防止というか逆指ししたら何も起こらないようにするためです。
周波数設定用のスイッチはスライドスイッチにしました。DIPスイッチや小さなロータリーエンコーダーだと周波数を変えるたびに精密ドライバーを持ち出す必要がありそうで指で操作できるものにしました。
リセットとスタートはタクトスイッチです。
リセットというのは/MCLRをLowに落とすためのものです。スタートというのはINTをHighにし二つのPICが同期して動作するようにするためのものです。
周波数を変えるときは周波数を設定しその後必ずリセット、スタートと操作するわけですからなんだかムダなことをしていうようにも思えます。/MCLRがLowに落ちたところでタイマーを起動し1秒後にINTをHighにするとかすれば操作性が改善しますし、さらにPICでタイマー割り込みを使ってもどうにかなりそうですが面倒なので二段操作になっています。
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PICで(PICでなくても)水晶振動子を使うときふつう負荷容量(分圧用容量?)が必要になります。適切と思われる容量のコンデンサがなかったので100pFのセラミックコンデンサにしました。水晶振動子を8MHzに変えるときちゃんとしたいと思います。
もっともどのくらいの容量が適切かを理論的(?)に考えようとすると水晶振動子の特性がわかっていないとダメなわけでけっきょくいろいろ試してみることになります。今でもちゃんと動いているわけですからもうこのまま__水晶も10MHzのまま__にしておこうかとも思い始めています。
なおこのコンデンサーの容量については“力作”を見つけました。とても参考になります。
「なひたふ新聞 - 水晶発振回路の豆知識」
発振しないのも困りますが、オーバートーン発振するのはもっと困るわけでこういうのに慣れていない方は水晶振動子より発振回路も込でパッケージになったものを買ってきたほうが安心・確実でしょう。
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ところで私の場合PICを使った基板は必ずICSPができるようにしておくのですが、今回はちょっと問題があります。二つのPICのPICKit3に接続されるすべてのピンが接続されておりそのままではICSPができません。他のピンは逃げようがありますがVppはまずいです。
そこで/MCLRつまりVppは回路から切り離せるようにしました。/MCLRは配線されておらず発振器として使うときはリセットと/MCLRをジャンパーで接続するようにしています(画像にある緑色の線がそうです)
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裏面から見ると失敗作であることが一目瞭然です (^^;;
以前配線は色分けしておいた方がいいなんて書きましたが今回はツイステッドペアをほどくしか適当は配線材がなくてご覧のように紅白に色分けしてあります。
こういう配線が多いときはパターンカットしてスペースが稼ごうというのはやめた方がよさそうです。ただパターンカットするにしても縦ではなく横に並べればもう少しすっきりしたかもしれません。
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こんばんは
ブレッドパターンのやつ私も便利かもって思っています。
が、パターンカットしてスペースを稼ごうなら
ユニバーサル基板にシマショウよぉ。(^o^;)
投稿: きむしげ | 2015年1月31日 (土) 21時11分
はい、おっしゃるとおりです。
ブレッドボードパターンの基板に慣れてしまいそこからしか発想ができない体になってしまいました (^^;;
投稿: セッピーナ | 2015年1月31日 (土) 22時02分
前記事では回路図が無かったのでプログラムコメントを一生懸命読んで理解しましたが、こうして写真で見るとやっぱりわかりやすいですね。
と、思って裏を見たら吹きましたが^^;
表のPICの接続部分だけわかればいいので裏を見せる必要はなかったのでは?(笑)
投稿: ほよほよ | 2015年2月 1日 (日) 11時24分
反面教師と思ってください (^^;;
ちょっと言い訳するとICSP対応のため本来必要ないものが追加されているところもあります。
記事を書くときいつも回路図をちゃんとつけなければと思うのですが面倒で....
投稿: セッピーナ | 2015年2月 1日 (日) 12時39分